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韓国DRAM輸出単価で Micron Q4 FY26 売上を予測する — シナリオA/B/C で +$13.5B 上振れ余地が見えた作業ログ

Prepared Remarks 全文和訳韓国DRAM単価 → Micron 売上の単回帰モデル を作った流れで、もう一段踏み込んで「Q4 FY26(2026年6-8月)の月次予測線をチャートに重ねる」作業をやった。本記事はその試行錯誤ログ。

ユーザーの指示は3段階で降りてきて、シナリオC の作り方を1回壊して作り直している。直線イメージのスケッチを画像で示されたのが効いた。


出発点 — Micron 会計四半期に月次データを束ね直す

Micron は 8月末締め

会計四半期暦月
Q19月・10月・11月
Q212月・1月・2月
Q33月・4月・5月
Q46月・7月・8月

/memory-makers/korea-chip-exports の月次品目別データ(DRAM/NAND/MCP の重量・金額・単価)を、上の暦月で3ヶ月束ね直す Python スクリプトを Claude Code に書いてもらった。3〜5月分(Q3 FY26)の集計値を、Micron Q3 FY26 の実績売上 41.5B** と突き合わせると、回帰式 `Micron売上 = 0.6518 × DRAM単価 − 1.07` で **42.21B(誤差 −1.8%) に収まった。韓国月次データだけで Micron 四半期売上がここまで読めるのは正直驚いた。

ここまでが 回帰モデル記事 の下準備。本記事は、その続きとして「Q4 FY26 の月次予測線をチャートに引く」作業。


月次チャートを作る — 25年8月〜26年5月の実績で土台を引く

ユーザーの指示は明確で、「25年8月〜26年5月の DRAM 重量基準単価を月次解像度の折れ線で出し、6月/7月/8月の予測値(Micron Q4 FY26 期間)を3シナリオで重ねたい」だった。

実績は手元のデータでそのまま出る。

DRAM 単価 ($/kg)
2025-08$13,879
2025-09$17,144
2025-10$23,118
2025-11$20,756
2025-12$23,486
2026-01$33,070
2026-02$48,178
2026-03$55,693
2026-04$65,950
2026-05$77,531

5月の 77,531/kg が史上最高。回帰式の逆算で出した「ガイド 50B 整合点 = $78,300/kg」に 5月時点でほぼ到達済み だったのが大発見だった。


シナリオA / B — ガイド整合と緩い上昇の2本

最初の指示はシナリオAとBの2本だけ。

  • シナリオA(ガイド整合): 3ヶ月平均が 78.3k/kg で横ばい。Micron Q4 売上ガイド **50B ± $1B** とちょうど一致する点を回帰式から逆算
  • シナリオB(緩い上昇継続): 5月実績から +5%/月 で月次に積み上げ。81.4k → 85.5k → $89.8k

Aは横ばい、Bは緩いカーブで上に行く。これだけで一旦チャート化して、本文に貼った段階で「実績の傾きが完全に止まる前提のAより、Bの方が中央値として現実的」というメッセージに着地できた。


シナリオC で1回ミスった — 「複利+27%/月」で線が突き抜けた

ここでユーザーから「シナリオC として、12月→5月の CAGR をそのまま 6・7・8 月に当ててほしい」と追加注文。CAGR を計算すると +約27%/月。これを5月実績 $77.5k に複利で乗せると、

6月: 77.5 × 1.27 = 98.4k
7月: 98.4 × 1.27 = 124.9k
8月: 124.9 × 1.27 = 158.7k

8月 **158.7k/kg** までグンと跳ね上がる線になった。Y軸も 160k 近くまで広げた。

スクリプトを実行してチャートを更新し、シナリオCの Micron Q4 売上予測値(複利モデルで $80B 超)を本文に書いて報告した。


ユーザー指摘 — 「線が直線で伸びるイメージ」

ユーザーから即座にツッコミが入った。チャート画像を添えて、

あーごめんごめん。これちょっと上がりすぎなんで、そうじゃなくて、ごめんなさい。普通にこの12月から1月、2、3、4、5って線になってるじゃないですか。この直線が伸びるイメージなんですけどね。今なんか上にグインって上がっちゃったんで、そうじゃなくて普通に線が伸びていくイメージなんですよ。

画像の指差しに近い指示で、何が違うかが一発で伝わってきた。実績の折れ線は12月→5月で直線っぽく見えるから、CAGR の複利ではなく月平均の絶対増分(傾き)をそのまま延長する線形モデルが欲しい、ということ。

12月→5月の5ヶ月で 23.5k → 77.5k、つまり月平均 +$10.8k/月。これを5月実績から線形に乗せると、

6月: 77.5 + 10.8 = 88.3k
7月: 88.3 + 10.8 = 99.1k
8月: 99.1 + 10.8 = 109.8k

8月 **109.8k/kg** で着地。複利版の 158.7k からだいぶ常識的な水準に降りた。Y軸も 0〜130k に縮めて、Aの 78.3k と C の 109.8k が同じ視野に入るようにした。


3シナリオを Micron 売上に落とすと…

3ヶ月平均単価を回帰式 売上 = 0.6518 × 単価 − 1.07 に代入する。

シナリオ6月7月8月3M平均Micron Q4 売上予測ガイド $50B 差
A ガイド整合$78.3k$78.3k$78.3k$78.3k$50.0B±$0B
B 月+5%$81.4k$85.5k$89.8k$85.5k$54.7B+$4.7B
C 線形延長 +$10.8k/月$88.3k$99.1k$109.8k$99.1k$63.5B+$13.5B

ユーザーの最後の確認は、

このままいった場合、ガイダンスの差っていうのは、プラス13ビリオンですか。これ13ビリオンっていうことは、50との差だから、上振れ26パーってことですか。

その通りで、13.5B / 50B = +27%(≒+26%)の上振れ余地。線形モデルでもこの数字。


なぜ単価がそのまま売上に効くのか — Q3 → Q2 の売上原価が動いていない

ここの解釈が一番面白かった。Micron の Q2 → Q3 の 8-K を並べると、

四半期売上 ($M)売上原価 ($M)売上原価 ÷ 売上
Q2 FY26$23,861$6,10525.6%
Q3 FY26$41,457$6,40015.4%

売上は +73%(+17.6B)伸びているのに、売上原価は +295M (+4.8%) しか動いていない

つまり Micron の製造能力(出荷数量)は Q2 → Q3 でほぼ変わっていない。粗利の増分 +$17.3B はほぼすべて ASP 上昇に由来する。これが韓国輸出単価のスパイクと直接つながる理由で、回帰モデルの R²=0.97 の高さの根拠でもある。

ユーザーの読み筋は、

結局マイクロンの製造能力って変わってないっていうのがまずこれでわかるんですよ。なんでかっていうと、売上原価ってサードクォーターとセカンドクォーター変わってないんですよ、ほぼ。で、ということは、ほぼ全てASP価格が上がっただけ。それが全部粗利に落ちてる

このフレームが組み上がると、シナリオC の +$13.5B の解釈もシンプルになる。「数量がほぼ動かない前提で ASP が線形に伸び続けたら、増分はそのまま粗利に積まれる」。


SK Hynix への布石

SK Hynix は会計四半期が 1〜3 / 4〜6 / 7〜9 / 10〜12 で、Micron とちょうど1ヶ月ズレる。とはいえ韓国DRAM単価 → 売上の同じロジックがそのまま使えるはずで、Micron Q4 FY26(6-8月)予測の隣に SK Hynix 2026 Q3(7-9月)予測を並べる記事を、6月分の月次データが出る 7/15 以降に書こうと決めた。Micron Q4 決算(9月末)の2週間前には3ヶ月分の韓国データが揃うので、回帰予測の妥当性も後追いで検証できる。


学び

  • CAGR をそのまま月次に当てると、複利で線が跳ねる。実績折れ線がどう見えているか(直線 or 指数)を一度自分の目で確認しないと、ユーザーに見せた瞬間「これは違う」と返ってくる
  • 「直線」「グインと上がる」の言葉と画像のセットで指示されると、修正方針が一瞬で立つ。チャットだけだと曖昧になるが、画像の指差しが入ると差分がゼロ距離になる
  • シナリオは3本に分けると幅で議論できる。A(横ばい)/B(緩い継続)/C(直近傾きそのまま)でレンジが 50B〜63.5B に決まり、「6月分の月次(7/15公表)が出てきたらシナリオ間のどこに収束するかが見える」運用設計まで一気に降りた
  • ASP 上昇は売上原価が動かない限り粗利に直撃する、というメモリ業界のシンプルな算数を、自分の数字で1回手で追っておくと、決算速報を読む解像度が一段上がる

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