バックオフィスAIセミナーの問いを一本に絞る — AX 5ステップのSVG図解化と資料の全面改稿

開発mdx-playground

社外向けのバックオフィスAIセミナーを準備している。今日はそのドラフトをClaude Codeにレビューさせたら「問いが3つ積み重なっていて、タイトルが背負っている問いが一番弱い」と返ってきて、そこから資料の全面改稿に踏み切った。あわせて、松尾研のAX 5ステップ図をSVG図解にして独立記事に切り出し、最後はセミナー資料にも逆輸入した。

やったことの全体像:

  • 松尾研のAX 5ステップ図をSVG化し、独立した公開記事にした
  • セミナードラフトの問いを「相談相手から実務担当へ」の一本に絞った
  • チラシをバージョン2として作り直し、旧2枚は非表示にした
  • 記事本文とスライドを新しい問いに合わせて全面改稿した(+421/−457行)
  • ITmediaのエージェント事例を読み込ませ、独立記事にもう1本切り出した
  • AX図を「まずは全社でAX2まで到達する」に改題してセミナー資料へ追加した

朝一: AX 5ステップ図をSVGにして独立記事に

松尾豊教授のAX 5ステップの図(スクリーンショット)を貼り付けて、svg-diagramスキルで整理させた。指示したのは3点。

  • 5ステップ×企業規模ごとの意義という情報構造は保持する
  • メッセージラインは自分の文脈(事務所・中小企業の視点)に書き換える
  • GDP押し上げ効果のくだりは落とす

これを独立した公開記事にした(松尾研のAX5ステップ)。

作らせてみると、検証の往復が本番だった。

  • Chrome DevTools MCPで描画確認をさせたら、サブタイトルが右端で切れているのを自分で拾って、2行に分けてviewBoxを52px伸ばして直してきた
  • 出典として推測の日経URLを書きかけたが、「確証のないURLは出さない」ルールが効いてその場で削除された
  • 画面を見ると、5つのステップが繋がって1枚の帯に見えた。行間に8pxのギャップを入れさせて、ステップごとに切り離した
  • ヘッダーと本体の間にも同じギャップを入れさせ、元図にあった「企業規模ごとの意義」のラベルが抜けていたので復元させた
  • 中堅〜中小の列はセルの結合を調整させた。「最低限の業務効率化」をAX2の中央まで、「競争力の源泉」をAX4の中央まで縦断させ、意味を持たない空のグレーセルは削除して白背景にした

一番こだわったのは、松尾氏の元資料にある「ここを起点に広げる」という注記の再現だった。AX1〜AX2の起点ゾーンをマゼンタの破線枠で囲ませたうえで、破線枠からAX3・AX4・AX5を貫く太い矢印を重ねさせた。矢印はopacity 0.32に落として、背後のステップ名(業務プロセス刷新・独自AI開発・高度AI開発)が透けて読める状態を保っている。

図解のレビューは、画面の違和感を拾うのが人間の係で、直すのがAIの係という分担に落ち着く。本文のほうはhonda-sakubunスキルで校閲させ、修正2点で済んだ。

セミナードラフトの問いレビュー — 「相談相手から実務担当へ」

セミナードラフトのレビューは、イシュー設計の観点から頼んだ。イーロン・マスクの「正しい答えより正しい問いを立てることの方が重要」という話のとおり、イシューを見極められていれば20〜30秒でセミナーの課題を説明できるはずなのに、今のドラフトはそこが弱い。答えを出せる範囲で最もインパクトのある問いを選びたい、という依頼にした。

診断は明快だった。

  • 問いが3つ積み重なっていて、どの問いがこのセミナーのオーナーなのか決まっていない
  • タイトルが背負っている問いは、3つの中で一番弱い
  • 20〜30秒で説明できないのは構成力の問題ではなく、問いの未決定の問題

デモを事後的に弱めて見せていたことも、この診断と同じ根っこにあると自分でも認めざるを得なかった。聴き手は従業員数人の会社で生成AIを使い始めようとしている経営者なので、「組織に浸透しない」という問いも他人事ではないのだが、それでも軸にはならない。

軸に据えたのは「チャットとエージェントの違い」。生成AIを相談相手として使うのではなく、実務担当として使う——この一本に絞ると、デモの寄せ方も、ナレッジベースの位置づけも、矛盾していたセクションの扱いも、全部同じ線に乗った。書き直させた20〜30秒ピッチは、そのまま使えると思えた。

チラシのバージョン管理と、削除で研ぎ澄ます改稿

新しい問いを反映して、セミナーチラシのレイアウトをバージョン2として作り直させた。旧バージョン2枚は削除せず、ページ上で非表示にするだけに留めた。Gitに履歴が残るから、消すのはいつでもできる。チラシSVGはXMLパース検証とスクリーンショットの目視確認までがセット。

続けて、記事本体の全面リライト。「なぜ生成AIは組織に浸透しないのか」のような、新しい問いから外れるセクションは全部削除させた。コミットは+421/−457行——足した行より消した行のほうが多い改稿になった。

通しスライドも新構成に追従させた。

  • 新規SVGを6枚作成、既存5枚を新しい問いに合わせて修正
  • 旧イシュー系の13枚をデッキから外して18枚構成に
  • 途中でBashの分類器が一時エラーを起こしたが、読み取り専用のGrepでエスケープ検証を代替させて、待ち時間に確認作業を先に進めた

公開まわりも整理した。ドラフトページはプライバシーチェックをかけたうえで公開に切り替え、スライドページはnoindexとサイトマップ除外を付けて限定公開にした。noindexはdevサーバーの実HTMLで <meta name="robots"> の出力まで確認させている。この変更で既存テストが2件落ちたので、テストと実態のどちらが正なのかを確認させてから直し、コミットは限定公開化とテスト追従の2つに分けた。

「記憶する」を知識と手順の2本柱に

改稿の途中で、セミナーの核である「もう一人の実務担当の3条件」のうち「記憶する」を掘り下げた。作業の記憶だけでなく、社内事例や顧客カルテのような共有ナレッジベースを参照し、そこに蓄積できることも「記憶する」に含まれる、と自分から補強した。

さらに、コーディングエージェントはスラッシュコマンドやスキルとして手順を覚えさせられ、チェーン化して定期実行までできる——という話をぶつけたら、「記憶する対象は知識(ナレッジベース)と手順(スキル化→チェーン化→定期実行)の2本柱」という構造に整理されて返ってきた。記事の該当セクションと、スライドの3条件SVGの両方を更新させた。

「一度教えれば忘れず、マニュアルを自分で書き、毎月言われなくても回す新人」。このメタファーは、そのままセミナーで使う。

質疑応答のたたき台にも1問足した。プログラミングができる必要はないが、強力なAIが出てくる時代にこそプログラミング教育は要る——プログラミングは論理的に考える力を教えることにほかならず、電卓があっても算数や暗算の力は要るのと同じ。ザッカーバーグの電卓のたとえを引いて、独立したQ&Aとして追記させた。

ITmediaの記事をセミナーの問いにぶつける

ITmediaの記事(非エンジニアの営業担当が自分の1日を5つのAIエージェントに分担させている事例)を読み込ませた。WebFetchが文字化けしたので、r.jina.aiプロキシで取り直させたら通った。

読んでみて、この事例はセミナーの問い「相談相手ではなく実務担当としてエージェントを使う」から外れていないと確認できた。一方で、メール返信の自動生成のような話は、中小企業に当てはめるには個別すぎるとも感じた。考えているうちに気づいたのは、経営者の1週間・1ヶ月の定期業務を棚卸しすれば、そのほとんどにエージェントを噛ませられるということ。個別の業務例から入るのではなく、棚卸しから入る。

セミナーには「1業務だけ選ぶ」の手前に棚卸しフェーズを足す方針を決め、この題材自体は独立記事に切り出した(営業マンの5エージェント時間割)。業務フロー図は、トリガー×処理×出口の3列を5レーン並べたスイムレーン形式でSVG化させている。

AX図をセミナーに逆輸入

夕方に気づいた。朝作ったAX 5ステップ図を、肝心のセミナー資料に入れていない。タイトルを「まずは全社でAX2まで到達する」に変えた版を作らせて、セミナー資料に追加した。AIを前提とした業務プロセスに刷新しないと、結局ボトルネックが移動するだけになる——という話の足場として使える。ついでに、AXが何の略なのかも確認してもらった。

今日のセミナー関連はあわせて4コミット。朝の図解1枚から始まって、問いの絞り込み、チラシと本文とスライドの全面改稿、独立記事2本まで一気に進んだ。

学び

  • 20〜30秒で説明できないのは構成力ではなく、問いが決まっていないから。問いを一本に絞ると、デモ・チラシ・スライドの判断が全部同じ線に乗る
  • 削除はGitがあると思い切れる。+421/−457の改稿は「足す」より「消す」で研ぎ澄まされた
  • 図解のレビュー往復は、画面の違和感を拾うのが人間の係、直すのがAIの係。行間8pxのギャップひとつで図の読みやすさが変わる
  • WebFetchが文字化けしたら r.jina.ai プロキシ。フォールバック順序を仕込んでおくと、その場で止まらない
  • 作った図解は作りっぱなしにせず、本命の資料に組み込むところまでがワンセット