決算ビートモニタリングにAMKR(Amkor Technology)を追加 — ガイダンス売上の棒が下を向いた理由を確かめるまで

開発beat-monitoring

朝いちで打ったのは一行だけだった。/add-ticker AMKR。半導体の後工程(組立・パッケージング・テスト)を受託するOSATの2番手、Amkor Technologyを決算ビートモニタリングに1本足す。あとはコマンドが回るのを眺めていればいい、はずだった。

実際に手が止まったのは最後の最後、devで開いたチャートの棒1本だった。

1銘柄追加が通る道筋

/add-tickerで1本足すとき、内側ではこれだけの工程が直列と並列で混ざって動く。

  • 重複チェック(tickerMeta・既存JSONに登録がないか)
  • 決算ビート履歴のリサーチとJSON組み立て
  • Koyfin KIDの解決 / SEC CIKの確認 / Tursoの tickers テーブルへ登録
  • valuation.ts の再生成
  • summaries.ts の再生成
  • devでの表示確認

リサーチは期間で3つに割って、サブエージェント(Opus)を並列で派遣した。Aが2024年Q3〜2025年Q1、Bが2025年の3四半期、Cが2026年ぶんと基本情報。

Aが先に返ってきた時点で、この銘柄の顔つきが少し見えた。2024年後半から2025年前半にかけて次Qガイドを下げ続けていて、Q4 2024の発表翌日は-11.3%で終わっている。ガイドダウン連発の時期がはっきり残っている銘柄だ。tierをどこに置くかはここでは決めず、2025年後半以降の回復をCが持ち帰るまで保留にした。

待ち時間は空けておく必要もない。先にKoyfin側の前提を潰させた。KIDを検索APIで解決し、CIK 0001047127を突き合わせて、Tursoに永続化。リサーチが揃うころには、valuationを生成する足場ができていた。

途中で拾った小石

  • cwdが apps/web に移っていて、確認コマンドが空振りした。絶対パスで叩き直させた
  • テストが2件落ちた。中身を確認させて切り分けた
  • セッション上限に当たって、11時のリセットまで手が止まった

このあたりは毎回どこかで1つは出る。工程が長いぶん、途中で状態がずれる箇所も増える。

画面を見て、データを疑った

続きを再開させて全ステップが終わり、devでAMKRの個別ページを上から下まで見た。実績のビート率が並ぶチャートは、どの四半期も上を向いている。売上もEPSも軒並みプラス。

その隣、ガイダンスのチャートに移ったところで、棒が1本だけゼロを割って下に伸びていた。

最初に疑ったのは自分たちのデータのほうだった。実績とガイダンスを取り違えて入れたんじゃないか。ビートが並ぶ流れの中で、ここだけ下を向く理由が思いつかない。ただ、目を戻して並びを追い直すと、実績側の棒はきちんと実績の位置に立っている。取り違えなら実績側にも影響が出るはずで、そうはなっていない。

それで、数字を横に並べさせた。

実績は全部ビート、次Qのガイドだけミス

Q2 2026(2026/7/27発表)の中身はこうなっていた。

項目会社コンセンサス
売上(実績)$1.898B$1.82B+4.3%
EPS(実績)$0.70$0.47+48.9%
次Q売上ガイド$2.00B$2.11B-5.2%
次Q EPSガイド$0.77$0.66+16.7%

売上は過去最高を更新し、EPSはコンセンサスの1.5倍近くを出している。それでも次Qの売上ガイドだけがコンセンサスに5%届かず、時間外で-7.1%まで売られた。SiPのベトナム移管と、メモリ価格の高騰によるAndroid側の数量制約が効いた、という説明が付いている。EPSガイドも粗利率レンジも上振れているのに、売上ガイドの一点だけで株価が落ちた格好だ。

棒が下を向いていたのは、データが壊れていたからではなく、会社が出した数字がそういう形をしていたからだった。疑いは晴れたが、晴れ方が想定と逆だった。

tierは最終的に「ビート継続・成長期待」に置いた。TSMCアリゾナの10年契約(2026/6)と、決算の4日前に出たNVIDIAとの$1.5B複数年契約が入ったあとの顔つきとして、ガイドダウン連発の時期と同じ棚には置けない。

残したメモ

nextCloseは暫定値のままにしてある。7/27はAMC発表で、翌営業日の米国セッションがまだ開いていない。時間外の最終約定$56.42(-7.1%)を入れて、正規終値が確定したら差し替える、とJSON側にも書き残した。

拾ったこと

  • ビート率の見出しだけ追っていると、この銘柄を「ずっとビートしている会社」で片付けてしまう。株価を動かしていたのは、実績ではなく次Qの売上ガイドのほうだった
  • 画面に違和感が出たとき、先に自分たちのデータを疑う癖がついている。今回は事実の側がそういう形だった。どちらかに賭ける前に、実績とガイドの数字を横1列に並べさせるのが早い
  • 疑ったこと自体は無駄にならない。取り違えていない確認が取れて、ページの中身をもう一段信用できるようになった

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