パランティアCEOカープの運動配分と自分の現状を並べた:足りないのは歩数ではなく、4分走の本数とぶら下がり時間
パランティアCEOカープの運動配分と自分の現状を並べた:足りないのは歩数ではなく、4分走の本数とぶら下がり時間
Dr.もさり(山本康博)氏の note 記事「パランティアCEOの健康ポートフォリオがあまりにも素晴らしすぎる」を読んだ。パランティアCEOのアレックス・カープが続けている運動の組み合わせを、医師の目で解説した記事だ。自分の運動メニューを決める物差しにしたいので、カープの配分を数字で整理し、自分の現状と並べて差分を出した。
→ 元記事(note・Dr.もさり氏、2026年9月19日公開)
元記事の後半はメンバーシップ限定で、自分は読んでいない。この記事の材料は、元記事の無料公開部分と、カープ本人の発言を伝える公開ポスト、ノルウェー科学技術大学(NTNU)の公開資料の3つだ。ファーマーズウォークの重さと時間だけは、長寿医療の医師 Peter Attia 氏の基準を伝える記事で補った。
先に結論:差分は3つ
- 低強度の側に不足はない。1日25,000〜30,000歩は、時間にすると1日4〜5時間の歩行にあたる。高強度で走っている時間は週に8〜24分なので、時間の割合では低強度が9割を超える(概算)。カープの「有酸素の8割はゆっくり」と比べて、足りないのは低強度ではない。歩数をこれ以上増やしても差は埋まらない
- 足りないのは高強度の本数。今は1km(3分40秒〜4分)を1〜2本。ノルウェー式は4分を4本。あと2〜3本足りない。原因は体力ではなく、1本目のペースが速すぎることにある
- 握力の持久が足りない。ぶら下がりは最大1分。カープは5分30秒で、本人が「まずまず」と呼ぶ線は1分30秒
この差分から決めた、これからのパラメーターが次の表だ。
| 項目 | 今 | 次の目標 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 4分走 | 1kmを3分40秒〜4分で1〜2本 | ペースを落として4本そろえる(心拍は最大心拍数の85〜95%) | 週1回 |
| 残りのラン | 週1〜2回(強度は未整理) | 会話できる速さまで落とす | 週1〜2回 |
| 歩数 | 25,000〜30,000歩/日 | 維持 | 毎日 |
| ぶら下がり | 最大1分 | 1分30秒、その次に2分 | 限界の計測は週1回 |
| 懸垂 | 10回×3セット | 維持 | 週3回 |
| 背筋(バランスボール) | 300回 | 維持 | 週3回 |
| ファーマーズウォーク | やっていない | 片手15kgで1分から始め、片手30kgで1分を目指す | 筋トレの日に30〜60秒×3〜4本 |
| 睡眠 | 集計していない | Garmin の睡眠時間を週平均で出す(カープは8時間) | 毎日 |
カープの運動配分
元記事が「ポートフォリオ」と呼ぶ組み合わせを、柱ごとに並べる。元記事に数字がないところは、カープが出演した番組 TBPN の公開ポストで補った。
| 柱 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| ゆっくりの有酸素 | 有酸素運動の8割は、歩く人に追い越されるほど遅いペース | 元記事 |
| 高強度 | ノルウェー式のインターバルを織り交ぜる。2025年9月の本人の説明では「閾値走を週3日」 | 元記事、TBPN |
| 筋力 | 2〜3日おき。同じ説明では「筋力を週2日、筋持久を週1日」 | 元記事、TBPN |
| 握力 | デッドハング(鉄棒ぶら下がり)とファーマーズウォーク(両手に重りを持って歩く)。ぶら下がりは始めて4か月で4分36秒(2025年9月)、半年後に5分05秒(2026年3月)、5分30秒で頭打ち(2026年6月) | 元記事、TBPN |
| 回復 | 太極拳を毎日。睡眠は質のよい8時間を目指す | 元記事 |
| 目的 | クロスカントリースキー。VO2max と体重あたりの筋力の両方が要るので、一年を通した練習になる | 元記事、TBPN |
カープは2025年11月のインタビューで、長寿の工夫を聞かれて「ノルウェー式の心肺トレーニングをやるべきだ」と答えている。ふつうの有酸素運動は、ある水準を超えるとそこから先の上積みが小さい、というのが理由だ(元記事)。
健康の代理指標として当てになるのは3つだけ、とも言っている。TBPN のポストによる原文は "Dead hang, farmer's walk bodyweight, and VO2 max are the 3 that count." だ。"farmer's walk bodyweight" が「体重ぶんの重りを持って歩く」の意味なのか、ファーマーズウォークと体重を別々に挙げているのかは、ポストの文面だけでは決められなかった。後で見る Attia 氏の基準が「体重と同じ重さを持って歩く」なので、前者の意味だろうと考えている。
ぶら下がりの目安は、2026年6月の発言が具体的だ。
- "A 1:30 dead hang is respectable. 2 minutes is super elite."(1分30秒でまずまず、2分で上級)
- "Once a week, hang as long as you can."(週に1回、限界までぶら下がる)
元記事の著者は、カープの説明が標準の「4分×4本」と休息時間などで違うため、4×4 をそのままやっているかは分からない、と断っている。本人の言葉も「閾値走」で、4×4 より一段低い強度を指す用語だ。自分のパラメーターには4×4 を採る。手順と数字が公開されていて、いま走っている1km走とちょうど同じ長さだからだ。
自分の現状(2026年9月21日時点)
| 項目 | 数字 | 測り方 |
|---|---|---|
| VO2max | 55 | Garmin の推定値 |
| 歩数 | 1日25,000〜30,000歩(ランニングを含む) | トレッドミルデスク。2026年4月の実測は1日平均29,094歩 |
| ラン | 週2〜3回。1kmを3分40秒〜4分で1〜2本 | |
| 懸垂 | 10回×3セットを週3回 | ぶら下がり器を購入済み |
| 背筋 | バランスボールの上で300回を週3回 | |
| ぶら下がり | 最大1分 | 今日計測 |
歩数が増えた経緯は 事務所にWalkingPad Z1を置いて歩きながら仕事したら、1日平均歩数が10年で最高になった に書いた。
VO2max は、運動中に体が1分間に取り込める酸素の最大量で、心肺機能の指標だ。元記事の目安は「一般の人なら40ほしい、50あればかなり良い」。55はこの目安を超えている。ただし Garmin の値は心拍とペースからの推定で、呼気を測った実測ではない。評価の基準も年齢で変わる。
差分
| 項目 | カープ | 自分 | 差分 |
|---|---|---|---|
| ゆっくりの有酸素 | 有酸素の8割(総量は出典に数字がない) | 1日25,000〜30,000歩。時間の割合では9割超(概算) | 低強度の側に不足はない。総量どうしは比べられない |
| 高強度 | インターバルを計画的に入れる | 4分相当を1〜2本、週2〜3回 | 本数が2〜3本足りない |
| 強度の配分 | ゆっくりと高強度に寄せ、中間を使わない | ランの強度を整理していない | 心拍ゾーンの内訳を出す |
| 筋トレの頻度 | 2〜3日おき | 週3回 | なし |
| ぶら下がり | 5分30秒 | 1分 | 4分30秒の差。最初の線(1分30秒)まで30秒 |
| ファーマーズウォーク | 指標として重視 | やっていない | 種目ごと無い |
| 太極拳 | 毎日 | なし | 心身を静める習慣が無い |
| 睡眠 | 8時間を目指す | 集計していない | まず数字を出す |
| 目的の競技 | クロスカントリースキー | なし | 決めていない |
割合の概算はこうだ。2026年4月の実測は1日16.8km(13日間で218.7km)。机の下のトレッドミルは時速3〜4kmなので、歩行は1日4〜5時間強、週に30〜40時間になる。一方、高強度で走っているのは週2〜3回×1〜2本×約4分で、週8〜24分。心拍ゾーンを集計した数字ではないが、時間の大半が低強度なのは動かない。
低強度の側に不足はなかった。見直すのは「どれだけ動くか」ではなく、「どの強さにどれだけ割り振るか」のほうだ。
なぜ4本走れないのか
1kmを3分40秒〜4分で走ると、1本がほぼ4分になる。つまり今の1km走は、4×4 の1本目と2本目をすでにやっているのと同じだ。そこで止まるのはペースが速すぎるからだと考えている。
VO2max 55 から、走れる上限の速さを逆算する。米国スポーツ医学会(ACSM)のランニングの推定式(酸素摂取量 = 3.5 + 0.2 × 分速m)を使った、自分の推定だ。
| 強度 | 逆算したペース |
|---|---|
| VO2max の100% | 1km あたり約3分53秒 |
| 95% | 約4分06秒 |
| 90% | 約4分21秒 |
| 85% | 約4分37秒 |
3分40秒〜4分は、上限の速さとほぼ同じだった。全力に近いから2本で終わる。4本そろえるなら、1km 4分10秒〜4分40秒あたりから始めるのが妥当だろう。
この表は推定式からの目安で、実際の物差しは心拍数に置く。心拍の割合と酸素摂取量の割合は一致しないので、最大心拍数の85〜95%に入っているかを Garmin で見ながらペースを合わせる。
4×4 の手順(NTNU の公開資料)
ノルウェー科学技術大学の心臓運動研究グループ(CERG)が、手順を公開している。
- ウォームアップ10分(最大心拍数の60〜70%)
- 高強度4分(最大心拍数の85〜95%)
- 動きながらの回復3分(60〜70%)
- 2と3を繰り返し、高強度を合計4本
- クールダウン5分(60〜70%)
合計は 10 + 4×4 + 3×3 + 5 = 40分。1本目は4分かけて目標の心拍まで上げてよく、2本目以降は1〜2分で届く。
頻度の目安は、維持なら週1回、伸ばすなら週2〜3回。週5〜8回まで増やすとやりすぎで、体が適応しなくなった報告があるという。
きつさの目安も書いてある。"You should feel capable of doing another interval after you've completed the four – if this seems impossible, you're too exhausted."(4本を終えたとき、もう1本いけると感じる強さ。無理だと感じるなら追い込みすぎ)。いまの自分の走り方は、この「追い込みすぎ」にあたる。
上り坂を使うと心拍を上げやすく、筋肉と関節も傷めにくい、とも書かれている。事務所の WalkingPad Z1 は歩く速さまでしか出ないので、4分走は外の坂か別のマシンでやる。
ファーマーズウォークの重さと時間
カープ本人がどの重さで何分歩いているかは、出典に見つからなかった。代わりに、Peter Attia 氏がポッドキャスト Feel Better, Live More で話した基準を使う。
- 男性は体重と同じ重さ(片手に体重の半分ずつ)を持って1分歩けること。"men should be able to carry 100 percent of their body weight for a full 60 seconds"
- 40代の女性は体重の75%で1分
- 届かなければ重さを落とす。"go to half your bodyweight until you can get to a minute. Find a weight that you can get to a minute and then slowly advance the weight."(体重の半分から始め、1分持てたら少しずつ重くする)
同じ基準を「2分」と伝える記事もある。ここでは本人の言葉を直接引いている「1分」のほうを採った。
自分の体重は約60kgなので、当てはめるとこうなる。
| 段階 | 重さ | 時間 |
|---|---|---|
| 始める重さ(合計で体重の半分) | 片手15kg | 1分持てるまで |
| 目標(合計で体重と同じ) | 片手30kg | 1分 |
これは歩数の一部を置き換える種目ではない。重いものを持って30〜60秒歩く短いセットを数本やる筋トレだ。30〜60秒を3〜4本、筋トレの日に足す。1回あたり2〜4分、歩数にして数百歩なので、1日25,000〜30,000歩の1%前後にしかならない。本数と頻度は出典の数字ではなく、自分で決めた。
握力を使い切る種目なので、懸垂の後、その日の最後にやる。重りを落とすと危ないので、トレッドミルの上ではなく床でやる。
1週間の割り振り案
| 種目 | 回数 | メモ |
|---|---|---|
| 4×4 | 週1回 | 週2〜3回のランのうち1回を置き換える。まず本数をそろえ、ペースは後から上げる |
| ゆっくりのラン | 週1〜2回 | 会話できる速さ。中間の強度で走らない |
| 懸垂と背筋 | 週3回 | 今のまま |
| ぶら下がりの限界計測 | 週1回 | 懸垂をしない日に測る。懸垂の後は握力が残っておらず記録が下がる、という自分の判断 |
| ファーマーズウォーク | 筋トレの日(週3回) | 片手15kgから。30〜60秒×3〜4本を、懸垂の後にやる |
| 歩き | 毎日 | 25,000〜30,000歩を維持 |
太極拳に代わる「静める習慣」と、目的にする競技は、まだ決めていない。
これから測るもの
- Garmin で最大心拍数を確かめ、85〜95%の範囲を数字で出す
- 4分走を1km 4分20秒前後で始め、4本そろうか試す
- 歩きとランを合わせた心拍ゾーン別の時間を週単位で出し、低強度の割合(概算で9割超)を実測で確かめる。中間の強度がどれだけあるかも見る
- ぶら下がりの最大時間を週1回記録する(1分 → 1分30秒)
- ファーマーズウォークを片手15kgで始め、持てた秒数を記録する(1分持てたら重くする。目標は片手30kgで1分)
- 睡眠時間の週平均を Garmin から出す
- Garmin の VO2max を月1回記録する
高強度の運動は心臓に負荷がかかる。持病や胸の症状がある人は、始める前に医師へ相談してほしい。元記事は、有酸素運動と筋トレの両方を行うことを WHO の成人向け指針も勧めている、と紹介している。
出典
- Dr.もさり|山本康博「パランティアCEOの健康ポートフォリオがあまりにも素晴らしすぎる」(note、2026年9月19日)(無料公開部分のみ参照)
- NTNU CERG「4×4 interval training」の手順と頻度の解説
- TBPN のポスト(2025年9月):スキーヤーとしての練習、閾値走を週3日・筋力を週2日・筋持久を週1日、ぶら下がりは始めて4か月で4分36秒
- Jawwwn 氏のポスト(2025年11月):ノルウェー式の心肺トレーニング、毎日の太極拳、8時間睡眠
- TBPN のポスト(2026年3月):ぶら下がり4分36秒から5分05秒へ、当てになる3つの指標
- Jawwwn 氏のポスト(2026年6月):ぶら下がり5分30秒、1分30秒と2分の目安、週1回の限界計測
- Best Life(2025年2月):Attia 氏のファーマーズキャリーの基準(体重と同じ重さで1分、届かなければ体重の半分から)
- BoxLife Magazine(2025年8月):同じ基準を「2分」と伝える記事