SK Hynix 3Q26決算を発表当日に記事化:段階利益のウォーターフォールとHBM売上の推定

開発financial-data

SK Hynix 3Q26決算を発表当日に記事化した記録

10月28日の朝、SK Hynix が2026年7〜9月期(3Q26)の決算を発表した。 Claude Code に公開記事を用意させ、その日のうちに3Q26決算サマリーと3Q26決算説明会の要約の2本ができた。

速報に載っていたのは、売上、営業利益、純利益の3項目だけである。 その3つのあいだで何が起きたのかを、図を足しながら何度も聞き直すことになった。

朝:速報からサマリー記事を立てる

決算が出たので公開記事を用意してサマリーしておいて、と頼んだのが始まりだった。

ブラウザで表示を確かめさせると、::: callout が記法のまま画面に出ていた。 サイトにはコールアウト用のコンポーネントがなく、1Q26の記事も同じ崩れ方をしていた。 引用ブロックに置き換えさせたところ、今度は置換の途中で文字列が $_ に化けたので、Edit で手直しさせた。

段階利益を縦のウォーターフォールにする

次に、損益の各段階をウォーターフォールチャートにしてほしいと頼んだ。 手本は前日に作った S-1 の記事で、横棒を縦に積む形にしてある。 その生成スクリプトを探し出させて、同じ型で描かせた。

粗利まで描けるかを確かめるため、IR サイトの資料も探させた。 置いてあった PDF は2023年の技術セミナーのもので、3Q26の粗利や営業外損益の内訳は見つからなかった。 そのため、段階は「売上 → 営業利益 → 純利益」の3段で描かせた。

描画を目で確かめさせると、営業費用のラベルが「△-21.28」と符号を二重に付けていた。 差額の図は丸めたあとの値から計算していたので、丸める前の値で計算し直させると、△43.56で図1と一致した。 この時点で、記事には図が5枚入った。

4〜6月期の営業外損益と法人税の内訳

純利益が減った理由を聞くと、今日の速報では分からないという答えだった。 内訳が出るのは、四半期末から45日以内に DART へ提出される四半期報告書(11月14日ごろまで)か、決算説明会の要約記事だという。 4〜6月期の営業外損益と法人税まで、「内訳は未開示」とされていた。

ここが引っかかった。 3Q26はともかく、4〜6月期なら前回の開示で分かるはずだと押し返した。 調べ直させると、2Q26の内訳は8月18日の半期報告書(SEC の Form 6-K)に載っていた。 連結損益計算書を取らせ、金融収益65.9兆ウォンの中身を注記で確かめさせてから、図2を売上から純利益までの全段階のウォーターフォールに作り直させた。

マイナス43.56兆ウォンの理由を X で探す

3Q26は、営業利益から純利益へ下る段で43.56兆ウォンが減っている。 報道では何と言われているのか、X ではどう語られているのかを、x-search で調べさせた。 検索結果は文字コードの問題で、取り出すのに手間取った。

X で主流だった説明は、為替関連損失11.63兆ウォンとキオクシア株の評価損22.92兆ウォンである。 法人税10.93兆ウォンという数字も出回っていた。 ただ、この内訳はニュース記事にも会社のリリースにも載っておらず、この時点では一次資料で確認できなかった。 その後、決算説明会の要約記事を書かせたのと前後して、図1も内訳つきの形に描き直させた。

BS の百分比と、ハードルの高さ

BS の百分比図は速報の段階でも出せるのか、とも聞いた。 6月末の貸借対照表で百分比図を作らせ、「現金」の表記を「現金性資産」に直させた。

並行して、韓国の証券会社Aが10月12日に出したレポートの予想と実績を比べる図も作らせた。 実績の破線が数値ラベルと重なっていたので、ラベルを破線の右へずらさせた。 本文の順に並べると図番号が1、2、3、7、4、5、6となったため、出てくる順に振り直させた。

最後のつもりで頼んだのは、コンセンサスの営業利益を2025年の実績から四半期ごとに横へ並べるチャートである。 10〜12月期の予想がどれだけ高い位置にあるのか、ハードルの上がり方を1枚で見たかった。 これが図5になった。

同じセッションで、決算説明会の要約記事も書かせた。 SNS で出回っていた「くだけた要約」を貼り、説明会の発言と突き合わせさせると、大筋は合っていた。 ただし口調はかなり盛ってあり、HBM4 の出荷時期と「積層不良」の2点は事実と違った。 この真偽表は、説明会の要約記事の末尾に節として足させた。

図5の予想は次の4Qまでだったので、その先の1Q〜4Qも四半期ごとに入れられないかと追加で頼んだ。 金融データサービスCは旧ページがなくなっていて、新しいページを探し直させた。 四半期単位の予想が取れたのは2027年1Qまでで、2027年4〜12月は通期予想から逆算した平均で埋めた。

LTA の下限と上限をどう読むか

11時台からのセッションで、ある投稿を貼って聞くと、今の株価だと予想PERは3.6倍だという答えが返ってきた。 数量が売れているという前提に立つなら、単価がかなり下がっても割安という計算になる。

私が気になったのは、LTA(長期契約)の価格条件である。 下限は決めてあって、上限はまだ交渉中か、段階的に決まるのではないか。 メモリはピークの利益に PER を付けるのが市場の慣習だが、LTA で3年先まで数量を固定して売り先が決まっていたことは、これまでなかったはずだ。

Claude Code の答えは、報道を見るかぎり下限があって上限は外した形で、SK Hynix に有利だというものだった。 ただし、どちらも会社が開示した数字ではなく報道ベースである。

私の見立てはこうだ。 マイクロンはたぶん、下限を今の市況より低くは設定しない代わりに、上限を設けた。 SK Hynix はたぶんそこまで行っておらず、条件を明確にしていない。 そのぶん、今の市況より低い価格が設定される可能性もある。 値上がりの取り分を取ったのが SK Hynix で、長く安定して売れるほうを取ったのがマイクロンだと思っている。 Claude Code に報道を突き合わせさせると、同じ構図だという答えだった。

HBM / DRAM / NAND に売上を分ける

続けて、売上を HBM、DRAM、NAND(SSD)に分けた四半期ごとの時系列推定チャートを頼んだ。 Opus の調査役を立てさせ、DART の四半期報告書、決算説明会、第三者推計から、DRAM/NAND の売上構成比と HBM 比率の一次データを集めさせた。 描画には既存の scripts/sk-hynix/gen-3q26-charts.mjs を使わせ、ほかの図とトンマナを揃えた。 凡例の間隔が不揃いだったのを直させ、図9としてサマリー記事の「2. 事業」に入れた。

できた図を見て、二つ聞いた。 HBM の売上が「推定」とはどういうことか。 そもそも SK Hynix の HBM は、こんなに売上が変わらないのか。

返ってきたのは、会社が HBM の売上を発表していないので、決算資料のグラフから逆算した数字だという答えだった。 2Q26と3Q26は第三者の推計とも合っていて、伸びが鈍いのは実態に近い、というのが Claude Code の見立てである。

別のソースのグラフ画像を貼って、数字が似ているかも確かめさせた。 答えは「ほぼ同じ」で、その図も同じ決算資料の DRAM 用途別グラフを数字に起こしたものだった。 違いは GDDR を引いているかどうかだけで、DRAM 合計は1Q26以外で一致した。 それなら根拠を書いておいてほしいと頼み、図9のすぐ下に推計の根拠を※1〜※5で書かせた。

「収益率が大幅に縮小」の読み違い

次に貼ったのは、会社の IR スライドの画像である。 HBM の収益率が大幅に縮小すると読めたので、利益率が改善したらどれだけ伸びる余地があるのかを聞いた。

返ってきたのは、読み方が逆だという指摘だった。 原文は "2027 HBM negotiations finalized; profitability gap with conv. DRAM expected to narrow meaningfully" で、縮むのは利益率そのものではなく、HBM と汎用 DRAM の利益率の差である。 今は汎用 DRAM のほうが儲かっていて、2027年は HBM の利益率がそこへ追いつく、という意味だった。

それでも、値上げでどれだけ伸びる余地があるかは記事にまとめてほしかった。 市場調査会社の予測で2027年の HBM 平均単価が2.2倍(+121%)と出ていたので、これを軸に試算させた。 表示を確かめている途中でタブが閉じ、開き直させる場面もあった。 サマリー記事には「2027年の HBM 値上げで、営業利益はどこまで伸びるか」という節が増え、IR スライドの画像も入った。

振り返り

  • 速報の時点で「未開示」とされた数字でも、前の四半期なら半期報告書に内訳が載っていた。分からないと言われたら、どの期の話かを分けて聞き直す。
  • IR スライドの一文は、何が縮むのかを取り違えると結論が逆になる。縮むのは HBM の利益率ではなく、汎用 DRAM との利益率の差だった。
  • HBM の売上は会社が出していない。図9の数字は決算資料のグラフからの逆算で、根拠は図の下の※1〜※5に残した。

2027年の HBM 単価2.2倍は、あくまで予測である。 LTA の下限と上限の整理も、報道をもとにした私の見立てにとどまっている。

#SK Hynix#決算#HBM#ウォーターフォールチャート#コンセンサス#LTA#Claude Code#日記