消費税の届出書7様式をSVGで作り直す。レビューできる並べ方を用意するまで
朝いちばんに計画書の進捗を見たら、次は自分がチェックする番だった。全景図サイトの図を作り直す作業で、消費税法と法人税法のアフター(作り直したSVG)が出そろい、ギャラリーで before と after が並んでいる。ところが開いてみると、レビューが始められない。
私は、左サイドバーのセクション、チャプター、トピックを閉じてからレビューすることが多い。閉じると画面に残るのはトピックのタイトルだけで、「p6_fig3 スペース図解」としか出ない。これがどの章のどの節の図なのかを読み取れない。パンくずリストのように出してほしいと伝えて、フォーカスモードでもカラム表示でも同じタイトルが出るように直してもらった。
ついでにサブタイトルが2行に折り返して「る」だけ余っていたので詰めさせ、狭い幅でパンくずが崩れないかも確認させている。コミット 5382bc07。学習ゲートはレビュー継続中を理由にスキップした。
7枚の様式を描くか、1枚の表にまとめるか
巻末付録に入る申請書と届出書7種の見せ方が決めきれずに残っていた。生成器で1枚ずつ様式を描けば現物の見た目は保てる。一覧表1枚にまとめれば、様式の見た目ではなくなる。
考えているうちに、どちらかを選ぶ問題ではないと分かった。届出書で先に知りたいのは提出期限と効果で、それは表のほうが早い。ただ、その紙のどこに何を書くかは様式の絵でしか伝わらない。両方作ることにして、計画書と進捗台帳に決定として書き残させた。
私が一巡するまで手が空くので、先に進められるところを進めてもらった。表のほうは条文と提出期限の裏取りから始めさせた。国税庁のページは要約経由だと条文番号を取り違えるので、HTMLを直接取って読ませた。9種の提出時期と根拠条文がそろい、法令スナップショットに10件追加してテストも28件通る。ここで、手元の書籍に載っている様式が改正前のものだと分かった。
表の器のほうにも1つ引っかかった。統計表用のCSSが white-space: nowrap で、長文のセルが破綻する。折り返しと列幅指定に変えて読める形にした。コミットは e5abb280。
記入例をどこまで原図に寄せるか
様式は、まず手本を1枚だけ作らせて方向を確かめる形にした。課税事業者選択届出書。現行様式のPDFを7種取り直させたところ、書籍版と大きく違っていた。収受印が廃止され、欄ごとに項目コードが振られ、二次元コードが載っている。取得では2点ずれていたので取り直させた。輸出物品ではチェック表のほうを掴み、2種では改正で新旧の様式が並んでいたためだ。手本1枚のコミットは 625a66cd。
1枚目が上がってきたところで注文を出した。ビフォアの原図に書かれている数字も会社名も住所も、全部同じにしてほしい。値が違うと、どこが変わったのかを探すのに目が滑る。
ここで権利ガードが出版社名を弾いた。計画書に入れておいた検査がそのとおりに動いた形なので、外さずそのままにしてもらった。チェックのしやすさを理由に緩める手もあったが、数値と日付だけ原図どおりにして、社名と個人名と住所は架空のものに置き換えている。
作った直後の自己確認で3点(3行ラベルの重なり、事業年度の欄が枠外へはみ出す、資本金の重なり)を直させた。コミットは 27d060c6。残り6枚も同じ流れで作らせ、4点直して 51e1c726 にまとめた。
何と比べてレビューするのか
7枚そろったので順に見ていったら、輸出物品販売場許可申請書で手が止まった。原図と内容が食い違って見える。
理由の見当は返ってきた。原図は改正前の第20号様式で「譲渡しようとする物品(品名・数量・価額)」の表がある。修正後は現行の一般型様式に合わせてその表を落とし、代わりに「手続委託型の許可の有無」を入れていた。
ただ、説明を読んでも私には正否を判定できない。ビフォアに出ているのは書籍の原図だけで、現行様式がどこにも映っていないからだ。何と比べればいいのかが画面にない。そこで現行様式を画像にして真ん中に挟ませた。並びは修正前(書籍の原図)、現行の様式(国税庁)、修正後(候補)の3列になる。ページは http://localhost:3200/dev/zenkei-figures?book=shohizei&ci=16&si=2。
3列にした途端、判定できるようになった。そして自分の指示のまずさも見えた。修正後の図に「申請理由」という箱がある。現行様式にはない欄だ。原図と同じにしろと言ったせいで、原図にしかない欄まで持ち込ませていた。
言い直した。欄の構成は現行様式に完全に合わせる。記入例の数値と文言だけ原図から踏襲する。原図にしかない欄は作らない。ここまでの修正は、レビューぶんも含めて Fable 5.5.1 で全部やり直させることにした。
潰れる2行ラベルと、罫線の3階層
生成器を現行様式の欄構成に合わせて全面的に書き直させた。7枚とも3列表示で実測させて、欄単位で一致するかを確かめていく。潰れていたのは2行のラベルで、行の高さ18では収まらない。フリガナ行を24に上げて3枚を順に直した。コミット 01ba6dbf。
罫線も3段階に描き分けさせた。現行様式は枠が細かく区切られていて、正直に言えば少し見づらい。ただ、機械に読ませる前提なら、こちらのほうが理にかなっているのだろう。1箇所、「電話番号(納税地)」のラベルに縦線が重なって見えたので拡大させたら、マウスカーソルの写り込みだった。コミット 25e51612。
欄のわきの小さな英数字
現行様式を眺めていて、欄のわきに F や E で始まる小さな英数字が並んでいるのに気づいた。SVG側では省いていたので、実物どおりの位置に出すよう指示した。PNGから39件を転記させて全7枚に反映した。コミットは 3dfe4c42。
その後、輸出物品販売場許可申請書のコードを追っていて引っかかった。F01からF05まで来て、F06を飛ばしてF21に跳ぶ。この順番は決まっているのだろうか。
手元の7様式から観察できる規則性はあっても、それが公表されているかどうかは別の話だ。憶測で答えずに調べるよう言ったところ、国税庁が「XML構造設計書及び帳票フィールド仕様書【消費税関係】」を公開していることが分かった。実物を落として中身まで確認させている。
このコードの正体と、7様式の全コードを欠番まで埋めた対応表は、公開記事のほうにまとめた。詳しくは国税庁の新様式に印字された「F01」「E02」の正体。
最後に進捗台帳を更新させ、mdx-playground 側の記事を書かせてデプロイまで回した。path チェックは公開対象2,115ファイルで通過している。
学びメモ
- レビュー用の並べ方を先に作らないと、レビューが始まらない。 3列(原図、現行様式、修正後)にした瞬間から判定できるようになった。それまで私は「これ、内容違うんじゃないですかね」までしか言えていない
- 「原図と同じにして」は記入例の話であって、欄の構成の話ではなかった。 自分の指示が2通りに読めることに、上がってきた図を見るまで気づかなかった
- 権利ガードが出版社名を弾いたのは正しい動き。チェックのしやすさを理由に外す誘惑はあったが、そのままにした
- 一次資料は要約経由で読ませない。国税庁のページは条文番号を取り違えるので、HTMLを直接取らせる