Micron 2026年度第4四半期(FQ4 FY26)決算説明会 質疑応答 全文和訳 — 本番の説明会とアナリスト向け説明会の2本

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Micron 2026年度第4四半期(FQ4 FY26)決算説明会 質疑応答 全文和訳

Micron Technology, Inc.(マイクロン、NASDAQ: MU)の 2026会計年度第4四半期(FQ4 FY26) 決算(2026年9月30日(米国時間) 発表)では、質疑応答の場が 2本 あった。この記事は、その両方の質疑をほぼ全文そのまま日本語に訳したもの。

第1部 本番の決算説明会第2部 決算後のアナリスト向け説明会
原題Fiscal Q4 2026 Earnings CallFourth Quarter Post-Earnings Analyst Call
回答した経営陣Sanjay Mehrotra(会長兼CEO)、Mark Murphy(CFO)Manish Bhatia(社長兼COO)、Scott DeBoer(社長兼CTPO)、Mark Murphy(CFO)。Sanjay は欠席
進め方Prepared Remarks を読み上げたあと質疑冒頭の挨拶のあとすぐ質疑
質問者5人(UBS、Cantor Fitzgerald、BofA、TD Cowen、JPMorgan)8人(Melius、Deutsche Bank、Citi、BNP Paribas、Goldman Sachs、Wolfe、Morgan Stanley、Susquehanna)
訳の元にした書き起こしInvesting.comMotley Fool

Motley Fool の書き起こしの題は "Q4 2026 Earnings Call Transcript" だが、中身は第2部のアナリスト向け説明会である。2つの書き起こしは別の会の記録なので、質問者が1人も重ならない。

訳出にあたっては、

  • 書き起こしは機械起こし由来で、聞き取りの誤りがある。 数値の正は公式の Prepared Remarks PDF とし、食い違う箇所は訳文はそのまま訳して (訳注: …) を付けた
  • フィラーと言い直しは自然な日本語に整えたが、発言の中身は省略していない
  • 各質問の直下の「要点」は、その質疑で経営陣が新たに明かしたことを訳者がまとめたもの
  • 「fiscal 2027」は「FY27(2027会計年度)」、「calendar」は「暦年」と訳した

和訳メモ: この記事は Micron の公式翻訳ではなく、当サイトが学習・記録目的で第三者の書き起こしを和訳したものです。投資判断には必ず公式の資料と録音を参照してください。

関連ページ: 今回の決算で何が新しく発表されたかは Micron Q4 FY26 決算の重要発表まとめ に、事前原稿は FQ4 FY26 Prepared Remarks 全文和訳 にあります。


第1部 本番の決算説明会(Sanjay Mehrotra・Mark Murphy)

Operator: これより質疑応答に移ります。ご質問はお一人につき1問、フォローアップ1問までとさせていただきます。ご質問のある方は、スター1を押して挙手してください。質問を取り下げる場合は、もう一度スター1を押してください。音質を保つため、ご質問の際は受話器をお取りください。端末側でミュートにしている場合は、解除をお忘れなく。質問者のリストを作成しますので、少々お待ちください。


Q1. Timothy Arcuri(UBS)— 株主還元の目安と長期の設備投資比率

要点: CFO の Mark が、FQ1 末までにおおむね目標の現金水準に達し、FQ1 のフリーキャッシュフローは FQ4 の $33 billion を大きく上回ると述べました。自社株買いの現行枠は $2.2 billion で、近く追加枠を求めると明言し、CapEx の建設比率の上昇は今後数年続くとしました。

Operator: 最初のご質問は、UBS Securities の Timothy Arcuri 様からです。回線がつながりました。どうぞ。

Timothy Arcuri: ありがとうございます。Mark、株主還元について伺います。先回りして手の内を明かしたくないのは承知していますが、何か目安を示していただけますか。最低限の現金残高をどうお考えですか。御社の現金は Apple や NVIDIA のほぼ2倍あります。では、どれだけあれば十分なのでしょうか。$100 billion の現金を手元に置き、それを超える分はすべて還元する、というお考えですか。先回りしたくないのは承知していますので、目安となる考え方を教えてください。

Mark Murphy(CFO): もちろんです、Tim。考え方を喜んでお伝えします。市場環境、Micron の技術と製品のポジション、そして業務の遂行力が組み合わさって、非常に力強いフリーキャッシュフローを生んでいます。今回発表した FQ4(2026会計年度第4四半期)は $33 billion でした。本日お聞きいただいたとおり R&D と CapEx(設備投資)への投資を増やしつつも、市場環境と規律ある遂行によって、このフリーキャッシュフローの力強い伸びは続くと見込んでいます。本日お話しした需要の牽引役と供給要因、長期でコミットされた契約、そして Micron の技術ポジションと遂行力を合わせると、このフリーキャッシュフローの強さはより持続的なものだと考えています。ですから足元では、FQ1 のガイダンスと、お聞きいただいた CapEx の数字を前提にすると、フリーキャッシュフローは FQ4 に発表した $33 billion を大きく上回ることになります。

目標とする現金水準については、FQ1(2027会計年度第1四半期)末までに、おおむね目標の現金水準に達する見込みです。その後は、さまざまな要因でペースを決めながら、余剰分を主に自社株買いで還元していく計画です。これまでもお話しし、本日の原稿でも触れたとおり、12月9日から株主還元を増やす意向です。最後に1点付け加えると、過去の開示資料でご覧いただけるとおり、自社株買いの現行の承認枠は $2.2 billion です。近いうちに追加の承認枠を求めるとお考えいただいて結構です。

Timothy Arcuri: ありがとうございます、Mark。フォローアップです。CapEx について、通期のガイダンスは出していませんが、$5.5 billion、あるいはそれをやや上回る水準になりそうに聞こえます(訳注: 上半期が約 $25 billion、下半期はそれより多いというガイダンスからすると、FY27 通期は $50 billion 超になる。「$5.5 billion」は「$55 billion」の聞き取り違いとみられる。後の Krish Sankar の質問でも「FY27 の CapEx は $50 billion 超」とされている)。そうすると FY27(2027会計年度)の売上高に対して10%台後半の比率になりそうです。売上高がはるかに大きくなっているので、CapEx が追いつくには時間がかかるのは承知しています。長期的に、この事業の設備投資比率(capital intensity、売上高に対する CapEx の比率)をどう考えればよいでしょうか。以前は30%台半ばとおっしゃっていました。今の状況を踏まえると少し高すぎるように思いますが、20〜25%が新しい標準になるのでしょうか。説明していただけますか。ありがとうございます。

Mark Murphy(CFO): はい、Tim。おっしゃるとおり、上半期の CapEx の数字をお示しし、下半期はそれより多くなるとお伝えしました。重要なのは、設備投資の構成が建設のほうへ移っていることで、装置と比べた建設の動向についてもコメントしました。この傾向は今後数年続くと見ています。設備投資比率については、ご指摘のとおり歴史的に見て低い水準にあります。それは、メモリとストレージが戦略的な資産になり、業界の構造がリセットされたことを反映しています。当社は今後も、非常に規律ある形で生産能力の追加に取り組み、その能力投資から十分なリターンを確実に得られるようにしていきます。

Timothy Arcuri: わかりました。ありがとうございます。


Q2. CJ Muse(Cantor Fitzgerald)— FQ1粗利率の押し下げ要因とHBM価格

要点: Mark が、FY26 のインセンティブ報酬の増額分を吸収した高コスト在庫や立ち上げ費用などで FQ1 のコストが約 $1 billion 増え、FY27 を通じても約 $1 billion の継続コストが残ると定量化しました。Sanjay は、2027年の HBM はすでに数量の大部分が売り切れで、価格は2026年を大きく上回り、暦年2027年からの値上げで通常 DRAM との利益率の差が縮まると述べました。

Operator: 次のご質問は、Cantor Fitzgerald の CJ Muse 様からです。回線がつながりました。どうぞ。

CJ Muse: こんにちは。ご質問の機会をありがとうございます。最初に粗利率について伺います。11月期(FQ1)のガイダンスの中で、ASP(平均販売価格)の高い在庫による影響を定量的に示していただけますか(訳注: 書き起こしは "higher ASP inventory"。Prepared Remarks では「高コストの在庫(higher cost inventories)」の販売が FQ1 の粗利率に影響すると説明しており、"higher cost" の聞き取り違いの可能性がある)。前四半期比に影響している構成比の変化など、ほかに考慮すべきものはありますか。

Mark Murphy(CFO): はい、CJ、Mark です。この機会に、FQ4 と FQ1 についてもう少し詳しく説明し、粗利率のプラス要因とマイナス要因をたどっていただけるようにします。FQ4 に、インセンティブ報酬を引き上げる決定をしました。それが最もはっきり表れているのは、実は営業費用の数字です。第3四半期から第4四半期にかけての営業費用にはっきり表れています。こうしたコストの大部分は FQ4 に在庫へ吸収されました。そのため FQ4 への影響はわずかでした。インセンティブ報酬の引き上げによって第4四半期に計上された高コストの在庫、その影響が FQ1 のガイダンスに表れています。

以前にもお話しした立ち上げ費用やその他のコストもありますが、粗利率見通しの大きな要因はインセンティブ報酬です。第1四半期のこれらの要因を合計すると、コストは約 $1 billion 増えます。これで粗利率への影響の大きさがつかめると思います。また、FY27 のインセンティブ報酬も大幅に引き上げたことに留意していただくことが重要です。その影響は、やはり第1四半期の営業費用、つまり FQ1 の営業費用ガイダンスに表れています。製造部門については、FY27 のインセンティブ報酬の増額分の大半が FQ2 から粗利率に影響し始めます。数量の増加や減価償却に伴う通常のコスト増に加え、FY27 にはインセンティブ報酬、立ち上げ費用の増加、その他のコストで約 $1 billion の継続的なコストが生じます。

第1四半期には逆風となり、年間を通じて続くコストもありますが、収益性とリターンの面で事業が構造的にどれほど変わったかを念頭に置いていただくことが重要です。当社ははるかに強い水準で事業を運営しており、2027年、2028年は2026年よりも市場環境が強くなると見込んでいるとお話ししてきました。テイク・オア・ペイ契約(引き取らなくても代金を支払う契約)によって、その先まで見通せます。また、これらのコストの一部は変動費的、あるいは一時的なものとみなせることにも留意してください。2027年については、Q1 が粗利率の底になり、値上げの継続と力強い業績によって、残りの期間は粗利率が上がると見込んでいるともお話ししました。

CJ Muse: 大変参考になります。フォローアップとして、HBM について伺います。価格を引き上げて通常 DRAM に近づけるとのお話でした。それは1月1日からの値上げと考えてよいでしょうか。また、この事業全体の相対的な成長をどう考えればよいでしょうか。お示しいただける割合はありますか。ありがとうございます。

Sanjay Mehrotra(CEO): CJ、私からお答えします。ご存じのとおり、2026年の HBM 価格は昨年のうちに顧客と交渉して決めました。今回お伝えしたのは、2027年の HBM はすでに数量の大部分が売り切れており、価格は2026年を大きく上回っているということです。もちろん、それが HBM 以外のメモリとの利益率の差を縮めるのに役立っています。全体として、当社の HBM は非常に良い軌道にあります。業界全体では、需要の伸びの点で HBM が DRAM を上回ると見込んでいるとお伝えしました。HBM は力強い軌道にあります。当社の製品群は非常に良いポジションにあります。HBM3E、HBM4 の製品があり、来年後半には HBM4E の製品が出ます(訳注: 書き起こしは "Our HBM3E, HBM4 products late next year with HBM4E products" で文意が崩れている。同日のアナリスト向け説明会で COO の Manish Bhatia が「2027年後半には HBM4E へ移る」と述べていることから、HBM4E を来年後半とする読みで訳した)。当社の HBM 製品は引き続き力強い勢いがあり、今後の機会に対応できる良い位置にいます。

成長についてのご質問にお答えできていればと思います。力強い成長、強い製品、そして暦年2027年から始まる値上げによって、DRAM 市場の HBM 以外の部分との利益率の差が縮まります。

CJ Muse: 大変参考になりました。ありがとうございます。


Q3. Vivek Arya(BofA)— 株主還元の規模と2028年の価格持続性

要点: Sanjay が、2027年の生産量の75%超がすでにコミット済みで、顧客との協議の大半はすでに2028年分に移っていると明かしました。2028年に新しいクリーンルームが立ち上がっても、HBM4/HBM4E によるトレードレシオの悪化やノード移行の生産性低下で供給の逼迫は続き、一部顧客の搭載量の抑制は台数を増やすためのものだと説明しました。

Operator: 次のご質問は、BofA Securities の Vivek Arya 様からです。回線がつながりました。どうぞ。

Vivek Arya: ご質問の機会をありがとうございます。1つ目は Mark に、もう一度株主還元について伺います。このペースだと、Micron は Q2 から Q4 で $100 billion 超を生み出せるのではないかと思います。たとえば Q1 は目標の財務体質に向けて現金を積み上げるとしても、Q2 以降の現金創出は少なくとも $100 billion 超に達するはずです。そうであれば、FY27 にその水準の株主還元を期待してはいけない理由は何でしょうか。具体的な数字を示さないのは承知していますが、ご提示いただいている売上高、利益率、CapEx の見通しの概略をたどる以上に、この大まかな分析で私が見落としているのは何でしょうか。

Mark Murphy(CFO): はい、Vivek。付け加えられるのは、先ほどの回答で明確にお伝えできていればと思いますが、当社には株主還元を増やす能力と意思がある、ということだけです。CHIPS(米国の半導体補助金制度。CHIPS法)について当社が結んでいる契約に従い、12月9日から承認枠の拡大を求め、より強力な株主還元を開始するとお考えください。

Vivek Arya: わかりました。フォローアップは Sanjay に伺います。Sanjay、メモリ株のバリュエーションを見ると非常に低く抑えられています。これは、来年が価格のピーク、今回のサイクルの利益のピークになるかもしれないと市場が感じていることを示唆しています。業界が生産能力を追加しているからか、あるいはデータセンターを含む一部の顧客が、メモリ不足のため、あるいはメモリが部材コストの大きな部分を占めるようになったために、製品のスペックを落とす(デスペック)かもしれない、というナラティブがあるからです。

具体的な価格について話されないのは承知していますが、概念的に、業界にとっての2028年を考えたとき、追加の生産能力の立ち上がりや、市場環境に対処するために製品のスペックを落としたい顧客がいるといった逆風を踏まえても、業界の価格が引き続き良好な状態を保つ、あるいは2027年より上がる可能性はどの程度あるでしょうか。

Sanjay Mehrotra(CEO): 申し上げたとおり、暦年2027年も2028年も、需要が供給を上回ると見ています。実際、2026年よりも2027年、2028年のほうが業界の逼迫度は高まると見ています。全体として、需給環境は一段と逼迫していくばかりです。もちろん、当社は生産能力の立ち上げに懸命に取り組んでいますが、Prepared Remarks でお話ししたとおり、2028年に新しいクリーンルームのスペースが立ち上がっても、供給の逼迫は続くと見ています。第一に、クリーンルームの建設には長い時間がかかります。完成し、最初のウエハーが出てからも、クリーンルームでの生産は徐々にしか立ち上がりません。それが生産を立ち上げるということの性質です。さらに HBM が HBM3E から HBM4、HBM4E へと比率を高めていくにつれ、トレードレシオ(HBM 1ビットを作るのに通常 DRAM 何ビット分のウエハーを要するかの比率)の関係で、これも供給の伸びに対する逆風になります(訳注: 書き起こしは "going from HBM3E to a greater max of 4 and HBM4E" で、"a greater mix of HBM4 and HBM4E"(HBM4・HBM4E の比率上昇)の聞き取り違いとみられる)。

将来のノード移行では、ウエハーあたりの生産性向上も小さくなります。供給の伸びに対する逆風となる重要な要因が数多くあります。2028年に一部の新しいクリーンルームが立ち上がり始めても供給は逼迫しており、しかもそれは強い需要を背景にしています。一部のサーバーでは搭載量の伸びが従来の想定をやや下回るかもしれませんが、サーバー全体の台数需要は増え続けています。2026年も2027年も、サーバー台数の出荷は10%台後半の伸びを見込んでおり、それが2028年のデータセンター向け DRAM 出荷の伸びにとっても良い土台になります。需要は強い環境にあり、顧客は当社が見ているこの極めて逼迫した供給見通しを十分に理解しています。

需給がいつ追いつくのか見通しが立たないとお伝えしてきました。より大きなモデル、長くなるコンテキスト、高まる同時実行性(concurrency)、企業向けと消費者向けの両方で増えるエージェントといった需要トレンドが、メモリへの必要性、メモリ搭載量への必要性、そしてより高性能なメモリへの必要性をさらに押し上げ続けるからです。ですから、先ほど触れた特定のプラットフォームで顧客が搭載量の伸びを従来想定より抑えるのは、実際にはより多くの台数を出荷できるようにするためであり、それは2026年、2027年のサーバーの力強い伸びに表れていて、2028年に向けて良い土台をつくっています。需要と供給の両面の要因から、今後も健全な需給環境が続くと見ています。それは当然、業界の価格環境にとっても良い兆しです。

1点付け加えると、SCA(Strategic Customer Agreements、戦略的顧客契約)によって、顧客とのあいだで非常に高い見通しが得られています。お伝えしたとおり、顧客のほうから当社に、もっと供給してほしいと求めてきています。SCA を結んでいる顧客は供給の追加を求めています。SCA を結んでいない顧客からは、発注書(PO)を受け取っています。申し上げておくと、2027年については、当社の生産量の75%超がすでにコミット済みです。現在の顧客との協議の大半は、すでに2028年についてのものです。全体として、業界の需給環境と見通しは非常に健全な状態にあり、この強い需要環境のもとで、需給がいつ均衡するのか見通しは立っていません。顧客は今、2030年を越えた時期についても供給の保証を求めています。既存の SCA の一部を2031年まで延長したこと、また2031年まで続く新しい SCA を結んだこともお伝えしました。

Vivek Arya: ありがとうございました。(訳注: 書き起こしではこの「Thank you.」が Krish Sankar の発言とされているが、直後に Operator が Krish Sankar を次の質問者として紹介していることから、Vivek Arya の締めのあいさつの誤帰属とみられる)


Q4. Krish Sankar(TD Cowen)— HBMデスペック観測と装置調達の制約

要点: Sanjay は、大口顧客の HBM デスペック観測に対し、顧客の最適化は台数を増やすためのもので、さらに進めるほど効果が逓減すると述べ、HBM は2028年まで通常 DRAM より速く伸びるとの見方を維持しました。Mark は、建設 CapEx が先行するのは装置の調達難ではなく、新設工場の立ち上げに長いリードタイムがかかるためで、装置は最新の需要見通しを見て入れると答えました。

Operator: 次のご質問は、TD Cowen の Krish Sankar 様からです。回線がつながりました。どうぞ。

Krish Sankar: はい、こんにちは。ご質問の機会をありがとうございます。2つあります。Sanjay に伺います。ある大口顧客が HBM のスペックを落とすかもしれないという話が出ています。それについてのお考えと、HBM のトレードレシオが高いことを踏まえた影響を伺いたいです。そのウエハーが DDR に再配分されると、DDR の供給がかなり増えることになりますか。そのあとにフォローアップがあります。

Sanjay Mehrotra(CEO): おっしゃったように、実のところ当社は、2027年も2028年も、HBM 全体の需要が業界の需要を上回るペースで伸びると見ています。2027年、2028年のいずれも、メモリの逼迫は続くと見ています。アプリケーションにおけるメモリへの潜在的な必要性は引き続き強いです。AI プラットフォームがその能力と潜在力を最大限に発揮するには、伸びるコンテキストや同時実行性、そしてもちろんより大きなモデルサイズに対応するために、とにかくより多く、より速いメモリが必要だからです。全体として、需要トレンドは非常に強い状態にあります。顧客が最適化を行うのは、主に、より多くの台数を出荷して自社の成長を高め、AI の拡大というエンド市場の機会に対応するためです。

こうした最適化が行われても、システムにおけるメモリへの潜在的な必要性が損なわれるわけではありません。こうした最適化は、さらに進めるほど効果が逓減していきます。最適化と、プラットフォームにおけるメモリの長期的な需要と価値提案とを対比すれば、メモリとストレージの需要トレンドが全体として非常に健全であることがおわかりいただけると思います。繰り返しになりますが、2027年と2028年は2026年より逼迫すると見ています。

Krish Sankar: わかりました。大変参考になります、Sanjay。もう1つ手短に…

Sanjay Mehrotra(CEO): HBM は2028年まで、通常 DRAM より速く伸び続けます。

Krish Sankar: わかりました。ありがとうございます、Sanjay。Mark に手短にフォローアップです。FY27 の CapEx は $50 billion を超え、フリーキャッシュフローは $100 billion を超えそうに見えます。また、建設 CapEx の伸びは装置より高いとのことでした。それは来年、半導体製造装置の調達が制約されているからでしょうか。それとも問題ではないのでしょうか。装置の確保が制約になって、来年の CapEx に自然な上限があるのかどうかを知りたいのです。

Mark Murphy(CFO): はい、Krish。これは単に、当社が抱える強い需給の不均衡と、グリーンフィールド(新規立地)の生産能力を整えるのにかかるリードタイムに関係しています。建設中の多くのファブ(半導体工場)についてお話ししてきました。これから立ち上がる ID1、ID2(いずれも Idaho)、日本、Singapore、Tongluo(銅鑼、台湾)です。戦略的顧客契約によって、こうしたグリーンフィールドの生産能力を建設できるだけの見通しが今は得られています。そのうえで、その時点での最新の需要見通しを踏まえて、適切にそれらのファブに装置を入れていきます。

Krish Sankar: わかりました。ありがとうございます、Mark。大変参考になりました。


Q5. Harlan Sur(JPMorgan)— SCAカバー率の上限とNAND投資の方針

要点: Sanjay が、「75%超」は SCA と非 SCA(年単位で取引する大口顧客を含む)を合わせた生産量のコミットだと明確にしたうえで、SCA で2030年までの売上高の約50%をカバーするという目標はおおむね変わらないとし、新規顧客なども含めた供給の柔軟性を残すと述べました。NAND では CapEx 全体に占める NAND 関連の投資も増えており、Singapore の新しい NAND 工場は暦年2028年後半に向けて順調だと説明しました。

Operator: 次のご質問は、JPMorgan の Harlan Sur 様からです。回線がつながりました。どうぞ。

Harlan Sur: こんにちは。ご質問の機会をありがとうございます。前回の決算時点では SCA は16件で、締結済みと交渉中の SCA のパイプラインを踏まえると、今後の売上高の50%以上を SCA でカバーできる可能性があるというお考えでした。今四半期に話を進めると、SCA は26件になりました。御社と顧客の業界見通しは、暦年2027年と2028年の供給制約がさらに強まるという方向に更新されています。では、現在交渉中の SCA がすべて締結された場合、今後の売上高のカバー率はどの程度になるとお考えですか。Sanjay、FY27 の売上高の70%が SCA を含む顧客のコミットメントでカバーされているとおっしゃったと思いますが(訳注: Sanjay の発言は「売上高の70%」ではなく「生産量の75%超」。直後の回答で Sanjay 自身が訂正している)、交渉がすべてまとまれば、今後数年の売上高の60〜70%が SCA でカバーされることも実際にありうるのでしょうか。

Sanjay Mehrotra(CEO): 2027年についての私のコメントは、生産量の75%超がすでにコミット済みというものです。申し上げたとおり、それはもちろん SCA を結んでいる顧客と結んでいない顧客の両方を合わせたものです。念頭に置いていただきたいのは、当社には…

Harlan Sur: そうですね。

Sanjay Mehrotra(CEO): …当然ながら年単位で取引している大口顧客もいるということです。数量のカバー率についてのコメントは、念のため明確にしておくと、当社の…

Harlan Sur: はい。

Sanjay Mehrotra(CEO): …顧客基盤全体、つまり SCA と非 SCA の両方を対象にしたものです。強い需要トレンドを受けて、SCA を結んでいない顧客からも、早い段階で2027年分の発注書を受け取っています。SCA が最終的にどこまで達しうるかというご質問については、基本的には、以前お話しした2030年までの売上高の約50%という水準のままです。そのコメントはほぼ変わっておらず、売上高の約50%を SCA でカバーできる可能性があります。もちろん、ほかの事業全体の売上高次第では、それより低くなることもありえます。全体として、その目標はおおむね変わっていません。当然、事業の構成は常に管理しています。

当社にとって重要なのは、顧客基盤全体、エンド市場のセグメント全体、さらには今後数年のうちに現れるかもしれない新しい顧客にわたって、供給を管理する柔軟性を保てることです。とくに、この業界がダイナミックな性質を持ち、あらゆる領域で膨大なイノベーションが起きていることを考えるとなおさらです。当社はそうした立場を保ち続けたいと考えています。この点では非常に良い進捗を遂げていると思いますし、SCA の利点は将来の需要を見通せることです。それが投資の計画に大いに役立っています。

考えてみれば、これはこの業界の性質の根本的な変化です。長いリードタイム、長い時間軸で投資と供給見通しを管理できるようになるのは、業界がより大きな変動にさらされていた過去と比べて、業界の健全性にとって本当に良いことです。

Harlan Sur: ありがとうございます。NAND 事業について伺います。競合他社と比べると、総ビット供給シェアでは御社は世界4位か5位あたりだと思います。それでも、データセンター向け・エンタープライズ向け SSD では2位という非常に強い市場リーダーの地位を築き続けています。ここでは性能面の強い差別化が必要ですよね。優れた G9(第9世代 NAND)という基盤技術だけでなく、コントローラー技術、ファームウェア、カスタマイズも要ります。また御社は、GPU からストレージに直接アクセスするための NVIDIA の SCADA の取り組みにも参加しています。推論に関連する KV キャッシュ(生成AIが推論中に保持する中間データ)の機能が、ますますストレージへオフロードされているようにも見えます。

メモリ階層がフラッシュベースのアーキテクチャをますます取り込む形で広がるなかで、NAND 事業への R&D と CapEx の投資について、チームの考えは変わりましたか。

Sanjay Mehrotra(CEO): ご指摘のとおり、HBM から DRAM、SSD までのメモリ階層は、コンテキストウィンドウが伸び、AI が進歩するにつれて活用され続けています。当社は製品ポートフォリオのポジションに非常に満足しています。お伝えしたとおり、当社のポートフォリオは業界で過去最高のポジションにあり、とくに AI による巨大な成長市場の機会を取り込むうえでそう言えます。もちろん、SSD の側でのチームの力強い遂行を非常に誇りに思っています。データセンター SSD は、AI の成長を牽引するのに必要なメモリ階層において絶対に欠かせません。その成果が表れており、データセンター市場で5年連続のシェア拡大となっています(訳注: 書き起こしは "shared growth"。Prepared Remarks では「暦年2026年にデータセンター SSD で5年連続の過去最高シェアを達成する見込み」)。FQ4 のデータセンター SSD の売上高は $10 million に達しました(訳注: Prepared Remarks では nearly $10 billion(100億ドル近く)。"million" は書き起こしの誤り)。データセンター SSD は NAND 売上高全体の3分の2になっています(訳注: Prepared Remarks では「3分の2超」)。

当然、製品に関する R&D への投資を続けるとともに、製造面への投資も行っています。CapEx 全体のうち NAND 関連の投資も確実に増えています。ご存じのとおり、Singapore に建設中の次の NAND 工場についてもお話ししてきました。現在、暦年2028年後半に向けて順調に進んでいます(訳注: Prepared Remarks では「暦年2028年下半期に生産開始の予定」)。当社の CapEx は、G9 NAND への技術移行を支えるとともに、当然ながら装置の生産性の最適化、NAND の R&D、そして Singapore 事業のその他の面にも充てられています。

Harlan Sur: ありがとうございます、Sanjay。


Operator: 以上で質疑応答と本日のコールを終了いたします。ご参加いただきありがとうございました。回線をお切りください。


第2部 決算後のアナリスト向け説明会(Manish Bhatia・Scott DeBoer・Mark Murphy)

冒頭(Operator・Satya Kumar)

Operator: 皆さま、こんにちは。ご参加ありがとうございます。Micron の第4四半期 Post-Earnings Analyst Call(決算発表後アナリストコール)へようこそ。[オペレーターからの案内]それでは、コーポレートバイスプレジデント、IR・財務担当の Satya Kumar にお渡しします。Satya、どうぞ。

Satya Kumar(IR・財務担当): ありがとうございます。Micron Technology の2026会計年度第4四半期(FQ4 FY26)Post-Earnings Analyst Call へようこそ。本日のコールにご一緒しているのは、社長兼COO(最高執行責任者)の Manish Bhatia、社長兼CTPO(最高技術・製品責任者)の Dr. Scott DeBoer、そしてCFOの Mark Murphy です。あらためて申し上げますと、本日の議論には、市場の需要と供給、市場のトレンドと牽引要因、当社の業績見通しとガイダンス、その他の事項に関する将来見通しに関する記述(forward-looking statements)が含まれます。これらの将来見通しに関する記述はリスクと不確実性を伴い、実際の結果が本日の発言と大きく異なる可能性があります。

当社の業績に影響しうるリスクについては、直近の Form 10-K および今後提出する Form 10-Q を含め、SEC(米国証券取引委員会)に提出した書類をご参照ください(訳注: 書き起こしのまま訳した。FQ4 の後に提出されるのは通常 Form 10-K であり、「upcoming 10-Q」は言い間違いか聞き取りの誤りの可能性がある)。当社は将来見通しに関する記述に反映された期待は合理的であると考えていますが、将来の結果、活動水準、パフォーマンス、達成を保証することはできません。また、これらの記述を実際の結果に合わせて更新する義務を負いません。それでは質疑応答に移ります。

Operator: [オペレーターからの案内]最初のご質問は、Melius の Ben Reitzes さまからです。


Q6. Ben Reitzes(Melius Research)— 2028年の需給逼迫見通しと利益率

要点: FY27 の出荷の 75%超がすでにコミット済み になったことで、顧客との割当(アロケーション)協議は2028年分へ移っていると Manish Bhatia が明かしました。Mark Murphy は、FY27 は Q1 比で利益率が拡大し、逼迫は2028年まで続いて利益率を支えるとの見方を示し、価格上昇ペースの鈍化と立ち上げコストを相殺要因に挙げました。

Ben Reitzes: Scott、昇進おめでとうございます。Manish が参加されているか分かりませんが、Manish もおめでとうございます。さて、2028年についてお聞きしたいと思います。今回は '28年について新たなコメントがあり、'28年は今年よりも、また '27年よりもさらに逼迫するとあえて言及されました。何が変わったのか、そしてそれが利益率にとって何を意味するのかをもう少し知りたいです。'27年については普段より踏み込んだ利益率のコメントをいただき、それ自体は素晴らしかったのですが、'27年について示唆された水準から '28年に利益率が変わる理由が私には見当たりません。'28年についてもう少しコメントをいただけると助かります。

Manish Bhatia(COO): もちろんです、Ben。私から始めて、Mark に補足があればお願いします。お祝いの言葉もありがとうございます。2027年と2028年に関するコメントについてですが、当社はこれまでよりも強い需要の牽引要因を目にしています。サーバー台数が '27年にかけて伸び続けることはお話ししました。そしてもちろん、エージェント型AI(agentic AI)が非常に速いペースで伸びていることは皆さんが話題にしているとおりで、これがCPU主導の需要の流れも生み出しています。

FY27(2027会計年度)の計画を詰めていくなかで、同年度の出荷の75%超がすでにコミット済み であるとお伝えしました。これは需要が強まっていることを示しており、顧客との割当(アロケーション)の協議を2028年分へと移すことを可能にしています。つまり、'27年がこれまで見ていた以上に強い需要で固まりつつあることが、当社の確信の一つの要素です。さらに、顧客との SCA(Strategic Customer Agreements、戦略的顧客契約)の協議が増え、すでに交渉を終えた延長分も含まれていることが、長期的な確信も高めています。この2つの組み合わせにより、2028年までの需要について非常に強い見通しを持っています。

供給面では、これまでお話ししてきたのと同じ、供給の伸びに対する構造的な制約が依然としてあります。すなわち、技術移行(ノード移行)から得られる効果が過去の移行に比べて逓減していること。2028年までHBMが通常のDRAMよりも速く伸びること、つまり業界の生産能力に占めるHBMの比率が高まっていくこと。そしてもちろん、トレードレシオ(HBMを1ビット作るのに通常DRAM何ビット分のウェハー能力を要するかの比率)です。現在のHBMのトレードレシオだけでなく、将来のより複雑なHBMはトレードレシオがさらに高くなるため、これも供給を制約します。

加えて、業界全体が取り組んでいる新しいクリーンルームは、建設し、認定(クオリフィケーション)を取り、装置を入れるまでに長い時間がかかります。稼働を始めてからも、意味のある出荷が出てくるまでに数四半期かかります。こうした需要見通しと供給見通しの組み合わせから、需給がいつ均衡するのか見通しが立たない(line of sight がない)と申し上げたわけです。

Mark Murphy(CFO): Ben、Manish のコメントに少し付け加えますと、ご指摘のとおり '27年については、年度の残りの期間で Q1 と比べて利益率が拡大すると示しました。これは、ペースはより緩やかになるものの価格上昇が続くことによるものです。価格上昇はいずれ緩やかになると、当社は以前から申し上げてきました。そしてその段階では、上昇率が下がった価格上昇に加えて、より良い製品ミックスがあり、当社の技術・製品のリーダーシップに基づいてミックスを最適化していきます。市場環境は、申し上げたとおりタイトな状態が続くと見ており、それが '28年まで(利益率を)下支えするでしょう。

もちろん、価格と有利なミックスを一部相殺するのは立ち上げコスト(start-up costs)です。ただ、これらはすべて当社がマネージしている事項です。これまでもマネージしてきましたし、力強い財務パフォーマンスを維持できると見ています。

Ben Reitzes: ありがとうございます。もう一つだけ滑り込ませてください。Sanjay はトランプ大統領との昼食会だったか夕食会だったか、とにかく昼食会でいい席に座っていましたね。あの会合から、業界が成長し自主規制していく能力や業界の将来について手応えを得て帰ってきたのでしょうか。それが彼の示した強気のガイダンスに一役買ったのでしょうか。あるいは、その場の雰囲気や、彼が会合後どう感じたか、メモリが会合で頻繁に話題になったかなど、何か補足があればお願いします。

Manish Bhatia(COO): Ben、Sanjay はここにいませんので、私が把握している範囲でお話しします。まず間違いなく、当社はあの場に参加できたことを大変うれしく思っています。モデル企業やアクセラレーター企業と並んで Micron が招かれたことは、メモリの重要性を示しています。あの会合から公表されたホワイトペーパー(あるいはそれに類する文書)の枠組みには、すでに多くのモデル企業が署名していますが、その枠組みは、AIインフラ、とりわけAIハードウェアインフラの進歩を今後も続けていくうえで建設的なものだと考えています。

また、かなり議論された概念の一つは、セキュリティ面のいくつかを管理する方法として、実際にセキュリティソリューションを用意するというものでした。そのためには、より高性能なメモリ、より低レイテンシのメモリ、より高帯域幅のメモリを含む、より高度なハードウェアがセキュリティソリューションの一部として必要になります。というのも、将来提案されうるセキュリティ面の多くを管理するゲートウェイを設けることを想像していただくと、そうしたゲートウェイの応答性は、高性能で低レイテンシなメモリをどれだけ使えるかに大きく左右されるからです。


Q7. Melissa Weathers(Deutsche Bank)— HBM の TAM・シェアと HBM4E

要点: HBM の TAM(獲得可能な市場規模)見通しは今回更新しないとしたうえで、暦年2027年の HBM 価格は暦年初めにリセットされ、大幅に引き上げられる と Manish Bhatia が述べました。HBM シェアは特定の目標値を追わず「DRAM全体のシェア前後」とし、Scott DeBoer は NVIDIA と 1年以上 HBM4E(NV HBM)を共同設計してきたことを明かしました。

Melissa Weathers: 私からもお二人の昇進にお祝いを申し上げます。過去の四半期では、HBM の TAM(Total Addressable Market、獲得可能な市場規模)が2028年や2030年までにどの程度になりうるかの見通しを示してくださいました。その後、価格環境は明らかに変わっています。HBM の TAM について正式な新しい数字を出していただけるかは分かりませんが、方向感として、ビットからくる分と価格からくる分がそれぞれどの程度かを見積もる手助けをいただけますか。市場がどの程度の規模になりうるか、最新の見方があればお願いします。

Manish Bhatia(COO): もちろんです、Melissa。あらためてありがとうございます。TAM の見通しは今回は更新しません。ただし申し上げているのは、HBM の出荷は通常の DRAM より速く伸びると見ているということです。つまり、2028年にかけて業界の生産能力に占める HBM の比率は引き続き高まっていきます。HBM の価格については、少なくとも当社に関しては、暦年2027年の価格を大幅に引き上げた とコメントしました。この価格は暦年の初めにリセットされ、通常の DRAM との収益性の差を縮めることになります。それ以上については、HBM の TAM の具体的な見通しにはコメントしていません。HBM は伸び続けています。

HBM は非常に重要な実現要素であり続けています。HBM の導入は、AI のそれ以外の多くの部分がその潜在力を発揮するうえで重要な実現要素であり続けています。ですから、市場の重要な一部です。

Melissa Weathers: 分かりました。それに続けて、市場シェアの観点から、HBM のシェア目標について最新の考えはありますか。以前は、全社平均の水準、つまり20%台前半のシェアにしたいとおっしゃっていました。それは今も変わりませんか。また、Prepared Remarks で HBM4E と NVIDIA との取り組みについてのコメントに気づきました。2027年について、そして HBM4E で顧客との間で進めている進捗について、もう少し補足をいただけるとありがたいです。

Manish Bhatia(COO): もちろんです。前半は私が答えて、HBM4E は製品開発を率いている Scott にお願いしましょう。HBM の市場シェアについてですが、約1年前に、HBM のシェアが DRAM 全体のシェアに達するという、以前からお話ししていたマイルストーンを達成しました。その時点で、以後の目標はさまざまな要因に応じて変動すると申し上げました。HBM のシェア目標を厳密に更新してはいませんが、HBM のシェアは DRAM 全体のシェア前後になると見ている、とだけ申し上げておきます。ただ、どちらか一方の数字を目標にしているわけではありません。さまざまな要因に応じて変動するものです。

ただ、先ほどの質問でも申し上げたとおり、HBM は市場の非常に重要な一部です。多くの顧客が設計・導入しているアクセラレーター・プラットフォームの最先端に当社がごく近い位置にいられるのは HBM のおかげであり、AI のそれ以外のすべてがその約束と潜在力を実現するうえでの重要な実現要素です。

Scott DeBoer(CTPO): 私からは、市場に出る最初の本格的なカスタム HBM 製品となるものについて、NVIDIA との取り組みを少し補足します。当社は NVIDIA と 1年以上にわたって HBM4E、いわゆる NV HBM に取り組んできました。重要顧客とこの製品を共同設計(co-design)することには、当社にとって大きな機会があると見ています。標準の HBM4E をはるかに超える価値を届ける製品にするためです。そして、将来のシステムが自社製品をどう最適化していくかを示すという意味で、業界に実際のインパクトを与えるものになると考えています。


Q8. Atif Malik(Citi)— SCA の DRAM/NAND 内訳と中国勢

要点: SCA は DRAM と NAND の両方を対象とし、2030年までのビット量に占める比率は DRAM が約35%をやや下回り、NAND はやや上回る と Manish Bhatia が初めて方向感を示しました(後で「ビットでの話」と訂正)。中国向け売上比率は FY27 に1桁台 へ下がる見込みで、Scott DeBoer は中国勢に対して 少なくとも2ノード先行 していると述べました。

Atif Malik: まず、26件の SCA で2030年までに売上の35%という件についてです。これは DRAM と NAND の両方が対象ですか。可能であれば内訳を教えてください。

Manish Bhatia(COO): Atif、はい。内訳は開示していませんが、SCA 契約は DRAM と NAND の両方を対象にしています。期間は2030年までですが、具体的な内訳は示していません。申し上げられるのは、DRAM の量はそれ(約35%)を少し下回り、NAND のビット量は少し上回るということです。今後については、当社にはまだ(SCA に回せる)余地があります。申し上げたとおり、SCA の交渉を続けるなかで、この数字は将来さらに高くなる可能性があります。

(訳注: Prepared Remarks では「26件の SCA は、2030年までの当社売上の 35%超(over 35%) と現時点で見積もっている」と売上ベースで記述している。ここでの DRAM/NAND の内訳は、後の訂正にあるとおりビット量ベースの話であり、売上ベースの35%超とは基準が異なる)

Atif Malik: 分かりました。次に中国勢との競争の影響についてです。まず、御社の中国向け売上のエクスポージャーはかなり小さいことを確認させてください。そして Scott から、中国の競合が技術面でどの程度差を縮めているとみるべきか、何か補足をいただけますか。

Manish Bhatia(COO): 1点目については、はい。中国へのエクスポージャーはここ数年、直近の数四半期にわたって縮小しており、FY27 には1桁台 になると見ています。

Scott DeBoer(CTPO): では技術面について少しコメントします。現在、当社の技術リーダーシップは中国の競合に対して 少なくとも2ノード先行 しています。大事なのは、当社の焦点が技術リーダーシップを維持し、製品に真の差別化を持たせて競争することにある、という点です。Manish が先ほど触れ、(決算)コールでも言及されたとおり、当社の 1-gamma(1γ、第6世代10nm級)DRAM 技術はすでに当社のビットの過半を占めており、当社史上最大のノードになる見込みです。このノードは EUV(極端紫外線露光)技術に依存しています。次世代の 1-delta(1δ)も開発が順調に進んでおり、来年の後半の立ち上げに注力しています。

(訳注: Prepared Remarks では、1-gamma DRAM と G9 NAND は「現在の当社最大の生産ノードであり、当社史上最も量の多いノードになる見込み」と記述しており、「ビットの過半」という表現はない。また次世代 DRAM・NAND ノードは「暦年2027年後半に量産開始の見込み」とあり、ここでの「来年の後半」はこれと一致する)

EUV 技術は、今後のすべての先端 DRAM ノードにとって欠かせません。その分野での当社の専門性は、サプライヤーと連携した技術面でも、マスク技術その他の面でも、引き続き Micron の重要な差別化要因です。

Atif Malik: それから Manish、昇進は当然のことだと思います。

Manish Bhatia(COO): ありがとう、Atif。一つ明確にさせてください。DRAM と NAND についての先ほどの回答は、実はビット(量)についてのコメントでした。念のため、はっきりさせておきたいと思います。明示したか自信がなかったので、明確にしておきます。


Q9. Karl Ackerman(BNP Paribas)— モバイル・PC の需要と HBM4E のベースダイ

要点: Scott DeBoer は、HBM4E のベースダイは HBM4 のような自社製ではなく、カスタム品(NV HBM)も JEDEC 標準品もファウンドリのプロセスで作る と明かしました。Manish Bhatia は、モバイル・クライアント事業部でもビット出荷は減ったが売上は伸びたこと、SCA はモバイル・クライアントを含む全事業部にある ことを述べました。

Karl Ackerman: はい。ポートフォリオの大半で力強い需要が見られますが、今四半期はモバイル・クライアント部門のビット出荷が2四半期連続で減少したように見えます。メモリ価格の上昇が、市場のこの領域で需要を減らしているのでしょうか。また、この領域は SCA の採用が遅いですが、御社の SCA の増加分はこの顧客層から来ているのでしょうか。

Manish Bhatia(COO): ありがとう、Karl。モバイル・クライアント事業部(MCBU)では、前四半期比でビットが減少しましたが、価格上昇と有利なミックスの両方によって売上は伸びました。注目すべき点は、クライアント(PC)とフラッグシップのスマートフォンのいずれも、プレミアムセグメントでは、搭載容量が多く性能の高いソリューションへの需要が力強いということです。そして当然ながら、それが当社の注力しているセグメントです。この追い風を受けて、台数は減少しているものの、PC とモバイルの業界売上は伸びると見ています。

SCA については、当社はモバイル・クライアント事業部を含むすべての事業部で SCA を結んでいる、とだけ申し上げておきます。個別の内訳は開示していませんが、すべての最終市場へ多様な供給を維持することが当社にとって重要なので、SCA を結んでいます。

Karl Ackerman: 分かりました。よろしければ Scott に質問です。HBM4E における御社の自社最適化ベースダイ(base die、HBM の積層の最下層にあるロジックダイ)の競争力を、同業他社と比べてどう見ていますか。たしかに一部の顧客はカスタムソリューションを求めています。その複雑さと経済的価値は、主にコンピュート側の顧客に流れるのでしょうか、それとも HBM サプライヤーに流れるのでしょうか。

Scott DeBoer(CTPO): まず少し確認させてください。HBM4E では NVIDIA と共同設計していますが、HBM4 で使っているような自社製のベースダイではありません。ご質問に正しくお答えできているか確かめたかったので、明確にしておきます。HBM4E では、この共同設計はファウンドリのプロセス上で行っており、カスタマイズ品も JEDEC(半導体標準化団体)仕様品も同じです。そのうえで少し補足すると、差別化は、過去の HBM 製品で当社が示してきたのと同じく、顧客と協力するなかでの電力性能、最終的な速度性能、そして製品のマージン(動作余裕)に表れます。

それは過去のどの世代でもサプライヤー間で同じではありませんでしたし、製品の品質や当社が出せる性能の面で、今後も Micron の強みであり続けると考えています。

Manish Bhatia(COO): それから Karl、経済的価値についてのご質問ですが、HBM はプレミアム製品です。Scott が述べたとおり、カスタマイズを伴う NV HBM についても、高付加価値の製品になると見ています。HBM が今後も当社にとって ROI(投資利益率)の高い製品として貢献し続けると確信しています。


Q10. Jim Schneider(Goldman Sachs)— 新規 SCA 10件の価格の枠組み

要点: 今四半期に新たに結んだ 10件の SCA は、枠組みこそ従来と同様ながら、価格は暦年 Q2(CQ2)時点の市況で決めた過去分と違い、足元の市況と今後の逼迫を織り込んだ水準で交渉している と Manish Bhatia が説明しました。新規10件には小口から大口までの顧客が含まれるとしましたが、ハイパースケーラーが含まれるかは明言しませんでした。

Jim Schneider: Manish、Scott、おめでとうございます。今四半期に結んだ新規顧客の SCA 10件について、顧客が何を求めているのか少し補足をいただけますか。当然、供給を求め、より長期の供給を求めているわけですが、御社側または顧客側が求める価格の仕組みに何か変化はありますか。この質問をするのは、暦年 '27年と '28年にかけて逼迫が続くという見通しがあるからです。

この先2年ほどで上振れ分をもう少し取り込めると考えるなら、固定の上限・下限価格(ceiling と floor)を求めることには、少し消極的になっているのでしょうか。

Manish Bhatia(COO): はい、はい。Jim、ありがとうございます。お祝いの言葉もありがとう。SCA の枠組みは従来と同様だと言えます。違うのは、交渉が現在の市況と市場価格の見通しを反映している点です。そして(価格の)方向は上昇です。ですから、以前お話しした、CQ2(暦年第2四半期)ごろの市況で決めた過去の契約とは違い、それが現在の顧客との協議に織り込まれています。

また補足として、SCA 売上のおよそ4分の3には価格の枠組みが定められていて、およそ4分の1は定期的な交渉、つまり市場動向に連動して動く価格に開かれている、とお伝えしたと思います。ですから、全体の枠組みとしては同様だとお答えします。価格の枠組みの大半は下限と上限の価格帯(floor と ceiling のバンド)を持っていますが、新しい契約は現在の市況と、当社が見込む将来の市場の逼迫を念頭に置いて交渉しています。

Jim Schneider: 分かりました。念のため確認ですが、それは価格の上限・下限がすべて、いま見えている高い市況に合わせてリセットされたということですか。それとも、価格条件の性質そのものも違うのでしょうか。それからもう一つ、最初のハイパースケール顧客との契約締結は開示されていないと思いますが、それらが(今回の10件に)含まれているのか気になっています。

(訳注: 書き起こしでは「included in the TAM」となっているが、文脈と直後の回答(「新しい10件」)から「included in the 10」の聞き取り誤りの可能性が高いと判断し、「今回の10件に」と補った)

Manish Bhatia(COO): はい。複数の異なる枠組みがあります。私がコメントしたのは、価格を定めている枠組みの大半は下限と上限を設定しているということであって、当社は引き続き複数の異なる枠組みを使っています。そして前回のコール以降、この新しい10件では、小口から大口まで幅広い SCA 顧客と契約を結びました。先ほどの質問でもそうでしたが、具体的にどの顧客かは開示しません。申し上げているのは、いまや当社のすべての事業部に SCA があり、直近で結んだ10件の中でも、そしてもちろん合計26件の中でも、小口から大口までの SCA がある、ということです。


Q11. Chris Caso(Wolfe Research)— 建設CapEx増額の意味とCPU需要の寄与

要点: FY27 の CapEx 上積みの大半は建屋(クリーンルーム)の建設費で、稼働は暦年2028年後半以降。装置の導入は需要に合わせて後から決めると明言しました。また、エージェント型AIの処理が CPU 上で走ることで LPDRAM・DDR・SSD の搭載が増え、DRAM がデータセンターの「主たる制約」になっているとの認識を示しました。

Operator: 次のご質問は、Wolfe Research の Chris Caso 様からです。

Chris Caso: 最初の質問は CapEx(設備投資)についてです。工場建設の CapEx と、装置購入の CapEx を比べて説明していただけますか。コメントを聞いた限りでは、建設 CapEx のほうが速いペースで増えているように受け取りました。私の解釈が正しいかは自信がありません。クリーンルーム(半導体を製造する無塵室)のスペースが足りないために、今年は装置を搬入できる量が制約されている、という点は理解しています。ただ、建設 CapEx の増加は明らかに興味深い点です。少なくとも2029年、おそらくはそれ以降まで、ビット生産には結びつかないわけですから。

Manish Bhatia(COO): Chris、私から答え始めて、Mark に補足してもらいます。おっしゃるとおりで、業界の主たる制約はクリーンルームのスペースにあります。AI という需要の伸びは、クリーンルームの建設にかかる期間と比べると、比較的最近になって急に立ち上がってきたからです。各社とも建設に着手したところです。だからこそ、当社はそこに注力しています。

それから、ご指摘のとおり、FY27(2027会計年度)の建設 CapEx を従来計画より増やす分の大半は、2028年後半以降に稼働するクリーンルーム向けだと申し上げました。これは、クリーンルームの建設にいかに時間がかかるか、そしていま建設投資に着手しなければならない理由を示しています。同時に、長期の需要に対する当社の自信の表れでもあります。その自信は、足元の市場で見ている需要トレンドの観察と、SCA(Strategic Customer Agreements、戦略的顧客契約)の構造、そして顧客との協議によってコミットメントが2030年を越えて延びつつあることに裏付けられています。

こうした SCA は、将来の需要に供給を合わせ、確信を持って投資できるという点で、当社にとって変革的なものです。

Mark Murphy(CFO): Chris、少し補足させてください。はっきりさせておくと、増額分の大半は建設 CapEx です。その建設費増の大部分は、2028年以降にクリーンルームのスペースを前倒しで使えるようにするためのものです。この傾向は2027年を越えても続くと見ています。

それから、とても重要な点をご指摘いただきました。そこでの支出はそのままビットにはならない、ということです。これらのファブ(半導体工場)には、当社の市場の見方に基づいて、必要になった時点で装置を入れ、ウエハーを生産します。SCA は当社が市場の脈を取り続け、その CapEx から確実にリターンを得るための良い手段です。

Manish Bhatia(COO): もう1点だけ付け加えます、Chris。クリーンルームへの装置導入と生産能力の構築は、そのとき見えている需要トレンドに合わせて行います。これも重要な点です。当社は装置サプライヤーとも長期供給契約を結び、必要なときに装置を確保できるようにしています。それでも、クリーンルーム内に装置を入れて生産能力を構築するのは、その時点の需要トレンドに沿って行います。

Chris Caso: もちろんです。わかりました。フォローアップとして、CPU の好調がもたらす影響について伺います。ビット需要全体と、需給バランスに対する御社の見方の両方についてです。これは年初からの最大の上振れ要因だったと思います。CPU には HBM のようなトレードレシオ(HBM 1ビットの生産に通常 DRAM 何ビット分のウエハーを要するかの比率)の効果はありません。それでも、需給の不均衡に対してどの程度寄与しているのでしょうか。

Manish Bhatia(COO): 間違いなく、エージェント型(agentic)のワークロードが CPU 上で実行されるという認識が広がったことが大きな牽引役になっています。そうしたエージェント型のワークフローを実現するには、LP(LPDRAM、低消費電力DRAM)と DDR メモリ、そして SSD が大量に搭載されます。エージェント型のワークフローはすでに始まっています。企業向けでも消費者向けでも、すでに複数の実装が動き、実際の価値を生み出しています。それが、先ほど申し上げたとおり、サーバー台数が10%台後半(high teens)という力強い伸びを示している理由の一つです。そしてもう一つ、これが示しているのは、AI のトレンドを取り込むためのロジック、つまりロジックシリコンが伸びる経路がもう一本増えたということです。

その結果、ロジックシリコンが増え、AI 計算需要全体を押し上げています。率直に言って、それが DRAM の制約をさらに強めており、データセンターにとっての主たる制約は、ロジックや電力ではなく DRAM であることがはっきりしてきました。企業向けのエージェント型ワークロードには、皆さんもご覧のとおり多種多様なソフトウェア実装があります。ただ、Meta の Muse が公開からわずか数週間でどれほど急速に広がったかを見ると、エージェント型ワークロードによって消費者がいかに早く実際の価値を手にしつつあるかがわかります。


Q12. Joseph Moore(Morgan Stanley)— 来年のDRAM供給の伸びが鈍る理由と潜在需要

要点: CapEx を増やしても暦年2027年の業界DRAM供給の伸びが鈍る理由として、HBM 比率の上昇と HBM4/HBM4E へのトレードレシオ悪化、ノード移行の収穫逓減、クリーンルーム不足を挙げました。Idaho の新工場の初回ウエハー出荷は暦年2027年半ばでも、意味のある供給増はその数四半期後だと説明しました。顧客はメモリ不足でスペックを落としており、供給が増えればすぐに搭載量の増加に回る「潜在需要」があるとの見方にも同意しました。

Operator: 次のご質問は、Morgan Stanley の Joseph Moore 様からです。

Joseph Moore: ありがとうございます。来年は供給の伸びが鈍化するとのことですが、CapEx の規模を考えると少し意外です。HBM による抑制効果のお話があったのは承知していますが、その差がそれほど変わるとは思えません。CapEx の水準を踏まえても供給の伸びが鈍化する、そのプラス要因とマイナス要因を説明していただけますか。

Manish Bhatia(COO): はい、Joe。DRAM と NAND の両方についてのご質問でしょうか。

Joseph Moore: はい。ただ、主に DRAM です。

Manish Bhatia(COO): わかりました。HBM は通常 DRAM より速く伸びる、とお伝えしました。そして業界の主力が HBM3 から HBM4 へ、さらに2027年後半には HBM4E(HBM4 の拡張版)へと移るにつれて、トレードレシオが上がっていきます。(訳注: Investing.com 版の書き起こしでは、前半の別の回答で「HBM3E から HBM4、HBM4E へ」と表現されている。ここの「HBM3」も HBM3E の聞き取りの可能性がある)この2つが同時に起きることを考えると、ビットの伸びを抑える効果があります。

また、当社にとっても業界の他社にとっても、新しい技術ノードから得られるビット成長には留意が必要です。移行を進めるにつれて、移行のタイミングがどれだけビットを伸ばせるかを左右しますし、新しいノードになるほど収穫逓減の性質もあります。こうした要因がすべて供給を制約します。ただ、もちろん最大の要因は、どの会社にとってもクリーンルームのスペースです。

当社は Idaho の工場で暦年2027年半ばに最初のウエハーを出荷しますし、業界の他社もクリーンルームを開設するかもしれません。それでも、意味のある供給増になるのはその数四半期後です。以上が、来年の業界の DRAM 出荷の伸びが鈍ると見ている理由のすべてです。(訳注: 書き起こしは "DRAM is reducing supply industry shipments next year" で「出荷が減る」とも読めるが、Prepared Remarks では業界DRAMビット出荷の伸びは暦年2026年の mid-20s%(20%台半ば)から暦年2027・2028年の low-20s%(20%台前半)へ「伸び率が鈍化する」という見通しで、出荷量の減少ではない。質問も「供給の伸びの鈍化」を尋ねている)

Joseph Moore: わかりました。参考になります。それから、仮に業界の供給見通しが保守的すぎて、来年は供給がもっと増えたとします。その場合についてお話しいただけますか。抑え込まれている需要が大量にあるように見えます。もっと供給がほしいという意欲は強い。AI ラックなどでは、やむをえずスペックを落とす「デスペック」も起きています。供給が増えれば、単にスペックを元の高い水準に戻すだけのように思えるのですが、楽観的すぎるでしょうか。どうお考えですか。

Manish Bhatia(COO): いえ、まさにその点です。Sanjay がメインのコールでも触れましたが、顧客は、手元にあるメモリ供給の範囲で出荷できる計算用シリコンを最大化する選択をしていると当社は確信しています。(訳注: Sanjay Mehrotra はこのコールを欠席しており、「メインのコール」は事前公開の Prepared Remarks を指すとみられる。Prepared Remarks には「メモリ供給が逼迫するなか、1台あたりの搭載量の伸びが従来想定をやや下回ることで、サーバー台数の力強い伸びが支えられている」という記述がある)そのことが、計算用シリコンに追加で搭載したいメモリへの潜在需要を生んでいます。それが満たされれば、システム性能が上がり、エンドユーザーの手元での性能も向上します。

ですから、はい、その潜在需要は、あなたのお考えと一致していると思います。もっとメモリが手に入るようになれば、アクセラレーターに付くものであれ CPU に付くものであれ、AI ワークロードでの搭載量の増加に簡単に吸収されるでしょう。


Q13. Mehdi Hosseini(Susquehanna)— NANDの伸びと、DRAMウエハーの融通性

要点: 暦年2026年に当社 NAND の供給が業界を下回ったのは、Singapore のクリーンルームを NAND の先端 R&D ラインと HBM のパイロット運用に回したためだと説明し、暦年2028年後半に新しい NAND のクリーンルームが稼働すると述べました。DRAM は同じラインで製品を作り分けられるので需要に合わせて構成比を変えられるものの、製品ごとに前工程の最適化が過去になく異なるため、コスト面の利点にはならないとしました。最後に CFO が、FQ1 のガイダンスの前提(ビット出荷は前四半期比1桁、コストは2桁)と、インセンティブ報酬を除く FY27 の R&D 増加額が $1 billion を超えることを補足しました。

Operator: 次のご質問は、Susquehanna International Group の Mehdi Hosseini 様からです。

Mehdi Hosseini: 補足的な質問をいくつかさせてください。2026年の御社の NAND ビット出荷は業界平均を下回るペースだと強調されていました。では、2027年から2028年はどう見ればよいでしょうか。NAND のビット需要、あるいはビット出荷を、業界平均の25%並みに伸ばせるのでしょうか。

Manish Bhatia(COO): Mehdi、率直に申し上げて、DRAM についても NAND についても、そこまで先のことにはコメントしていません。暦年2027年と2028年に業界の NAND は20%台半ばで伸びると見込まれるなかでも、NAND 全体の需給はタイトになると予想しています。当社の供給の伸びを左右する要因をいくつか挙げると、現在、Singapore のクリーンルームの一部を、将来の NAND の成長に向けた先端 R&D ラインに使っています。また、来年に予定している Singapore の HBM 工場の立ち上げに備えています。そのため、既存のクリーンルームの一部では HBM のパイロット運用を行っています。こうした点が、今年の当社の供給の伸びが業界を下回った理由の一部です。

それでも、当社は自社の技術に自信を持っており、G9(第9世代 NAND)への移行を継続して進めることで、今後も非常に ROI(投資利益率)が高く、コスト効率の良い供給を得られると見込んでいます。そしてもちろん、今年に入って着工した新しいクリーンルームが、暦年2028年後半に稼働します。(訳注: Prepared Remarks では、Singapore の新しい NAND 工場が暦年2028年後半に生産を開始する予定と記載されている)

Mark Murphy(CFO): Mehdi、時間の都合もあるので、ちょっと割って入らせてください。追加のご質問があれば…いや、まずはご質問を先にどうぞ。2つ目のご質問のあとで、私からコメントします。

Mehdi Hosseini: すみません、Mark。遮るつもりはありませんでした。手短に、皆さんのご意見を伺いたいのです。DRAM、とくにウエハーの段階で見ると、デバイスはすべて同じです。ですから、ウエハー段階の DRAM には融通性(fungibility、別の製品に振り替えられる性質)があると私は考えています。そのうえで、後工程にいくらかの差別化がある。このウエハー段階の融通性は、過去には見られなかったものです。以前のサイクルは単一の製品が牽引し、顧客も大きく集中していたからです。ウエハー段階で DRAM に融通性があることで、DRAM のコストをより上手に管理できる、という私の想定は正しいでしょうか。

ご理解いただけますか。

Scott DeBoer(CTPO): まず1点申し上げます。おっしゃることにも一理あるとは思いますが、私ならむしろ逆の方向に考えます。前工程のばらつき、つまり HBM 向けの最適化、高性能な SOCAMM(LPDRAM を使ったサーバー向けの着脱式メモリモジュール)や LPDRAM 向けの最適化、そして DDR6 向けの最適化で、DRAM のプロセスをどう変えているかを見ると、現時点では、おそらく DRAM の歴史上かつてないほど違いが大きくなっています。同じノードの上に、作り分けなければならない種類の異なる製品があり、それぞれにはるかに多くの差別化が組み込まれています。Manish、何か付け加えることはありますか。

Manish Bhatia(COO): はい。足元では、異なる製品を同じ製造ラインで流していることが、確かに構成比の調整に役立っています。製品ごとに別のファブで流す必要はなく、同じラインで流せます。ただ、Scott が言ったように、製品ごとに最適化しようとしている方向が違います。HBM なら当然、TSV(Through-Silicon Via、シリコン貫通電極)による帯域幅で、そのためには固有のプロセス工程が必要です。DDR や LP にも、それぞれ固有のプロセス工程があります。

ですから、融通性でいちばん重要なのは、需要がどこにあってもそちらに柔軟に振り向けられること、あるいは顧客の要求に応えるために構成比を調整できることだと思います。それもすべて同じファブの中で、という点がおそらく最も重要です。ただ、それがコストの面で必ずしも役立つとは言えません。

Mark Murphy(CFO): Mehdi、どうやらコールの終わりの時間になりました。テクノロジーと、事業の長期的で強固な基盤と業績に焦点を当てたご質問が多く、本当にうれしく思います。それから、もっと早い段階で質問が出るだろうと思っていた事務的な点を2つお伝えさせてください。FQ1(2027会計年度第1四半期)のガイダンスは、DRAM と NAND のいずれについても、ビット出荷は前四半期比で1桁の伸び、コストは2桁を織り込んでいます。モデルを組む際の参考にしていただきたいと思います。(訳注: 書き起こしは "double-digit for cost" で、コストが増えるのか減るのか、何のコスト(ビットあたりコストか総コストか)かが判然としない。Prepared Remarks では、FQ4 に引き上げた FY26 のインセンティブ報酬の多くが在庫に吸収され、その高コスト在庫の販売が主に FQ1 の粗利率を押し下げるため、FQ1 を FY27 の粗利率の底と見込んでいる。Investing.com 版の書き起こしの別箇所にも「これらの要因で FQ1 のコストは約 $1 billion 増える」との発言がある)

それから、インセンティブ報酬の影響を除くと、前年比の R&D の増加額は前四半期にお伝えした $1 billion を上回り、FY27 は $1 billion 超になります。R&D の取り組みを追加したためです。これもモデルの参考にしていただけるよう、確実にお伝えしておきたかった点です。(訳注: Prepared Remarks では、FY27 の営業費用は約 $2.5 billion 増え、主な要因は R&D の増加とインセンティブ報酬の増加と記載されている。R&D 単独の増加額は示されていない)


Operator: 以上で質疑応答と本日のコールを終了いたします。ご参加いただきありがとうございました。回線をお切りください。


付録: 第1部の読み上げと Prepared Remarks PDF の差分

実質的な差分なし。Satya Kumar・Sanjay Mehrotra・Mark Murphy の読み上げ(Investing.com の書き起こしの該当部分)は、数値・見通し・固有名詞とも PDF 版と一致しています。差は次のような表記・聞き取りの揺れにとどまり、内容の付け足しや言い換えは見当たりません。

  • PDF の小見出し(「The strategic importance of memory in the super intelligence era」「Market outlook」など)は読み上げられていない(「Now turning to market outlook.」だけは読み上げあり)
  • 表記の揺れ: "Super Intelligence" →「super intelligent」、"NVHBM" →「NV-HBM」、"87.0%" →「87%」、"Dr. Scott DeBoer" →「Scott DeBoer」、"CHIPS agreements" →「chips agreements」
  • 聞き取りの揺れとみられるもの: "growth in usage" →「growth and usage」、"with our demand and the market environment" →「with our demand in the market environment」
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