Korea Chip Exports
韓国 半導体月次輸出の推移
韓国産業通商資源部(MOTIE)が毎月1日に発表する半導体品目の月次輸出額と前年同月比を追う(2024-01〜)。 半導体は韓国全体輸出の約21〜25%を占め、Samsung + SK Hynix の出荷が大半。 SK Hynix は四半期数値ガイダンスを出さないため、この月次輸出が事実上の四半期売上の先行指標として機能する (アナリストのコンセンサスが高精度で当たる主因のひとつ)。
半導体月次輸出(旬報3段積み上げ)単位: USD billion・直近31ヶ月・最新月は1〜10日/1〜20日累計で月末を待たずに進捗を読む
過去月(黄色のバー)は MOTIE が翌月1日に確報する月末値。最新月だけ 관세청(KCS)が公表する旬報(1〜10日=緑、11〜20日=オレンジ)を積み上げ、 月末確報を待たずに「今月の着地ペース」を読む。 緑+オレンジが前年同月のバー(黄)の60〜70%に到達していれば、確報も前年比プラスでフィニッシュする可能性が高い。 右軸の濃緑線は DRAM/NAND/MCP(HSK 8542.32 系)の重量加重平均 USD/kg(품목別データの翌月15日頃公表のため最新2ヶ月は欠ける)。
半導体月次輸出と前年同月比単位: USD billion・直近30ヶ月・過去最高は 2026-06
品目別の内訳(DRAM・NAND・MCP・DRAMモジュール・SSD)関税庁 HSK・通関ベース・表示は2024-01〜2026-06(データは2018-01から保持)
関税庁(KCS)の品目別輸出統計から、メモリ関連 5 品目の長期系列を月次で追う。 MCP(複合構造チップ、HSK 8542.32.3000)には HBM が含まれる(HBM 単独の HS コードはないため、MCP が HBM 出荷の代理指標になる)。 加えて、HBM・DDR5 RDIMM の出荷増を完成品レベルで掴むための DRAM モジュール(HSK 8473.30.4060 디램 모듈、DIMM/RDIMM/UDIMM) と、 QLC NAND の応用先である SSD(HSK 8523.51 솔리드 스테이트 비휘발성 기억장치) も並べる。 DRAMモジュール・SSD は HS 8542(IC)の外側で、MOTIE「半導体」輸出には含まれないため、上のチャートとは別カテゴリの動きとして読む。 品目別の確定値は翌月15日頃の公表で、MOTIE の毎月1日発表(上のチャート)より約2週間遅れる。 ただし MCP・SSD の金額は MOTIE 月初PDF(유망 품목별 수출 추이)に先行値が載るため、最新月を「月初速報」としてチャートに先行反映している (速報は金額のみ。重量と単価は翌月15日頃の KCS 確報で確定し、その時点で確報値に置き換える)。 先行値と確報は 2026-05 実績でほぼ一致(MCP 完全一致・SSD 差1百万ドル)。
関税庁統計には金額のほかに輸出重量(kg)がある。半導体の申告数量単位は個数ではなく重量なので、 これが「数量」のいちばん近い代理変数になる。上の金額バーは「重量 × 単価(下のチャート)」に分解できる。 DRAM は重量がほぼ横ばい(2024-01 の 128.9トン → 2026-04 の 139.1トン)で、金額の伸びのほとんどが単価。 一方 MCP は重量自体も 6 割増えており、HBM の物量増と単価上昇の両輪で金額が伸びている。
同じ統計の輸出重量(kg)で金額を割ると、重量基準の輸出単価($/kg)が出せる。 MCP の単価は 2024-01 の約 $28,000/kg から 2026-06 には $94,143/kg まで上昇しており (ボトムは 2023 年半ばの約 $15,000/kg)、 同じ「1kg のチップ」の中身が HBM のような高単価品へ入れ替わっていること(ミックスシフト)を示す。 製品価格の上昇と高付加価値化の両方がここに現れる。
上の確報ベース単価(KCS金額÷重量、翌月15日頃確定)とは別に、MOTIE は毎月1日の月次輸出PDFで DRAM・NAND の輸出単価の先行値(만$/kg 表記)を公表している。確報より約1.5ヶ月早く単価の転換を掴めるうえ、 速報と確報を並べることで、どちらかの異常値・抽出ミス・改定にも気づける。 PDFの「D램」単価は DRAM 単体ではなく DRAM+DRAMモジュール合算の重量加重単価なので、 確報側(グレー2本)も同じ基準で再計算して重ねている(2026-04 は PDF $54,000 vs 確報再計算 $54,178、2026-05 は $61,000 vs $61,010 でほぼ一致)。 なお、この単価行は 2026年6月号(2026-07-01公表)が初出。2024-01〜2026-05 の全28号を機械抽出して確認したが旧号には存在しないため (旧号にあるのは市況の고정가격=固定取引価格のみ)、先行値の線は 2026-04 から始まり、今後毎月3ヶ月分ずつ更新される。
品目別の運用取得スナップショット — 旬報3段相当관세청 공식 잠정치ではなく、毎月11日・21日・翌月1日・翌月15日頃に取得した月間累計スナップショット・直近24ヶ月
관세청 KCS の公式旬報(잠정치)は半導体合計(MTI 10대 품목)レベルまでしか公表されず、HSK 10桁の品目別では取得できない(公式 UI なし・サーバ側にも隠しエンドポイントなしと 2026-06-22 に再確認済み)。 本セクションは chrome-extension-tradedata-kr で月次取得した「その時点の月間累計」を保持する運用ベースのスナップショット。 過去履歴の月末値(黄バー)は翌月15日頃に確報になる KCS 品目別 API の値(monthly_final)。 MCP・SSD の最新月は MOTIE 月初PDFの速報金額(month_end_snapshot・重量なし)が暫定で入り、確報が出た時点で置き換わる。 緑(day10)とオレンジ(day20)は 2026-06 分から運用取得を開始(SK증권 반도체 한동희の品目別集計X投稿から採録。상순=1〜11日・중순=1〜20日累計)。単独公表の無い旬(例: 2026-06 の MCP day10)は欠番のまま描く。 公式旬報と数%ズレうるため、合計値の検算には半導体合計(最上段の旬報3段)を使うこと。
数量と金額 — 集積回路(HS 8542)全体関税庁・通関ベース・表示は2024-01〜2026-06(データは2018-01から保持)
「輸出数量は減っているのに金額が急増(value over volume)」という報道を、関税庁の集積回路(HS 8542)全体の系列で確かめる。 2026-06 の輸出金額 $33.57B(前年比 +173.9%)に対して、 数量の代理変数である輸出重量は 1,749トン(前年比 +8.9%)とほぼ横ばい。 金額の伸びのほとんどは重量基準単価($19,196/kg)の上昇、つまり「同じ物量がより高く売れている」ことで説明できる。 なお報道で引用される KITA 基準の「半導体」数量(2026-04: 3,242トン・前年比 -11.9%)はウェーハ・部品等を含む広い分類で、 数量減はその周辺品目側の動き。IC 本体に絞った本チャートでは数量はむしろ微増している。
一方、報道と同じ「広い半導体」(신성질별 3401。集積回路に加えて太陽電池などの個別素子・シリコンウェーハを含む)の重量を 2018年から並べると、まったく別の絵になる。この分類の金額は MOTIE 発表の「半導体」(本ページ最上段のチャート)と一致するが (2024-01以降の28ヶ月で最大差 $0.05B)、重量は 2022-12(29,998トン) をピークに 2026-06 の 3,983トン(前年比 -4.0%)まで構造的に減っている。 重量の大半を占めていたウェーハ・個別素子(太陽電池等)の縮小が支配的で、チップ本体の物量(上のチャート)とは動きが違う。 「半導体の輸出数量が減っている」という見出しは、実際にはこの周辺品目の重量減を見ている。
月次データ単位: USD billion・新しい月が上
| 月 | 輸出額 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 2026-06 | $44.82B | +199.5% |
| 2026-05 | $37.16B | +169.4% |
| 2026-04 | $31.90B | +173.5% |
| 2026-03 | $32.84B | +151.4% |
| 2026-02 | $25.16B | +160.8% |
| 2026-01 | $20.54B | +102.7% |
| 2025-12 | $20.77B | +43.2% |
| 2025-11 | $17.30B | +38.6% |
| 2025-10 | $15.73B | +25.4% |
| 2025-09 | $16.61B | +22.0% |
| 2025-08 | $15.10B | +27.1% |
| 2025-07 | $14.71B | +31.6% |
| 2025-06 | $14.97B | +11.6% |
| 2025-05 | $13.80B | +21.2% |
| 2025-04 | $11.70B | +17.2% |
| 2025-03 | $13.10B | +11.9% |
| 2025-02 | $9.60B | -3.0% |
| 2025-01 | $10.10B | +8.1% |
| 2024-12 | $14.50B | +31.5% |
| 2024-11 | $12.50B | +30.8% |
| 2024-10 | $12.50B | +40.3% |
| 2024-09 | $13.63B | +37.1% |
| 2024-08 | $11.88B | +38.8% |
| 2024-07 | $11.20B | +50.4% |
| 2024-06 | $13.42B | +50.9% |
| 2024-05 | $11.38B | +54.5% |
| 2024-04 | $9.96B | +56.1% |
| 2024-03 | $11.67B | +35.7% |
| 2024-02 | $9.95B | +66.7% |
| 2024-01 | $9.37B | +56.2% |
出所・注記
- MOTIE(韓国産業通商資源部)は毎月 1日に前月の輸出統計(月次「輸出入動向」)を発表、관세청(Korea Customs Service)は 1〜10日/1〜20日の旬報も別途公表。本表は月次確報のみで旬報・MSIT の ICT 輸出系列は不採用。
- 半導体輸出は韓国全体輸出の約 21〜25% を占め、Samsung + SK Hynix の合算が大半。両社の四半期売上は半導体月次輸出から逆算可能。
- 2025-02(-3.0%)はメモリ価格急落で 2023-10 以来の前年割れ。2025-03 から 2026-06 まで再び連続プラスで、2026 年は HBM・サーバ DRAM 価格高騰により前年比 +100〜200% の異常な伸びが継続。
- 2026-06 の $44.82B は月次の歴代最高で、初の月次 $40B 突破。総輸出も初の $100B 超え($102.25B, +70.9%)で半導体シェア 43.8% に拡大。
- 1〜2月は旧正月(설날)のカレンダー効果で歪む(2025-01 の +8.1% は旧正月が1月29日だった影響)。台湾と同様、単月YoYではなく1+2月合算で評価する。
- 品目別の内訳は関税庁(KCS)수출입무역통계(tradedata.go.kr)の品目別輸出実績(HSK・수리일=輸出申告受理日基準)。DRAM=8542.32.1010、NAND・フラッシュ=8542.32.1030、MCP(複合構造チップ・HBM含む)=8542.32.3000、DRAMモジュール(DIMM/RDIMM/UDIMM)=8473.30.4060、SSD(솔리드 스테이트 비휘발성 기억장치)=8523.51。品目別確定値は翌月15日頃公表。
- 品目別の集計(KCS・HSK)と上段の半導体合計(MOTIE 発表)は品目範囲・集計基準が異なるため一致しない。DRAM・NAND・MCP の 3 品目合計は半導体輸出全体のおおむね 6 割。DRAMモジュール(HS 8473.30)と SSD(HS 8523.51)は IC(HS 8542)の外側で MOTIE「半導体」には含まれない。
- 重量基準輸出単価($/kg)=輸出金額 ÷ 輸出重量。同一品目内の製品ミックス(例: MCP に占める HBM 比率)と価格の変化を反映する。
- DRAM・NAND の先行輸出単価は MOTIE 月次「수출입 동향」PDF(毎月1日頃・KDI 経済情報センター再配布)の「반도체 수출 단가」(만$/kg)から採録。「D램」は DRAM+DRAMモジュール合算の重量加重単価、「낸드」は NAND 単体。この行は2026年6月号が初出で、旧号(2024-01〜2026-05)には存在しない(市況の고정가격のみ)。
- 「数量と金額」セクションの集積回路全体は同じ関税庁統計を HS 4桁(8542・전자집적회로)で照会した系列。KITA が報じる「半導体」輸出数量(TrendForce 等が引用。2026-04 は 3,242トン・前年比 -11.9%)は KITA の MTI 分類(831)による集計のため、本系列(同月 1,747トン・前年比 +9.9%)とは水準・符号とも異なる。
- 「半導体全体」の重量系列は関税庁の신성질별(新性質別)分類 3401「반도체」(340101 集積回路+340102 個別素子+340103 シリコンウェーハ)。この分類の輸出金額は MOTIE 発表の「半導体」輸出(最上段チャート)と一致する(2024-01〜2026-04 の28ヶ月で最大差 $0.05B)ため、MOTIE 系列の「数量側」として読める。