2026年8月11日の開発日記 - 起動しただけで消えるコンテキストと、消えたと思って消えていなかったもの
2026年8月11日の開発日記
朝いちばんに気になったのは、まだ何もしていないのにゲージが減っていることだった。
セッションを開いた時点で15%ほど消えている。長く続ければ足りなくなるのは分かるが、開いただけで削られるのは別の話だ。内訳を実測させたところ、常時読み込まれるルールファイルが起動時の3分の2を占めていた。
そこから始まって、「置き場所」と「見つけ方」を組み替える一日になった。ルールをどこに置くか、積み残しをどう見つけるか、図解60型をどう並べるか、非公開の記事をどこまで非公開にするか。どれも新機能ではなく、散らかったものを片付ける作業である。
この日くり返し出てきたのは「消えたと思ったものが、消えていなかった」という発見だった。
今日のタイムライン

今日やったこと
1. 起動時のコンテキストを実測して、ルールの置き場所を変えた
/context で実測させたら、常時読み込まれるファイルは29本で70kトークン、起動時102.8kの68%を占めていた。ルールを1本足すたびに、以後すべてのセッションの持ち分が恒久的に減る構造になっていたわけだ。
削除ではなくアーカイブにするよう指示した。消す操作は、他のものまで巻き込む確率が上がる。
主な成果:
- 実測のベースラインを保存し、計画書をその数字に合わせて較正
- プロジェクト側のルール5本を
references/へ退避し、旧パス参照を全件更新 - 検証スクリプト3本を追加。ただしそれ自体が
git checkoutで自壊していたので、改行に依存しない形へ直した - 効果測定を実測値で記録し、Codex で完了レビュー
詳細: 起動しただけで1割持っていかれるので、ルールファイルの置き場所を変えた
2. 「積み残しってありますか」をコマンドにした
毎朝これを口で聞いていた。そのたびに探し直すのが無駄なので、コマンドにすることにした。
まず現状を棚卸しさせたところ、memo/ の未チェックが148ファイルに1,669件あった。目視で追える量ではない。そこで、計画書のH1直下にHTMLコメントで状態ブロックを置き、機械が読める形で「今どの局面か」を持たせる規約を作った。
途中でひとつ、譲れない線が見えた。status: done を根拠にチェックを一括で埋めてはいけない。31項目のうち3項目が未了でも、一括更新はそれを消してしまう。放置された積み残しは未チェックのまま翌朝も見つかるが、埋めてしまった3件は二度と浮かんでこない。
主な成果:
- 状態ブロックの規約とスキャナを追加
- 判断が必要な6件は、ターミナルではなく、計画書に埋め込んだ3択ボタンで回答
- Codex のレビューを3回受け、項目単位の進捗・判定材料・実行契機・生成物の二重計上を潰した
- issue は git 追跡に戻したうえで、片付いたものを
_archive/YYYY-MM/へ移す運用に変更 - デプロイ先を master 明示にし、buildId の照合を追加
詳細: 「積み残しってありますか」を毎朝聞かずに済ませるための状態ブロック
3. 図解60型のグリッド整列と、統合カタログの新設
前日に直したはずのフレームワーク図が、直る前の姿で並んでいた。
座標を突き合わせて取り違えではないことを確かめ、別セッションに事実確認を投げた。返ってきたのは「Codex の指摘を受けて組み直し案を取り下げていた」という話で、意図した削除ではなかった。B案を1つだけ戻して見比べ、自分が見たものと同じだと確認してから復元した。
午後には60型を1つのカタログにまとめ、重複を判定する一覧を作った。33系と27系を同じページに置けるかを調べたら、そもそも比率が揃っていない。実測すると viewBox は13種類あった。
主な成果:
- 図解60型をグリッドに整列させた記録ページを追加
- 取り下げられていた3ファイル4ブロックを復元
- 33型を整列版へ差し替え、グリッド表示のトグルを追加
- 統合カタログを新設し、重複の候補を一覧化
- 夕方には、専門特化の向きが反転することを示すビフォー/アフター図を1枚
詳細: 図解60型のグリッド整列を記録に残し、統合カタログを新設した
4. スキルの配布を zip から MCP サーバー経由に切り替えた
zip で配ると、更新のたびに「再ダウンロードしてください」と言うことになる。相手の手元にあるコピーが本体になってしまうためだ。
本文をサーバー側に置き、呼ばれたときに渡す形にした。テスト用のスキルを1本配り、受け手側で取得・保存・版の切り替えまで確かめた。
主な成果:
- 配信の疎通を確かめ、受け手が本文を取り寄せて保存できることも確認
- 版を差し替えると、受け手が何もしないまま新しい版に切り替わることを実測
- 旧版を名前で指名して呼べることも確認
- この検証をもとに記事を1本
詳細: スキルの配布をzipからMCPサーバー経由に切り替えた
5. 家業の鍵屋サイトのロゴを黄金比で作り直し、改行コードの食い違いを直す
検索順位の定点観測を続けたあと、地図側の登録名と構造化データの事業者名が揃っていないのを直した。屋号の名乗り方は、検索に出したい地名を頭に並べる案と、実際に電話で使っている短い名前に揃える案とで迷い、短いほうへ寄せた。
ロゴは幾何学的に作り直させた。条件は「円や黄金比で比率を取ったことがグリッド線で確認できること」。3案を出させ、Codex にも意見を聞いたうえでA案を採った。
途中で、改行コードの食い違いが表に出た。作業ツリーはCRLF、リポジトリはLF。この状態でLF前提のスクリプトが既存ファイルを書き戻すと、中身を変えていないのに全行が差分になる。
主な成果:
- 構造化データの事業者名を登録名に合わせ、sitemap の更新日判定を git diff ベースへ
- ロゴをA案で確定し、ファビコン一式とヘッダーの差し替えまで
.gitattributesを足してLFに統一し、正規化コミットを blame の除外リストへ- 生成スクリプトを、書き戻す先の改行に合わせる形へ修正
詳細: 家業の鍵屋サイトのロゴを黄金比で作り直し、改行コードの食い違いを直す
6. 非公開にしたのは本文だけだった
下書きの記事を非公開側へ移すよう指示したところ、本文はビルドから外れるが画像は public/images/ に残ったままだと分かった。つまり本番に出ていた。
仕様を変えようとして調べたら、同じ仕組みがすでにミドルウェアに実装されていた。使っていなかっただけである。
主な成果:
- 非公開記事8本ぶん、18ファイルを
_local-unpublishedへ移動 - 公開記事867件の画像参照を全数検証し、破損ゼロを確認
- lint に検査を足し、pre-commit で止まるようにした
- 並行して公開記事を2本(AIインフラの資金調達/AIエージェント向けブラウザ)
詳細: 非公開にしたのは本文だけだった
そのほか
- ThinkPad のトラックポイントとキーボード: スリープ復帰後にスクロールと中クリックが効かなくなる件を調べ、公開記事にまとめた(記事)
- Chrome拡張: X の Spaces の URL を渡して落とせるかを確かめ、音声ダウンロードに対応させた
今日の試行錯誤
| # | テーマ | 試したこと | 結果 | 気づき |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 起動時コンテキスト | /context で実測させ、内訳を出させた | 成功 | 常時読み込み29本で70k、起動時の68%。感覚ではなく数字で見ると置き場所の問題だと分かる |
| 2 | ルールの移行 | 移行後の検証スクリプトを回した | 失敗 | git checkout で作業ツリーの改行が変わり、検証が自壊していた。改行非依存に直して解決 |
| 3 | 消えた図 | 前日直したはずの図が戻っていたので、取り違えを疑って座標を照合 | 取り違えではなかった | 別セッションで、Codex の指摘を受けて組み直し案を取り下げていた。B案を1つ戻して見比べてから復元 |
| 4 | 消えた画像ディレクトリ | 削除されたと思って別セッションに確認を投げた | 誤警報 | 削除ではなく移動。理由も向こうのスレッドに既に書かれていた |
| 5 | 消えたSVG | ページを開いたらカードが出ないので、画像移動の副作用を疑った | 誤警報 | 実体は無事で、ハングしていたのは3001番のdevサーバー。3000番で開いたら全部並んでいた |
| 6 | 非公開記事の画像 | ミドルウェアの仕様変更を提案した | 提案は不要だった | 同じ仕組みが既に実装済みで、使っていなかっただけ。作る前に探すほうが速い |
| 7 | 積み残しの棚卸し | memo/ の未チェックを全部数えさせた | 148ファイル1,669件 | 目視では回らない量。機械可読な状態ブロックが要るという結論に直結した |
| 8 | 状態ブロックの設計 | Codex に3回レビューさせた | 4点の指摘 | 項目単位の進捗・判定材料の不足・実行契機・生成物の二重計上。どれも自分では気づけていなかった |
| 9 | 33系と27系の統合 | 「27系に揃える」で進めようとした | 前提が崩れた | 実測したら viewBox が13種類。4対3という思い込みが最初から違っていた |
| 10 | ロゴの案出し | 幾何学的な作図でA・B・C案を出させ、Codex に相談 | A案を採用 | 「グリッド線で作図根拠が見えること」を条件にすると、案の良し悪しを言葉で比べられる |
| 11 | 改行コード | LF前提のスクリプトで既存ファイルを書き戻した | 壊れた | 中身を変えていないのに全行差分になる。.gitattributes で宣言してからが本番 |
| 12 | スキル配布の記事 | 「本文は手元に残せない」と書いた | 訂正 | 実際に取り寄せたら保存できた。書いたあとで試すと、書いたことのほうが直る |
今日の学び
- ルールを1本足す判断は、書く前にする。 常時読み込まれる場所に置けば、そのぶんが以後すべてのセッションから恒久的に引かれる。特定の作業でしか要らないものは、呼び出し口だけ作って別の場所に置く
status: doneは、未了を消す道具になりうる。 ファイル全体の局面と、項目ごとの進捗は別物として持つ。1件でも確認が取れないならdoneを打たない- 「消えた」と思ったら、まず実体を探す。 この日3回疑って、3回とも消えていなかった(取り下げ・移動・サーバーのハング)。削除を前提に動くと、直さなくていいものを直しにいく
- 非公開は、本文だけでは成立しない。 画像の置き場所まで含めて初めて外に出なくなる。似た穴は lint で機械的に塞ぐ
- 書いてから試すと、書いたほうが直る。 記事に断定を書いてしまったあとに実測して訂正した。試してから書くほうが早いが、書いたことで試す気になった面もある
明日やること
- 統合カタログの重複候補を選別する
- 33系と27系をどう束ねるか、実測した viewBox の分布をもとに決める
- 積み残しコマンドの集計側(Phase 2)を書く