Hermes DesktopをWindowsに入れる
Hermes Desktopは、Nous Researchが公開しているAIエージェント「Hermes Agent」をデスクトップアプリから使うための公式UIです。単なるチャットアプリではなく、CLI、TUI、Web Dashboard、Desktop Appが同じ設定・APIキー・セッション・スキル・メモリを共有する設計になっています。
この記事では、2026年6月3日時点の公式情報をもとに、Windowsでのインストール手順を中心に整理します。
Hermes Desktopとは何か
Hermes Agentは、会話の履歴や作業経験をもとにスキルを作り、記憶を蓄積し、複数の実行環境やメッセージングサービスから呼び出せるAIエージェントです。公式リポジトリでは、OpenAI、OpenRouter、Nous Portal、Anthropic、ローカルのOpenAI互換エンドポイントなど、複数のモデル提供元を使えることが説明されています。
Desktop Appは、そのHermes AgentをGUIで扱う入口です。公式ドキュメントでは、次のような用途が挙げられています。
- 複数のエージェント会話を並行して扱う
- ツール実行のストリーミング出力を見る
- ファイルブラウザで作業ディレクトリを確認する
- モデル、プロバイダ、APIキー、MCP、Gateway、セッションをUIから管理する
- Skills、Cron、Profiles、Messaging、Agents/Command Centerを操作する
要するに、ターミナルに慣れていない人には「Hermesの入口」、ターミナル派には「既存のHermes環境をGUIでも触れる管理画面」として使えます。
Windowsではどの方法で入れるべきか
Windows 10/11なら、まずは公式サイトのWindows版インストーラーを使うのが一番わかりやすいです。
Hermes Desktop公式ページ にアクセスし、WindowsのDownloadボタンからインストーラーを取得します。公式サイトの実体リンクは次の .exe です。
インストール後、初回起動時にアプリがHermes Agent本体のランタイムを用意します。公式ドキュメントによると、Desktop AppはElectronのシェルとして配布され、初回起動時にWindowsでは %LOCALAPPDATA%\hermes 配下へHermes Agentの実行環境を準備します。CLI版とDesktop版は同じ設定・データを使うため、あとから hermes コマンドでも同じ環境を操作できます。
PowerShellから入れる方法
GUIではなくCLIから入れたい場合は、PowerShellで公式インストーラーを実行します。
iex (irm https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.ps1)
このインストーラーは、公式ドキュメント上では次の依存関係を自動で用意すると説明されています。
| 依存関係 | 用途 |
|---|---|
uv | Python環境の管理 |
| Python 3.11 | Hermes Agent本体の実行 |
| Node.js 22 | ブラウザ自動化や一部ブリッジ機能 |
ripgrep | 高速なファイル検索 |
ffmpeg | 音声・TTSまわりの変換 |
| PortableGit / Git Bash | Hermesのシェルコマンド実行 |
すでにGitがPATH上にあればそれを使い、なければPortableGitを %LOCALAPPDATA%\hermes\git に展開します。管理者権限は基本的に不要です。インストール後は、新しいPowerShellを開き直してPATHを反映させます。
Desktop installerとPowerShell版の違い
迷ったら、次の基準で選べば十分です。
| 目的 | 推奨 |
|---|---|
| まずGUIで試したい | Desktop installer |
| 非エンジニアにも渡したい | Desktop installer |
| ターミナル中心に使いたい | PowerShell installer |
| WSL2と併用したい | PowerShell installerまたはWSL2側のLinux installer |
| 既存のHermes環境をGUIで開きたい | hermes desktop |
公式ドキュメントでは、Desktop App、CLI、TUI、Web Dashboardは同じAgentコアを使うと説明されています。したがって、どちらかを選んでも別製品を入れるわけではありません。入口がGUIかターミナルかの違いです。
初回セットアップで必要になるもの
インストールだけでは、まだモデルに接続できません。初回セットアップでは、利用するモデルプロバイダを選び、必要に応じてAPIキーやOAuthを設定します。
最短で試すなら、公式が案内しているNous Portalを使う流れがわかりやすいです。
hermes setup --portal
OpenRouter、OpenAI、Anthropic、ローカルLLMなどを使う場合は、hermes model やDesktop Appの設定画面からプロバイダを選びます。APIキーを使う場合は、公開リポジトリやスクリーンショットにキーを貼らないように注意してください。
Windows利用時の注意点
Windowsネイティブ版は、公式ドキュメント上ではCLI、Gateway、TUI、ツール、Cron、MCPサーバーがネイティブに動くと説明されています。一方で、Dashboardのブラウザ内チャット端末だけはPOSIX PTYに依存するためWSL2側の機能として扱われています。
また、Windowsでは以下を覚えておくとトラブル時に切り分けやすくなります。
- インストール場所は主に
%LOCALAPPDATA%\hermes - 公式Desktopインストーラーは初回起動時に内部でPowerShell版インストーラー相当の処理を走らせる
- 既存のGitが壊れている環境でも、PortableGitを別配置して回避する設計
- 文字化けやコンソール入出力の問題が出た場合、公式には
HERMES_DISABLE_WINDOWS_UTF8=1という切り分け用環境変数が案内されている - WSL2版とネイティブ版は共存できるが、データの置き場所は別になる
まとめ
Hermes Desktopは、Hermes Agentの機能をWindowsデスクトップから扱いやすくする公式アプリです。CLIだけで完結するAIエージェントではなく、GUI、TUI、Web Dashboard、各種メッセージング連携をまたいで同じ記憶とセッションを使う思想が強いのが特徴です。
Windowsで最初に試すなら、公式サイトから Hermes-Setup.exe を入れるのが最短です。すでにターミナル中心で作業しているなら、PowerShellのワンライナーでCLI環境を入れ、必要になったタイミングで hermes desktop を起動する流れでも問題ありません。