韓国の品目別半導体輸出 2026年7月確報 — DRAMが$13.55Bで単月トップを奪回、MCPは物量が2割減
韓国の品目別半導体輸出 2026年7月確報
関税庁(KCS)の品目別確報に2026年7月分が出たので、韓国の半導体輸出ページの品目別セクションを更新した。MOTIE が毎月1日に出す月次速報(半導体合計)から約2週間遅れて、品目別の金額と重量まで確定するのが、この統計の価値になる。
結論: DRAM がトップを奪い返した
| 品目 | 2026-07 輸出額 | YoY | 前月比 | 重量 | 単価 $/kg |
|---|---|---|---|---|---|
| DRAM | $13.55B | +467.5% | +21.3% | 155.8t | $86,983 |
| MCP(HBM含む) | $10.09B | +140.4% | -20.5% | 105.7t | $95,420 |
| DRAMモジュール | $7.67B | +302.6% | -28.1% | 156.5t | $49,035 |
| SSD | $4.52B | +500.5% | -12.5% | 180.0t | $25,089 |
| NAND | $1.78B | +285.5% | -28.4% | 28.8t | $61,840 |
- 6月は MCP が単月トップだったが、7月は DRAM が奪い返した。前月比で増えたのは5品目のうち DRAM だけで、残る4品目はいずれも減っている
- DRAM・NAND・MCP の3品目合計 $25.42B は、MOTIE 発表の半導体輸出 $41.01B の 62.0% にあたる
- 集積回路全体(HS 8542)は $32.72B(YoY +166.3%、前月比 -2.5%)
金額 = 重量 × 単価 で分解する
輸出金額の伸びを「出荷が増えた」と読む前に、重量と単価に分解するのがこの統計の使い方になる。7月は、DRAM とそれ以外で姿がはっきり割れた。
- DRAM は単価が伸ばした。重量 155.8t は前月比 +4.1% にとどまり、単価が $74,706 → $86,983/kg(+16.4%)へ上がったぶんが金額 +21.3% の大半を占める。前年同月と比べると重量は -2.8% で、この1年の伸びは物量ではなく単価がほぼ全部だった
- MCP は物量が抜けた。単価 $95,420/kg は前月比 +1.4% とほぼ横ばいだったのに対し、重量が 134.7t → 105.7t(-21.5%)へ落ちて金額が -20.5%。単価は依然として5品目で最も高く、過去最高圏にある
- NAND・DRAMモジュールは単価が動かないまま重量が減った。NAND は重量 -28.0% で単価 -0.5%、DRAMモジュールは重量 -27.6% で単価 -0.6%。どちらも金額の減少がほぼそのまま物量の減少である
- SSD だけは単価が跳ねた。重量 244.4t → 180.0t(-26.4%)と減りながら、単価が $21,113 → $25,089/kg(+18.8%)へ上がって金額の減少を -12.5% に抑えた
3品目(DRAM・NAND・MCP)の加重平均単価は $87,561/kg で、前月の $81,231/kg から +7.8%。品目構成が単価の高い DRAM に寄ったぶんも含んだ数字になる。
暫定値は金額を当て、重量を外した
7月分は確報が出るまで、X 経由で流通していた暫定値を先に入れてあった。今回の置き換えで、暫定値がどこまで信用できるかがはっきりした。
| 品目 | 金額(暫定 → 確報) | 重量(暫定 → 確報) |
|---|---|---|
| DRAM | 13.545 → 13.552 | 147.3t → 155.8t |
| NAND | 1.781 → 1.781 | 28.8t → 28.8t |
| MCP | 10.083 → 10.086 | 102.2t → 105.7t |
| DRAMモジュール | 7.681 → 7.674 | 164.9t → 156.5t |
| SSD | 4.512 → 4.516 | 180.0t → 180.0t |
金額の誤差はいずれも ±0.1% 以内で、速報として十分に使える精度だった。一方で重量は逆算で埋めていたため、DRAM で +5.8% ずれている。単価は金額 ÷ 重量なので、暫定段階の単価はそのぶん外れる。3品目合計の単価も $91,284/kg から $87,561/kg へ -4.1% 下方修正された。単価を根拠に何かを言うなら、確報を待つ必要がある。
MCP がなぜ HBM の代理指標なのか
HBM には単独の HS コードがない。HBM は DRAM ダイを積層して1パッケージにした「複合構造チップ(Multi-Chip Package)」として通関するため、HSK 8542.32.3000(MCP)が HBM を含む最も近い代理指標になる。7月に MCP の物量が2割減った一方で単価が下がらなかったのは、出荷量が減っても中身の構成(HBM 比率)は崩れていないことを示している。
発表タイミングの整理
- 毎月1日頃: MOTIE 月次速報(半導体合計・exportStats に反映)
- 毎月11日・21日頃: 関税庁の旬次速報(1〜10日 / 1〜20日)
- 毎月15日頃: 関税庁の品目別確報(本記事。金額+重量が確定)
チャートの続きは 韓国の半導体輸出ページ の品目別セクションで追える。データの出所は関税庁 수출입무역통계(→ tradedata.go.kr)、HSK 10桁・수리일(輸出申告受理日)基準・全国計。
注記: 単価は輸出金額 ÷ 輸出重量の計算値で、同一品目内の製品ミックス変化を含む。新性質別分類の「半導体全体」(3401)は7月分がまだ取得できていないため、本記事では MOTIE 発表値($41.01B)を対比に使っている。