台湾OSAT4社のページ整備と韓国品目別半導体輸出のチャート化

朝、/memory-makers にASEのURLを貼って「これ追加できますか」と聞いたところから始まった一日が、夕方には韓国関税庁の品目別輸出データを毎朝自動取得する運用変更まで転がっていった。台湾OSAT(後工程)のページ整備と、台湾・韓国の輸出統計まわりを一気に進めた記録。

ASEのページ追加 — 実は登録済みだった

台湾OSAT大手のASEを /memory-makers に追加してもらおうとしたら、最初の調査で「実は登録済みです」と返ってきた。「AIサーバー・ネットワーキング」カテゴリーに紛れていて、自分でも見つけられていなかった。

そこで新カテゴリー 「OSAT(後工程: パッケージング・テスト)」 を作ってもらい、ASE・Powertech・KYECの3社をそこに移した。業態の整理も一緒にやってもらった。ASEとPowertechは「パッケージング+テスト」の両方をやるOSATで、KYECだけがテスト専業。「半導体テストの会社」というくくりより一段広い「OSAT」をカテゴリー名にして、テスト特化という違いは各カードの説明側に書き分ける、という整理に落ち着いた。

データは2024年1月から、チャート順序は他ページに揃える

月次売上データはPowertech(6239)とKYEC(2449)を2024年1月分からFinMind経由でバックフィルしてもらった。23銘柄すべて2026年5月分まで取得成功。表示側は filterFromMonth という純粋関数を新設してもらい、ユニットテストも既存ファイルに追加。

できあがったASEページを見て、順番が気になった。月次売上が下の方に埋まっている。他のメーカーページは月次売上が先頭に来ているので、「まず月次を先に。次に四半期売上、EPS、その次にセグメント」と並べ替えを指示した。セグメント別は積み上げ棒にするかどうかを口に出しながら迷ったが、結局積み上げ棒で確定。最終的に 「月次 → 四半期売上 → EPS → セグメント(積み上げ棒)→ 粗利率」 の順になった。

IR資料と数字が違う — 画面を見比べて気づいた

ASEのIRスライド(Consolidated Operations)を手元に開きながらページのセグメント数値を眺めていたら、数字が合わない。スクリーンショットを貼って「資料となんか数字が違うのって何でなんですかね」と聞いた。

答えは集計ベースが2系統あること。セグメント間取引の「消去前 / 消去後」 で数字が変わる。IRスライドは消去後、ページに載せていたのは消去前だった。ページは「消去前+スライドとの違いの注記」のまま維持する方針にして、検証済みの消去後9四半期分は将来差し替えたくなったとき用に memo/2026-06-11/ase-segment-post-elimination-numbers.md に保存してもらった。画面の違和感を拾うのは自分の係、検証と退避は任せる係、という分担がここでも効いた。

チャートの細かい仕上げ

  • 粗利率チャートに数値ラベルを入れさせた。SegmentLineChart に opt-in の showValues プロパティを追加する形で、他ページの既存チャートには影響しない実装
  • 積み上げ棒の凡例の文字かぶりも直してもらった

KYECのブレイクダウンとArdentecの追加

KYECのIRには売上を「アプリケーション別」「プロセス別」にブレイクダウンした開示があるので、これも四半期推移の積み上げ棒で作ってもらった。リサーチエージェントが9四半期分を収集。ただし開示は構成比(%)のみだったので、チャートは「構成比 × 四半期売上」で金額換算した積み上げ棒(合計=四半期売上)にし、表には開示原文の%を載せる構成になった。

さらにOSAT4社目として Ardentec(欣銓科技 3264.TW) も追加。最新2026年5月の月次売上は15.2億NT$でYoY +33.0%。KYECが「AI/HPCが強い」のに対して、Ardentecは車載・IDM受託中心でこの伸び。「AI以外も回復しているか」の切り分け指標として面白い並びになった。

OSAT総括記事 — 「下書きの検証」をやめて独立記事に

OSAT4社が揃ったところで、手元にあった「半導体テスト市場はかつてない活況期へ」という総括の下書きをファクトチェックして公開記事にしてもらった。チャート2点(SVG)の生成、外部ソースでの裏付け調査まで含めて一通り完成した。

ところが、できあがった記事を読むと「下書きがあって、それを検証する」という構えで書かれている。これが引っかかった。「その下書きと言っている部分の存在がなかったとしたらどう書くか」で全部書き直してもらった。一度直してもらっても「追加にあたって総括文があったので検証する」という前提の一文が残っていたので、もう一度指摘して取り除かせた。

中心メッセージの差し替え

書き直し版の「一言で言えば、伸びの中心はテスト工程にある」というまとめにも、まだ物足りなさが残った。テスト専業の会社を並べているのだから、テスト工程が伸びているのは当たり前に近い。重要なのはその先で、テスト工程が伸びているということは、NVIDIAのBlackwellやGB300、Vera Rubinの製造が増えていることの先行指標として読める、という示唆のはずだ。

この読み方が業界の見方として合っているかをまず確認してもらい、合っているという裏付けが取れたので、記事の中心メッセージを「先行指標としての読み方」に据え直してもらった。途中、編集の過程で「ひと足early──もとい」という変な文が混入していたのも直させた。

台湾・韓国の輸出統計5月分

午後、「台湾と韓国の輸出統計の記事って書いてましたっけ?5月分の」と聞いたら、実装ログ2本はあるが 5月分の数字を読む解説記事は未執筆 という答え。そのまま書いてもらった。

統計はデイリーで出るのか、10日刻みなのか

合わせて気になっていたのが、「6月の輸出がすでに5月を超えている」という1〜10日分の話。そもそも輸出統計はデイリーで出るものなのか。調査エージェントに調べさせた結果:

  • デイリーではなく「10日刻み」が正解。旬報ベースで公表される
  • 「6月が5月を超えた」という話は主要報道では確認できず、月換算ではむしろ5月を下回るペース という訂正が返ってきた

コミット時に自分が「5月が過去最大の実績で、それを上回るペースで6月も伸びてるってことですね」と理解を口にしたら、2点訂正された。思い込みで記事に書く前に止まれたのはこのやり取りのおかげ。記事は /taiwan-korea-exports-may-2026 として公開した。

韓国の品目別半導体輸出 — DRAM/NAND/MCPを$/kgまで分解

この日いちばん手応えがあったのがここ。韓国の輸出統計が品目別(DRAM/NAND/MCP)に取れるらしいと知り、関税庁の貿易統計サイトのスクリーンショット3枚を貼って「チャレンジしてもらえませんか」と投げた。

agent-browserでの取得は素直には進まなかった

取得はagent-browserで関税庁サイトを直接操作する方式。直接呼び出しはエラーになり、UIのメニューから正規ルートでクリックさせ、ページ状態が不明瞭になってスクリーンショットで確認し、エラーが続いたのでルールどおりissueを作成してからリカバリ──という泥仕事を経て、2018〜2019年分の取得に成功。残りの期間も同様に取得して、2018年1月からの全量が揃った。

途中で月間の利用上限に当たってセッションが止まる場面もあった。「これって作業終わったんですかね。途中だったら続けてください」で再開させたら、テンプレート追加からテスト30件パスまで残りを走り切った。

表示の作り込み

  • 既存チャートコンポーネントは29ヶ月想定だったので、100ヶ月表示用の 長期系列チャート(LongSeriesChart.vue を新設してもらった
  • データは2018年から koreaChipItemExports.ts に全量保持しつつ、表示は2024年1月から に絞った(ITEM_DISPLAY_FROM = '2024-01' のフィルタ方式)。上段のMOTIE半導体輸出チャートと期間が揃った
  • 「チャートに数字は全部入れてください」で全データポイントに数値ラベルを入れさせた。単価折れ線は3系列とも全ポイントにラベルが付き、同じ月でラベルが重ならないよう「最大系列は点の上・他は点の下+最低12px間隔」の衝突回避まで入っている

金額 = 数量 × 単価 に分解する

単価($/kg)のチャートはできていたが、見ているうちに数量側も欲しくなった。「数量のデータも出してほしいんですよ。そしたら分解できて面白いじゃないですか」と頼んで、重量(=数量の代理)のチャートを追加してもらった。これで 「金額 = 数量(重量)× 単価」の3点セット がページ上で分解できる。金額が伸びたとき、それが量の増加なのか単価の上昇なのかをチャートを並べるだけで読み分けられるようになった。

途中、devサーバーが落ちてポート確認から再起動させたり、スクリーンショットが縮小表示になって倍率2で取り直させたりという細かいつまずきはあったが、最終的に表示確認まで完了。

毎朝の自動取得チェーンに組み込む

この品目別データは毎月更新される。手で取りに行くのは続かないので、毎朝実行している /make-diary のコマンドチェーンに今回の取得を組み込んでもらった。

  • Step 3.5として品目別取得を追記し、テスト・報告ステップにも対応項目を追加
  • さらに「月次データが見つかったら公開記事も自動で作る」Step 3.6 も追加。既存の輸出統計記事のフォーマットとSVG生成スクリプトを下敷きにした記事生成ステップになっている

これで毎朝のルーチンを回すだけで、品目別統計の取得から記事化まで流れる。

ふりかえり

  • 今日も「画面を見て違和感を拾う」のが自分の仕事だった。ASEのセグメント数値とIRスライドのズレ、総括記事に残った下書き前提の一文、チャートの並び順。どれも実装ではなく目視で見つけている
  • 「テスト工程の伸びはBlackwell等の製造増の先行指標」という編集判断は、データを揃えただけでは出てこない。何のためにこの4社を並べているのかを言語化したことで、記事の軸が変わった
  • 統計の公表サイクル(旬報・10日刻み)のような前提知識は、思い込みのまま書く前に調べさせると訂正が返ってくる。「6月が5月超え」の話はそのまま書いていたら誤報だった
  • 取得が面倒なデータほど、取れた瞬間に自動化チェーンへ入れておく。次の月初に手作業が残っていない状態を今日のうちに作れた

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