分子モーターの動画16本を集めて記事2本にした日。実在確認とSVG図解、キネシンの場面特定
分子モーターの動画16本を集めて記事2本にした日。実在確認とSVG図解、キネシンの場面特定
3本のポストが、同じ装置を指していた
X で流れてきた3本のポストが、最初は別々の話に見えた。 ATP合成酵素という分子モーターの話、酸素が何をしているかの話、熱ゆらぎを利用しているという話。 並べて読み直すと、3本とも同じ1つの装置を指していた。 細胞の中で実際に回っているモーターについて、回る仕組みと燃料と揺れ方を、それぞれ別の角度から言っていただけだった。
それなら動画を集めて1本の記事にできる。 そう思って着手したが、集めるより先に、1本ずつ実在を確かめる作業が待っていた。
16本、タイトルとチャンネル名を実測してから載せる
記憶にあるタイトルを並べても記事にはならない。 消えた動画や、タイトルの違う動画が1本混ざれば、資料としての価値はそこで落ちる。 だから16本すべてについて、oEmbed でタイトルとチャンネル名を取得させ、実在を確かめてから載せた。
集まった16本は、性格が3つに割れた。 精密なCGアニメーション、顕微鏡の実写、研究者本人の講義である。 CGだけを見ていると、分子モーターは設計図どおりに動く精密機械に見える。 実写を並べると、同じ装置がガタガタ揺れながら進んでいる。 「CGだけ見ると熱ゆらぎを見落とす」を軸に据えて、3系統を束ねた。
記事の中心になる主張なので、この軸については根拠を別途1つ確認させてから書いた。
図解の前に、保存先の実態を見る
図を1枚入れることにして、先に作図規約を読み込ませた。 そのうえで、保存先については規約の記述をそのまま信じず、ディスクの実態を確認させた。 画像の置き場は移行の途中で変わることがあり、規約が現状に追いついているとは限らない。
書き込みでつまずいた。 ヒアドキュメントで SVG を流し込もうとしたらシェルに弾かれたので、Write ツールに切り替えて書かせた。 SVG は引用符と山括弧が密集するので、シェル経由は分が悪い。
描画の確認は、dev サーバーの生死を見るところから始めた。 ブラウザで記事を開き、図版に入れた縦書きのテキストがはみ出していないかを実測で確かめさせた。 縦書きは1字増えるだけで枠から出る。 スクリーンショットを眺めて「大丈夫そう」で済ませると、あとから見切れが見つかる。
「あの有名な場面」は、どの動画のどこか
記事ができたあと、スクリーンショットを貼って質問した。 キネシンが小胞を背負って微小管を歩く、あの有名な場面。 あれは集めた16本のどれの、どこに入っているのか。
記憶で答えられては困るので、実際に動画を開いて確かめさせた。 該当シーンは約1:14だった。 そのフレームと制作者本人の解説を突き合わせて、探していた場面と一致することを確認できた。
確かめながら、記事に足りないものが見えた。 あの場面は観測された映像ではなく、解釈を含んだ描写である。 どこまでが実験で見えていて、どこからが描き手の判断なのか、記事は区別していなかった。 新しい節「あの有名な場面は、何が観測で何が解釈か」を、系統1と系統2のあいだに入れた。 引用する論文の書誌は、追記を書く前に確認させた。
2本目は、既存記事に足さずに分けた
最初の3つの論点をそのまま章立てにして、熱力学の部分をとくに厚く書きたくなった。 着手前に、既存記事へ追記するのか新記事を立てるのかを聞かれた。 既存記事は動画カタログとしてまとまっている。 そこへ熱力学の議論を足すと、記事の軸が2本になる。 新記事に分けた。
書き上げた直後、lint が壊れた太字を2組検出した。
日本語は閉じ記号の直前が句読点や鉤括弧になりやすく、条件を外すと ** が画面にそのまま出る。
✗ …だけ。**コマンドは要らない
✓ …だけ**。コマンドは要らない
2組とも直してから、既存記事と新記事に相互リンクを張り、ブラウザで描画を確認した。
成果物
科学の中身は、この2本にある。
学び
- 動画を紹介する記事は、実在確認のほうが本体である。16本ぶんタイトルとチャンネル名を実測して、ようやく資料になる
- 「あの有名な場面はどこか」を記憶で答えず動画を開くと、記事に足りない節が1つ見つかる。今回は観測と解釈の境目だった
- SVG のように引用符と山括弧が多いテキストは、ヒアドキュメントで流さずファイル書き込みツールに任せる