CF精算表で直接法を組むと営業活動だけ拾いにくい?未払金の反例と取引シート、再振替仕訳を見送った判断
CF精算表で直接法を組むと営業活動だけ拾いにくい?
帳簿なし版の No19 のシーンを見ていて、ふと思い出した。 Excel のキャッシュフロー計算書をベースに作るとか作らないとか、前にやった気がする。 ページはどこだったか。
聞いてみると、それは「CF精算表」のページで、2026-10-19 に完成していた。 11時過ぎに始めたセッションは、帳簿なし版のシーンではなく、ほとんどがこの CF精算表のページで進んだ。 直接法を精算表の形で組めるのかという問いに、一度は答えが出たように見えて、最後まで形が定まらなかった。
ページの右側を Excel の画面に見立てる
最初の仕事は、CF精算表のページを Excel の画面に見立てることだった。
Claude Code に計画書(memo/2026-10-27/fs-cfws-excel-view-plan.md)を書かせ、Codex のレビューを通してから、判断事項3件を決裁フォームで答えた。
実装はそのまま Claude Code に任せ、ページの右側を4枚のシート(説明、仕訳帳、残高試算表、CF精算表)に作り替えた。
CF精算表の 531 を押すと、残高試算表の G4(531)だけが光る。
そこで借方合計の 4,310 を押すと、仕訳帳で借方が現金の6行だけが光る。
テストは 15件から 26件まで増え、コミットは 4d6a3b051 になった。
戻るボタンを、飛んだ先のセルの横に
画面を触っていて、気づいたことがある。 Excel にそんな機能はないのに、このページには「戻る」ボタンが付いていた。 これができるなら、Excel よりわかりやすくできるのではないか。
そこで、こう頼んだ。 531 から残高試算表へ飛び、次に売掛金の貸方合計の 600 を押して仕訳帳へ飛んだら、その 600 の右側に戻るボタンが出る。 残高試算表に戻ると、531 に戻るボタンもまだ右側に残っている。 どこから来てどこへ行ったのかを、セルの横にたどれるようにしたかった。
これを「セルの横に出る足あと」として Claude Code に作らせた。 飛んだ先のセルの右に「↩ CF精算表 D4」のようなボタンが出て、押すと元のセルへ戻る。 同じ回で直接法の CF計算書のシートも加わり、テストは 34件が通った。
途中でページの再読み込みが止まらなくなったので、3200番の dev サーバーだけを落として立ち上げ直させた。
直接法の違いは営業活動だけ
足された直接法のシートを見て、それは違うと伝えた。 自分が明確にしたかったのは、間接法と直接法の違いだけである。 その違いが出るのは、結局は営業キャッシュの作り方だ。 投資と財務は間接法と同じでよく、精算表の作り方も同じでよい。 営業だけを、債権の増減からではなく、仕訳(緑の文字のところ)から取ってくる。 イメージしていたのは、それだけだった。
本当は、財務と投資は返済予定表のようなものを作って、そこから参照するのがあるべき姿だと思っている。 ただ、それは Excel 編で扱う話なので、今回は省いた。
Claude Code は英語で理解を確かめ始めたので、「日本語でして」と頼んで書き直させた。 理解が合ったところで、直接法の CF精算表を作り直させた。 営業の列だけを仕訳帳から拾い、投資と財務の列の式は間接法と同じにする形で、テストは 36件が通った。
700 が売上原価を通っていない
作ってみて、わかったことがある。 この精算表パターンの直接法は、営業活動のところを拾うのがかなりややこしい。 たとえば商品仕入支出の 700 は、売上原価を通らずに出てくる。 これがすごく気持ち悪かった。
Claude Code の答えは、売上原価からも出せるというものだった。 商品仕入支出 = 売上原価 300 + 棚卸資産の増加 400 − 仕入債務の増加 0 = 700 で、仕訳から拾った数字と一致する。 そのうえで、営業だけが複雑になるのは「精算表の枠」と「仕訳から現金を拾うやり方」を混ぜたからだ、と説明してきた。
この説明には引っかかった。 投資にも、工具器具備品を未払いで買うパターンがある。 だから、そんなことはないと思った。
Claude Code は、自分の説明が間違っていたと認めた。 工具器具備品を未払金で買えば、投資でも同じことが起きる。 違いは「営業か投資か」ではなく、「現金と組む科目が、取引の中身を記録する科目と同じかどうか」だった、と言い直した。
取引シートを足して、精算表の作り方を直す
そうなると、結局シートが増える。 本来あるべき精算表の作り方に直すということだ。 借入なら返済予定表を作る、という意味である。 そちらをやらないと営業も合わなくなるのなら、最初の仕訳から直接作る直接法のほうがよいのではないか、という話にもなる。
Claude Code はこれを受けて、直接法はあくまで営業キャッシュの作り方の話で、投資と財務は間接法でも直接法でも総額で出す、と整理した。 取引シートを足す計画書を書かせ、Codex のレビューを通してから、判断事項3件の決裁フォームを開かせた。 作りは、取引シートを元データにする形に変わった。
- 取引シート(
取引_営業、取引_固定資産など)を元データにして、仕訳帳の金額はそこへの参照にする - 残高試算表に未払金を足す
- 投資と財務の式を、仕訳帳ではなく取引シートを参照する式に置き換える
- 直接法のシートは、営業を
取引_営業から、利息を借入のシートから拾う
テストには「仕訳帳が元の仕訳帳と一致する」と「未払金の場面」の2件を足し、38件が通った。
コミットは 89f90ac64 で、表示倍率の要望も同じコミットに入った。
思っていた取引シートとは少し違う
表示倍率と区分の色を直したあとも、ひとつ引っかかりが残った。 取引のところが、自分の思っていた形と少し違う。 このまま Excel で動かす動画を作っても意味がない、と感じた。
それでも、いま直したいわけではない。 いったんこのままにしておき、取引のところはあとで直す。 その代わりに、1回目の表もまた見られるようにしておいてほしいと頼んだ。
表示まわりの手直し
- 表示倍率: 「幅に合わせる」で仕訳帳が 200% まで広がり、縦がはみ出していた。Claude Code は表示を確かめずに報告していた。画面に収まる倍率で開くように直させ、仕訳帳は 110% で39行目まで収まった。−/+ はすべてのシートに付け、シートごとに覚えさせた(テスト 42件)
- 区分の色と斜線: 営業、投資、財務の色が落ちていたので戻させた。入りようがないマスの斜線も、1回目の版から復活させた(
d3b7c4bb0) - 表示の切り替え: 「Excel をダウンロード」の左に、Excel の画面と1回目の表を切り替えるボタンを付けさせた
- 参照元の矢印: 1回目の表で数字にマウスを乗せると、矢印のアニメーションで流れをつなぐ。最初の版は投資と財務の数字まで「増減から来た」ように引いていて、Excel の式と食い違っていた。Excel の「参照元のトレース」と同じく、参照元の1段だけに直させた(テスト 47件、
cdc74471e)。コミット前の Codex レビューの指摘は3件で、2件を直して1件はそのまま通した - ミラーカラム: 演習を開くとミラーカラムのレイアウトが消えていた。取引の欄(全てチェックなどのボタンと22件のカード)を、幅 360px のままチャプターの列に入れる自分の案で作らせた。最初のコミットは Codex のレビューで止まった。フォーカスを入れると取引の欄が消えて操作できなくなる、という指摘で、Claude Code も high と判定して直してからコミットした(
5b546788d)
帳簿なし版 No20 の減価償却費が飛んでいく先
12時過ぎに並行して開いた別のセッションでは、帳簿なし版に戻った。 No20 の減価償却費の計上で、札が5要素の箱ではない妙なところへ飛んでいく。 しかも減価償却費は3行あるのに、費用の箱にその3行が見えていない。
自分の案は、資産の箱を小さくして、負債と純資産の箱もそれに合わせて低くし、費用の箱を広げることだった。 Claude Code には、全取引で「どの箱に札が何枚入るか」を数えて箱の高さを決める形で実装させた。 最初の版ではまとめの回の画まで変わってしまったので、配り直しを取引1つ分の回だけに絞らせた。 6つの札がすべて箱に収まり、着地先が費用の箱の3行目になったことをブラウザで確かめさせた。
前払費用と前受収益の振り戻しをどこに置くか
No20 を見ながら、別のことが気になった。 決算を確定して翌期へ繰り越すとき、前受収益と前払費用の振り戻し(再振替)をどうするか。 自分の電子書籍の原稿では、特に何も触れていなかった気がする。 キャッシュフローに注目すると何も動かないので、省いたのだろう。
やるとしたら No26 に追加するのか。 Claude Code の指摘はこうだった。 再振替の日付は翌期首の 4/1 で、No24(5/31)や No25(6/30)より前になる。 番号を No26 にすると、日付の順と番号の順が逆になる。
それには、こう返した。 半年分の利息を 4/1 にまとめて計上する必然性は、月次で見ればない。 4/1 である必要がないなら、No26 でもよいのではないか。 Claude Code は No26 でよいと答えた。 前払いした利息 30 は翌期の何か月かにわたる費用で、期首にまとめて戻す再振替は帳簿の手間を減らす手続きにすぎない、というのが理由の一つだった。
ただ、No26 を作りたいわけではない。
論点としてはあるよね、という話である。
作らなくてよいと考え、計画書に保留として残させた(memo/2026-10-26/fs-story-nobooks-plan.md の §7-1)。
一度は、No23 に入れてもおかしくないとも考えた。 No23 は決算を確定して翌期へ繰り越す回で、期首の残高を開始仕訳で引き継いでいるからだ。 けれども、No23 は開始仕訳を投入する回で、再振替仕訳はそれとは別の仕訳になる。 しかも、再振替仕訳は自動では入らない。 結局 No23 には入れず、保留のままにすると決めた。 No26 に「入れ忘れていた」形で入っていてもおかしくはないが、それもいまは作らない。
§7-1 を書き直させてコミットした(d93eaa9b1、push はしていない)。
コミット前の確認は、24回(No01〜25 から No23 を除いたもの)のすべてで通った。
学びメモ
- 直接法と間接法の違いは、営業キャッシュの作り方に出る。投資と財務は、どちらでも総額で出す
- 仕訳から現金を拾いにくいかどうかは、「営業か投資か」では決まらない。現金と組む科目が取引の中身を記録する科目と同じかどうかで決まる。工具器具備品の未払金が反例になった
- 再振替仕訳は CS が何も動かない。論点として計画書に残し、シーンは作らない
取引シートの形は、まだ自分の思い描いたものになっていない。 あとで直すつもりで、いまはまだ手を付けていない。