無検閲LLMのクラウドサービス5つを比べた(料金、画像と動画、ファイル編集、リスク)

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無検閲LLMのクラウドサービス5つを比べた(料金、画像と動画、ファイル編集、リスク)

X で、無検閲のLLMをクラウドで使えるサービスが5つ並べて紹介されていた。 無検閲のLLMとは、ふつうのモデルなら断る依頼にも答えるように、拒否の仕組みを取り除いたモデルのことだ。 挙がっていたのは abliteration.ai、Featherless、Venice、Audn、heretics.fun の5つである。

知りたかったのは4点だ。 料金はいくらか。 画像と動画をどれだけ作れるか。 ブラウザだけでなく、手元のファイルを直接編集させられるか。 使うと何が危ないか。 画像と動画は、比べる基準に Grok を置いた。

数字は2026年9月18日時点のもので、各社の公式ページを開いて確かめた。 公式ページに載っていない数字は第三者の記事から取り、そのことを本文に書いている。

結論

  • 5つは同じ「無検閲」でも中身が違う。API で使うもの(abliteration.ai、Featherless)、一般向けのチャットと画像生成(Venice)、セキュリティ研究者向けのもの(Audn)、モデルそのものを改造して渡すもの(heretics.fun)に分かれる
  • 画像と動画を作れるのは Venice だけだった。単価は Grok の API のほうが安く、画像は1枚あたり Venice の約5分の1から15分の1、動画は1秒あたり約2分の1から3分の1になる(Venice の動画は公表された上限の単価で見積もった)
  • 画像を大量に作るなら、1日1,000枚まで作れる Venice Pro(月18ドル)が割安になる
  • 手元のファイルを直接編集させる公式の手順があるのは、abliteration.ai と Audn の2つである
  • いちばん素性が見えないのは heretics.fun で、運営者も利用規約もプライバシー方針も書かれていない
  • 無検閲のモデルに、ファイルの操作やコマンドの実行を任せるのは危ない。ファイルを編集させる必要がないなら、ブラウザで使うのが無難である

5つのサービスは何をするものか、いくらかかるか

サービス何をするものか料金
abliteration.ai開発者向けの API。拒否の仕組みを取り除いたモデルを出している。大型モデルの元は GLM-5.3 と GLM-5.2登録すればカードなしで試せる。従量課金は、標準モデルが入力1ドルと出力3ドル(100万トークンあたり)、大型モデルが入力3ドルと出力5ドル。月20ドル、50ドル、200ドルの定額を払うと、従量分が2.5〜10%引きになる
FeatherlessHugging Face 上のオープンモデル(無検閲版を含む)を使えるChat は月25ドルで、API はない(コンテキスト長32K)。Developer は月50ドル分のクレジット制で、API がある(コンテキスト長は最大256K、使い残しは翌月へ繰り越し)。Business は個別見積もり
Venice一般向けのチャットと、画像と動画の生成Free は無料(テキストは1日10回、画像は1日15枚)。Pro は月18ドル、Pro Plus は月68ドル、Max は月200ドル。年払いにすると最大16.7%引き。API の支払いに使うクレジットは、100クレジットで1ドル
Audnセキュリティ研究者向けの無検閲モデル「Pingu Unchained」と、その周辺ツールチャットは Free、Plus(月8ドル)、Premium(月12ドル)、PenClaw Pro(月20ドル)。上位モデルは、GODZILLA が月79ドル、NECROMICON が月179ドルの追加料金
heretics.fun指定したモデルから拒否の仕組みを外し、改造済みの重み(モデルの本体ファイル)を返す暗号資産トークン「HERETIC」の保有量で、使える範囲が決まる。無料枠は週1回で、4B以下のモデルまで。10万トークン保有で1日10回(12B以下)、100万で1日100回(70B以下)、1000万で無制限

Audn は、ページによって料金の書き方が揃っていない。 トップページでは、Pingu 10 と KONG をそれぞれ月20ドルと書いている。 契約する前に、申し込み画面の金額を確かめたほうがよい。

画像と動画をどれだけ作れるか(Grok と比べる)

画像と動画は、テキストと違ってトークン数では課金されない。 1枚いくら、1秒いくらで課金される。 そこで単価をそろえ、10ドルで何枚、何秒作れるかに直して比べた。

5つのうち、画像と動画を作れるのは Venice だけだった。 abliteration.ai と Featherless と Audn はテキストのモデルで、heretics.fun はモデルを改造するサービスなので、表から外している。

API で使う場合

画像の単価動画の単価10ドルで作れる量
Grok(xAI の API)1枚0.02ドル1秒0.05ドル(grok-imagine-video)、1秒0.08ドル(grok-imagine-video-1.5)画像500枚、動画200秒(1.5 なら125秒)
Venice(API)1枚0.09〜0.29ドル(モデルによる)5秒ほどの1本で80クレジット(0.8ドル)未満。1秒あたり0.16ドル未満画像34〜111枚、動画62秒以上

Venice は、動画の料金を「5秒ほどの1本で80クレジット未満」としか書いていない。 モデルと解像度で変わるので、実際の金額は Venice の見積もり API で確かめる必要がある。 上の比較は、この上限を単価とみなした場合のものだ。

Venice の動画は、Grok Imagine、Seedance 2.0、Kling 3.0 といった他社のモデルを取り次いでいる。 Grok Imagine を使うだけなら、xAI の API を直接使えば済む。

定額プランで使う場合

プラン画像動画
Grok(各プラン)上限は公表されていない1回の生成で最長15秒、延長すると最大30秒。音声も付く。SuperGrok Lite(月10ドル)は480p、6秒まで
Venice Free1日15枚記載なし
Venice Pro(月18ドル)1日1,000枚月100クレジットで、5秒ほどの動画1本分
Venice Pro Plus(月68ドル)無制限月7,500クレジットで、93本、470秒ほど
Venice Max(月200ドル)無制限月22,500クレジットで、280本、1,400秒ほど

Venice の本数と秒数は、1本80クレジット、5秒として割り戻した目安である。 80クレジットは上限なので、実際にはこれより多く作れる可能性がある。

Grok の定額は、SuperGrok Lite が月10ドル、SuperGrok が月30ドル、SuperGrok Heavy が月300ドルである。 この料金と、表の Grok の動画の仕様は、第三者の記事による。 公式のプラン表には SuperGrok Plus もあるが、料金は確かめられなかった。 2026年6月から、Grok の有料プランは、チャット、画像、動画などで1週間分の使用量を共有する方式に変わった。 プランごとに何本まで作れるかは公表されていない。

画像を大量に作るなら、定額の Venice Pro が割安になる。 Grok の API で1日1,000枚作ると、1日20ドルかかる。 Venice Pro は、月18ドルで1日1,000枚まで作れる。

手元のファイルを直接編集させられるか

サービスブラウザ以外の使い方
abliteration.aiClaude Code、Codex、Claude Desktop(Cowork)、opencode につなぐ手順を公式に用意している。Claude Code なら、環境変数を2つ設定すれば接続先が変わる(コンテキスト長256K)
AudnClaude Code を改造した CLI「audncode」を配っている(Windows、macOS、Linux)。使うには、PenClaw(Audn の侵入テスト用エージェント)の契約と、政府発行の身分証と自撮りによる本人確認が要る。すべてのリクエストはサーバー側で検証され、記録される
FeatherlessDeveloper プラン以上なら OpenAI 互換の API を使えるので、Cline など、この形式を受け付けるツールにつなげる。Anthropic 形式の窓口は見つからなかったので、Claude Code から使うには、形式を変換するプロキシを挟むことになる
Venice公式のダウンロードページにあるのは、iPhone、iPad、Android 向けのアプリだけである。有料プランの API を、Featherless と同じ方法で他のツールにつなぐことはできる
heretics.funブラウザで申し込み、改造済みの重みを受け取る。受け取った重みは、自分の GPU で動かす

abliteration.ai を Claude Code につなぐ設定は、次の2行である。

export ANTHROPIC_BASE_URL="https://api.abliteration.ai"
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="ak_..."

この2行をシェルの設定ファイルに書くと、ふだん使う Claude Code まで abliteration.ai につながる。 試すなら、その端末のセッションの中だけで設定する。

使うと何が危ないか

運営者がどこまで見えるか

heretics.fun は、運営者も利用規約もプライバシー方針もページに書いていない。 使うにはウォレットをつなぎ、値動きのある暗号資産トークンを持つ必要がある。 元になっているツール「Heretic」はオープンソースとして GitHub で公開されており、GPU があれば自分で動かせる。 heretics.fun のトークンで買えるのは、その実行の手間を省く部分だけである。

Audn は、米国の Audn Corporation と英国の Albumera LTD が運営している。 abliteration.ai の運営は Abliteration AI, Inc. だが、所在地は公開されていない。

「ログを残さない」は各社の自己申告

abliteration.ai と Featherless は、プロンプトと出力を保存しないと書いている。 外部の監査を受けているかどうかは確認できなかった。 abliteration.ai も、トークン数、時刻、エラーの記録は残すと明記している。

Venice は、自社で管理するGPUで動かす「Private」のモデルでは、プロンプトと応答を保存しない。 一方、他社のモデルを取り次ぐ「Anonymized」のモデルでは、提供元が内容を保存すると書いている。

Audn の audncode は、すべてのリクエストをサーバー側で記録する。

どのサービスでも、登録したメールアドレスと支払い情報は残る。 匿名で使えるわけではない。

ファイルの編集を任せるのがいちばん危ない

無検閲のモデルは、拒否の仕組みを取り除いてある。 ファイルの削除や上書きのような操作も、頼まれればためらわずに実行しやすい。 ファイルや Web ページに紛れ込んだ指示にも従いやすいと考えられる。

コマンドを実行する権限を渡すなら、捨ててよいフォルダーか仮想マシンの中で動かし、自動承認は切っておく。 audncode は、第三者が配っている Claude Code の改造版である。 インストールする前に、そのプログラム自体を信用できるかも考える必要がある。

ファイルを編集させる必要がないなら、ブラウザで使えばよい。 ブラウザでは、モデルが触れるのは自分が貼ったテキストだけになる。 heretics.fun が返す重み(.safetensors 形式)も、読み込んだだけでコードが動く形式ではない。 重みを手元に置くこと自体の危険は小さく、危ないのは、そのモデルにどんな権限を持たせるかである。

規約と法律

abliteration.ai でも、児童の性的なコンテンツと自傷に関わる内容は常に遮断される。 無検閲をうたうサービスで作ったものでも、違法な内容なら責任は作った本人が負う。

サービスの方針は、規制を受けて短い期間で変わることがある。 Grok では2026年1月、女性や未成年者を性的に加工した画像が、依頼に応じて作られていた。 EU、英国、フランス、インドなどが調査や批判に動き、Grok は1月9日に、画像の生成と編集を有料会員に限った。

顧客の個人情報や業務で預かった資料は、どのサービスにも入れないほうがよい。

出典

いずれも2026年9月18日に閲覧した。

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