40代の金融資産、真ん中の世帯は500万円|「平均1,486万円」との差と、同年代で上位何%かの測り方(家計の金融行動に関する世論調査2025)
40代の金融資産、真ん中の世帯は500万円
「40代の貯蓄は平均○千万円」という数字を見て、自分は遅れているのかと不安になった経験がある人は多いと思う。 ところが、その平均の近くにいる世帯はそれほど多くない。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査」2025年版で、二人以上世帯の40代を見ると、金融資産の平均は1,486万円、中央値は500万円だった。 中央値とは、世帯を金額の少ない順に並べたときに、ちょうど真ん中に来る世帯の金額である。 平均以上の金融資産を持つ40代の世帯は、全体の約29%しかいない。
この記事では、調査の公開データ(Excel)をすべて取り込み、年代を軸に並べ直した結果を紹介する。 自分の年代と金額を入れると「同じ年代の中で上位何%か」を計算するビューワーも作った。
どの年代でも、平均は中央値を大きく上回る
年代別に中央値と平均を並べると、どの年代でも平均が中央値を大きく上回る。 二人以上世帯では、平均が中央値の1.9倍(60代)から4.2倍(20代)で、40代は約3倍だった。 単身世帯の40代では、平均859万円に対して中央値は100万円で、8倍を超える。
- 20代125万円
- 30代311万円
- 40代500万円
- 50代700万円
- 60代1,400万円
- 70代1,178万円
- 20代37万円
- 30代100万円
- 40代100万円
- 50代120万円
- 60代300万円
- 70代500万円
- 20代525万円
- 30代1,096万円
- 40代1,486万円
- 50代1,908万円
- 60代2,683万円
- 70代2,416万円
- 20代255万円
- 30代501万円
- 40代859万円
- 50代999万円
- 60代1,364万円
- 70代1,489万円
平均が引き上げられる理由は、金額の分布の形にある。 二人以上世帯の40代では、金融資産を持っていない世帯が18.8%いる一方で、3,000万円以上の世帯も13.1%いる。 上の方に長く伸びた分布では、少数の資産の多い世帯が平均を押し上げる。 「ふつうの世帯」の目安として見るなら、平均より中央値の方が実感に近い。
60年分の推移で見ても、この差は一貫している。 金融資産を持っている二人以上世帯に限った数字で、2025年は平均2,309万円、中央値1,050万円だった。
同じ年代でも、年収帯で中央値は200倍以上開く
同じ40代でも、年収によって金融資産は大きく違う。 調査の「設問間クロス集計」には、年代と年収(税引後の手取り)を掛け合わせた金融資産の分布がある。 これを散布図にすると、二人以上世帯の40代の中央値は、手取り300万円未満で10万円、500〜750万円で511万円、1,200万円以上で2,400万円だった。
年代を切り替えると、もう一つの特徴が見える。 年収が同じなら、おおむね年代が上がるほど金融資産は多い。 特に50代から60代にかけて一段上がり、手取り500〜750万円の世帯では中央値が700万円から1,580万円へ倍以上になる。
「同年代の平均」と比べて落ち込む前に、同じ年代・同じ年収帯の中央値と比べる方が、比較として公平である。 ビューワーでは、年代・年収・金融資産を入れると、この3つを組み合わせた位置を計算する。
株式を持つ世帯は7年で倍になった
調査は「現在保有している金融商品」も聞いている。 二人以上世帯で株式を持つ世帯は、2018年の19.6%から2025年は39.5%へ、投資信託は13.0%から33.2%へ増えた。 単身世帯も2018年からは増えている(株式18.6%→25.8%、投資信託15.5%→24.5%)が、伸びは二人以上世帯より小さく、2025年はどちらも前年より下がった。
2025年は金融資産の額そのものも大きく伸びた。 金融資産を持つ二人以上世帯の中央値は、2024年の780万円から1,050万円になった。 1年前より金融資産が「増えた」と答えた世帯(二人以上世帯・金融資産保有世帯)に理由を聞くと、「株式、債券価格の上昇により評価額が増加した」が38.7%で最も多く、「配当や金利収入があった」が35.0%で続いた。
ただし、1年だけの動きは幅を持って見る必要がある。 この調査はインターネットのモニター調査で、年ごとに回答者が入れ替わる。 金融資産を持っていない二人以上世帯の割合は、2025年に24.0%から15.7%へ下がったが、2020年にも一度16.1%まで下がり、翌年に22.0%へ戻った経緯がある。
40代が全国平均と違うのは、教育費と老後の見通し
ビューワーには、約80の設問のすべての回答について、選んだ年代と全国平均との差を大きい順に並べる機能も付けた。 二人以上世帯の40代で差が大きかったのは、次のような回答である。
| 設問 | 回答 | 40代 | 全国 |
|---|---|---|---|
| 金融資産の保有目的 | こどもの教育資金 | 38.5% | 18.0% |
| 金融の知識・情報の入手先(収益性を重視する世帯) | 個人のHP、YouTubeチャンネル、SNSなど | 46.0% | 32.1% |
| 老後における生活資金源 | 公的年金 | 40.4% | 59.1% |
| 老後における生活資金源 | 就業による収入 | 52.9% | 42.5% |
40代は、老後の生活資金を公的年金より働いて得る収入に頼るつもりの世帯が多い。 金融資産を持つ目的も、老後より先に子どもの教育費が来ている。 年代を切り替えると、20代・60代などでも同じ形で特徴が並ぶ。
ビューワーでできること
家計の金融資産 年代別ビューワーでは、次のことができる。
- 年代・世帯のタイプ(二人以上世帯/単身世帯)・金融資産・手取り年収・借入金残高を入れると、同じ年代の中で上位何%か、同じ年代・同じ年収帯の中で上位何%かを計算する
- 同じ年代の金融資産の分布を金額の高い順に並べ、自分・中央値・平均がどの階級にいるかを示す
- 年収×金融資産の散布図に自分の位置を重ねる
- 年代別に13の指標(中央値・平均・借入金・目標残高・株式や投資信託の保有率・老後の心配など)を並べる
- 2025年調査の全設問を、年代・年収・職業・地域などの切り口で表とグラフにする
- 1963年からの時系列データの全表を折れ線グラフで見る
入力した値は、その端末のブラウザにだけ保存され、どこにも送信されない。
「上位何%」は、公表されている金額階級の構成比から計算した近似値である。 階級の中では世帯が均等に並んでいると仮定し、無回答の世帯は除いた。 最上位の階級(3,000万円以上など)に入る場合は上限がないため、「上位○%以内」と表示する。
データについて
- 出典: 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」の単純集計、時系列データ、各種分類別データ、設問間クロス集計
- 調査時期は2025年6月20日〜7月2日。インターネットモニター調査で、二人以上世帯(世帯主が20〜79歳、世帯員2人以上)5,000世帯、単身世帯(20〜79歳)2,500世帯が対象
- 本調査の「金融資産」は、預貯金のうち運用や将来の備えとして蓄えている部分と、株式・投資信託・積立型保険・個人年金保険・財形貯蓄などの合計。日常の出し入れに使う預貯金は含まない
- 2026年1月21日に、公表元が2025年計数の一部を訂正している。この記事とビューワーは訂正後のExcelを使った
- 年代は世帯主の年齢。時系列データは、調査方法の変更で2003/2004年、2006/2007年、2019/2020年、2020/2021年の間などが不連続になっている(グラフの縦の点線)