決算ビートスキャン(2026-09-09): 実績の大幅ビートは7銘柄、売上・EPSのガイダンスで5%超えはゼロ

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決算ビートスキャン(2026-09-09)

対象の窓は 2026-09-08 の引け後から 2026-09-09 の引け後まで。通常は前日1セッション分だけを見るが、9月9日にこのスキャンを回していなかったため、9月8日引け後の発表も取りこぼさないよう1セッション分だけ広く取った。NVDA / MU / SNDK は別ルートで取り込み済みのため除外している。

サマリ

売上と EPS のガイダンスでコンセンサスを +5% 以上上回った銘柄はゼロだった。 実績の EPS が二桁ビートした銘柄は7つあるが、そのうち会社が示した売上・EPS の見通しがアナリスト予想をはっきり超えていたものは無い。株価の反応が銘柄ごとに割れたのは、この差がそのまま出た結果になる。

ひとつだけ例外がある。ODD は EPS のガイダンスを出さず調整後EBITDA で示しており、その通年ガイダンス $30M〜$32M は発表前予想の $10.7M に対して約3倍にあたる。売上・EPS ではなく利益指標での上回りなので、上の判定からは外してある。

ガイダンスを引き上げた銘柄(4件・いずれもコンセンサス比は +5% 未満)

銘柄引き上げた項目コンセンサス比株価反応
SIG(シグネット・ジュエラーズ)通年 調整後EPS+4.3%+22%
ODD(オディティ・テック)通年 売上+4.5%+22%
ASO(アカデミー・スポーツ)通年 調整後EPS+4.0%+13.8%
NAVN(ナヴァン)通年・次Q 売上+2.1% / +2.3%時間外 -11〜-15%

実績は大幅ビートだが、ガイダンスは据え置きまたは実質横ばい(3件)

銘柄実績EPSのサプライズガイダンス株価反応
AVAV(エアロバイロンメント)+138.0%通年据え置き、コンセンサス比 -1.2%時間外 +3〜+3.6%
AEO(アメリカン・イーグル)+259.1%通年営業利益の引き上げは関税還付 $161M を含んだもの時間外 -10〜-11%
CASY(ケーシーズ)+8.4%通年据え置き翌セッション -14%

NAVN が分かりやすい例で、売上・利益とも予想を上回り通年見通しも引き上げたのに、時間外では二桁下げた。伸び率が市場の期待に対して物足りなかったという読みが多い。逆に SIG は通年 EPS の引き上げ幅が大きく、自社株買いも同時に出したため素直に買われた。

SIG シグネット・ジュエラーズ

SIG(Signet Jewelers)は世界最大級のダイヤモンド宝飾小売りで、米国で Kay Jewelers・Zales・Jared などのチェーンを展開する。婚約指輪と記念日向けの需要が業績を左右し、既存店売上高の動きが最も注目される指標になる。

シグネット・ジュエラーズの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績・会社ガイダンスを比較した棒グラフ
図1: 通年EPSは引き上げたが、売上の見通しはコンセンサスをわずかに下回る
  • 発表: 2026-09-09(寄り前)、2Q FY2027
  • 実績: 調整後EPS $2.19(前年同期比 +36%)、売上 約$1.5B でほぼ横ばい、既存店売上高 +2.2%
  • 実績EPSのコンセンサスは出典によって $1.15 と $1.72〜$1.74 に割れている。 図では複数の投稿が一致した $1.73 を採り、サプライズ率を +26.6% とした。$1.15 を採れば +90% になる
  • 通年 調整後EPS ガイダンスを $10.45〜$12.15 へ引き上げ(従来 $9.20〜$11.00)。通年売上は $6.7B〜$6.9B で据え置き
  • 既存店売上高の見通しを 横ばい〜+2.5% へ改善(従来 -0.75%〜+2.5%)
  • 1億2,500万ドルの自社株買いを発表

Source: → ガイダンス引き上げ(@StockStormX) / → 次Q・通年の内訳(@CHItrader) / → 自社株買いと株価反応(@oninvest_tech)

ODD オディティ・テック

ODD(ODDITY Tech)はイスラエル発のオンライン専業ビューティー企業で、IL MAKIAGE と SpoiledChild を自社サイトで直販する。実店舗を持たず、独自のアルゴリズムで顧客の肌や髪を診断して商品を提案する仕組みを収益の中心に据えている。

オディティ・テックの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績・会社ガイダンスを比較した棒グラフ
図2: 大幅な減収局面だが、利益の見通しは事前予想を大きく上回る
  • 発表: 2026-09-09(寄り前)、2Q 2026
  • 実績: 調整後EPS $0.20(コンセンサス $0.12、+66.7%)、売上 $180.5M(コンセンサス $178.0M、+1.4%)。売上は前年同期比 -25% の減収
  • 通年売上ガイダンスは前年比 約-19%、金額にすると 約$656M。発表前のコンセンサス $627.6M に対して +4.5%
  • 通年の調整後EBITDA ガイダンスは $30M〜$32M。発表前予想の $10.7M に対して3倍近い
  • 次Q(3Q)は売上が前年比 約-5%、調整後EBITDA $18M〜$20M。EPS のガイダンスは出していない
  • 2Q の粗利率は 68.7%

減収そのものは続くが、減収幅の縮小ペースと利益の水準が市場の想定を上回った形になる。

Source: → 次Q・通年ガイダンスの原文(@MartyChargin) / → EBITDA と事前予想の比較(@EmmanuelInvest) / → 実績と株価反応(@Signal8Ai)

ASO アカデミー・スポーツ・アンド・アウトドアーズ

ASO(Academy Sports + Outdoors)は米国南部を地盤とするスポーツ用品・アウトドア用品の小売チェーン。狩猟や釣りの用品の構成比が高く、一般的なスポーツ量販店とは品揃えの性格がやや違う。

アカデミー・スポーツの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績・会社ガイダンスを比較した棒グラフ
図3: 売上はコンセンサス並みにとどまり、利益だけが伸びた四半期
  • 発表: 2026-09-09(寄り前)、2Q FY26
  • 実績: 調整後EPS $2.31(コンセンサス $2.08、+11.1%、前年同期比 +19.1%)、売上 $1.647B(コンセンサス $1.655B、-0.5%)
  • 通年 調整後EPS ガイダンスを $6.50〜$6.90 へ引き上げ(従来 $6.40〜$6.80)。発表前コンセンサス $6.44 に対して +4.0%
  • 通年売上ガイダンスは $6.23B〜$6.36B で据え置き
  • 関税の還付が EPS に 約$0.06 寄与したと会社は説明している
  • 2Q の粗利率は 40.4%

売上が伸びていないのに利益だけが伸びており、その一部は関税還付という一過性の要因である。ここは翌四半期以降の持続性を見る必要がある。

Source: → 通年ガイダンスの引き上げ幅(@Redknight8811) / → 実績の内訳(@stock_duty) / → 株価反応(@Signal8Ai)

NAVN(Navan)は出張の予約管理と経費精算を1つにまとめた法人向け SaaS を提供する。旧称は TripActions で、企業の出張ポリシーに沿った予約と、そのまま経費として処理される決済を組み合わせているのが特徴になる。

ナヴァンの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績・会社ガイダンスを比較した棒グラフ
図4: 実績もガイダンスも予想超えだが、上回り幅は数%にとどまる
  • 発表: 2026-09-09(引け後)、2Q FY2027
  • 実績: 売上 $232.8M(コンセンサス $220.4M、+5.6%、前年同期比 +35%)、調整後EPS $0.05
  • 実績EPSのコンセンサスは食い違っている。 X 上で流通した数字は $0.01 だが、Koyfin の同四半期のコンセンサスは $0.039 だった。図では X 側の $0.01 を採ってサプライズ率 +400% と表示しているが、Koyfin を採れば +28% になる
  • 次Q(3Q)売上ガイダンス $253M〜$255M。コンセンサス $248.3M に対して +2.3%
  • 通年売上ガイダンスを $927M〜$933M へ引き上げ。コンセンサス $911.2M に対して +2.1%
  • EPS のガイダンスは無し。非GAAP営業利益で 次Q $35.5M〜$36.5M(利益率 約14%)、通年 $82M〜$86M(約9%)を提示
  • 株価は時間外で -11〜-15%

増収率35%でガイダンスも引き上げているのに売られた。上回り幅が数%にとどまり、成長株に対する期待水準に届かなかったという読みが投稿の多数派だった。

Source: → 次Q・通年ガイダンスの内訳(@truegrids) / → 実績とサプライズ率(@fundspec) / → 売られた理由への言及(@beqdn8) / → 通年見通しの引き上げ(@Enkhmanal)

AVAV エアロバイロンメント

AVAV(AeroVironment)は小型無人航空機と徘徊型弾薬を手がける米国の防衛関連メーカー。Switchblade シリーズなどが知られており、各国の軍需と米国防総省の調達サイクルが業績を動かす。

エアロバイロンメントの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績・会社ガイダンスを比較した棒グラフ
図5: 実績は大幅ビート、それでも通年見通しは据え置きでコンセンサスをわずかに下回る
  • 発表: 2026-09-09(引け後)、1Q FY2027
  • 実績: 調整後EPS $0.59(コンセンサス $0.248、+138.0%)、売上 $480.5M(コンセンサス $456.1M、+5.4%)
  • 受注残は $1.5B で前年比 +37%
  • 通年ガイダンスは据え置き。売上 $2.1B〜$2.2B、調整後EPS $3.02〜$3.34、調整後EBITDA $305M〜$325M
  • 据え置いた通年ガイダンスの中央値は、コンセンサスに対して売上 -1.8%、EPS -1.2% とわずかに下回る
  • 株価は時間外で +3〜+3.6%

実績のビート幅は今回の7銘柄で最大級だが、通年を据え置いたため株価の反応は小さかった。受注残の積み上がりを評価するか、ガイダンスを上げなかったことを警戒するかで見方が割れている。

Source: → 通年ガイダンスの据え置き(@ValueCroc) / → 実績の内訳(@notreload_ai) / → 据え置きへの評価(@Stonefoxcapital)

AEO アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ

AEO(American Eagle Outfitters)は米国のカジュアル衣料チェーンで、主力の American Eagle と下着・ラウンジウェアの Aerie が2本柱になる。若年層向けのため、既存店売上高と値引き率の動きが利益を大きく振らす。

アメリカン・イーグルの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績を比較した棒グラフ
図6: EPSは3.6倍のビートだが、その中身も通年の引き上げも関税還付によるもの
  • 発表: 2026-09-09(引け後)、2Q FY2027
  • 実績: 希薄化後EPS $0.79(コンセンサス $0.22、+259.1%)、売上 $1.38B(コンセンサス $1.372B、+0.6%)
  • 通年の売上ガイダンスと EPS ガイダンスは数値で出していない
  • 2Q に IEEPA(国際緊急経済権限法)関税の還付を 1億9,600万ドル受け取り(利息を含む)、営業利益への純寄与は 1億6,100万ドルだった。会社は営業利益率の拡大 1,170ベーシスポイントがこれによるものと説明している
  • 通年の営業利益見通しを $540M〜$550M へ引き上げた(従来 $390M〜$410M)。ただし新しい見通しは、この関税還付の影響を含んだ数字である(会社は「すべてのガイダンスは IEEPA 関税還付の影響を含む」と明記している)。中央値 $545M から純寄与 $161M を引くと $384M で、従来ガイダンスの中央値 $400M を下回る
  • 次Q は既存店が mid-to-high single digits、粗利率は前年並み、営業利益 $110M〜$115M
  • 株価は時間外で -10〜-11%

サプライズ率だけを見ると今回いちばん派手だが、中身は一過性の還付である。ガイダンスの引き上げ幅も同じ理由で見かけ倒しになっており、時間外で売られたのはそこを読まれた結果になる。

Source: → 会社の決算リリース(AEO Investor Relations) / → 引き上げ幅の分解(@Market_Alpha_) / → 実績の数値(@FazeUinz) / → 次Qガイダンスの内訳(@insiderwave)

CASY ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズ

CASY(Casey's General Stores)は米中西部を中心に展開するコンビニエンスストア兼ガソリンスタンドのチェーン。店内で焼くピザなどの調理食品の粗利と、燃料の販売マージンという2つの利益源を持つ。

ケーシーズ・ゼネラル・ストアーズの売上高とEPSについて、コンセンサスと実績を比較した棒グラフ
図7: 燃料マージンで利益は伸びたが、店内既存店の伸びが期待に届かなかった
  • 発表: 2026-09-08(引け後)、1Q FY2027(7月終了)
  • 実績: 調整後EPS $7.37(コンセンサス $6.80、+8.4%、前年同期比 +28%)、売上 $5.68B(コンセンサス $5.56B、+2.2%)
  • 通年の売上・EPS の数値ガイダンスは出しておらず、既存の見通しを据え置いた。店内既存店 +2〜+5%、店内粗利率 42%超、燃料販売数量 -1〜+1%、営業費用 +5〜+7%、EBITDA成長 +8〜+10%
  • 店内既存店の伸びは +3.2% で、市場が期待した水準には届かなかった
  • 翌セッション(9月9日)の株価は -14%

利益のビートは燃料マージンが主因で、本業と見なされている店内売上の伸びが弱かった。ガイダンスの据え置きと合わせて、ビートしたのに大きく売られた典型例になっている。

Source: → 通年ガイダンスの項目(@marketsday) / → 店内既存店の見通し(@Briefingcom) / → 売られた理由の分解(@Morpheu5Watcher)

除外した銘柄

  • CNM / SAIL / CHWY / CGNT / OCC / SUNB: 窓内に決算を出しているが、EPS サプライズが5%未満、または内容がコンセンサス並みだったため抽出基準を満たさない。CHWY はガイダンスを引き上げたものの実績が並みで、株価は下げた
  • TTAN / BRZE: ビートとガイダンス引き上げが伝えられたが、決算の発表日が窓内であることを確定できなかったため除外した。窓外の過去決算が語られているだけの可能性を排除できない
  • NVDA / MU / SNDK: 別ルート(check-earnings)で取り込み済みのため対象外

注意

  • 銘柄の抽出と会社ガイダンスの数値は x-search(Grok)の要約に基づく。確定値は各社の決算リリース本文と 8-K で確認すること
  • コンセンサスは Koyfin から取得した。ただし取得したのは決算発表の後なので、発表を織り込んで既に改定されている銘柄がある。ODD は Koyfin の通年売上コンセンサスが会社ガイダンスとほぼ同値になっており、この記事では発表前のコンセンサス $627.6M を比較対象に採った
  • サプライズ率は「会社ガイダンスの中央値 ÷ コンセンサス - 1」で計算している。会社がレンジで示した項目は、レンジそのものを各銘柄の箇条書きに残した
  • 対象の窓は 2026-09-08 の引け後から 2026-09-09 の引け後まで。検索期間は 2026-09-09 から 2026-09-10 まで
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