生成AI活用の応答型記事シリーズを1日で立ち上げた — 抽出サブエージェント・証拠検証マップ・Workflowで10本量産
税理士向けの生成AI活用をまとめた書籍を読んで、「自分がやっていることも多いし、もっといい方法があるはず」と思った。 その視点のまま、書籍の事例をお題に借りて自分の実運用で応答する記事シリーズを立ち上げた。 昼前に計画書を走らせ、夕方には記事10本とSVG図解10枚が下書きで揃っていた。
網羅しない・番号を継がない・主役を譲らない
計画書には記事の中身より先に、「書かないこと」の予防線を置いた。Codex にレビューさせて出てきた指摘を反映したものだ。
- 全事例を網羅する連載にしない。証拠が実在するお題だけ選抜する
- 書籍の章順・事例番号をタイトルやスラッグに継がない。各記事は自分の業務課題ベースの独立記事にする
- 主従関係を守る。主役は自分の実装で、書籍への言及は導入の2〜3文に留める
- 抽出したお題リストは内部メモ限定。gitignore に入れて、公開にもコミットにも乗らないようにする
あわせて証拠検証プロトコルを必須にした。 「自分はこう回している」と書けるのは、スキル・コマンド・実装ページの実在をディスクで確認して verified が付いたお題だけ。 セッションログの記憶だけで「やってる風」に書くのは禁止、というルールを計画書の段階で固定した。
抽出サブエージェントと突き合わせマップ
Step 1 は抽出サブエージェントに任せた。 蔵書DBに取り込み済みの該当書籍から、事例の要点を言い換えでリスト化させた。本文やプロンプトの転記は禁止。 本編の事例に巻末コラム由来の番外ネタも足して、お題は35件になった。 完了確認用のフォールバック起動まで仕掛けておいたが、起きたときにはとっくに終わっていた。
Step 2 は突き合わせマップ。 お題ごとに「自分の実運用」の証拠パスと確認日、verified / partial / not_found を記録させた。 検証は Glob・ls・Grep によるディスク上の実在確認で行わせ、証拠のないお題は「実運用」としての記事化を不可にした。 アンケート分析や動画からの手順書づくりのように、やっていないものは選抜から素直に落ちた。
人間ゲート①で一度脱線した
選抜レビューの途中で、進行中だったセミナー資料に「この観点を足せないか」と話を振ってしまった。 強化案5件をHTMLの検討キャンバスに落とさせ、Chromeで眺めているうちに気づいた。 やりたかったのはセミナーの補強ではなく、書籍の事例を自分の実装ベースで公開アップデートすることだ。 「セミナーの話は一旦忘れて大丈夫」と口に出して軌道を戻した。作らせたHTMLは、別件の確認用としてそのまま残した。
戻ってきたレビューで、選抜の価値基準が言葉になった。 SWOTやクロス分析のスキル化は「そもそも分析に意味がない」ので確定見送り。 逆に、図解の作法をスキルに固定してSVGで量産する話はB枠からA枠に昇格させた。 SVGならHTMLにもIllustratorにもPowerPointにも同じファイルが流れるから、組織の作法を載せる器になる。 選抜は15本(A枠12本+新候補3本)で確定し、パイロットはこのSVGスキル化に決めた。
パイロット1本で型を確定した
パイロット記事は genai-idea-svg-skill。 図解付きで書かせ、スクリーンショットの目視確認と honda-sakubun の校閲まで通してからレビューした(人間ゲート②)。 承認と同時に、シリーズの型を5点で確定した。
- 導入は書籍をぼかした2文+シリーズ宣言
- 見出しは3段構成(実運用の固定 → 設計の理由 → 引き上げ・一般化)
- 締めは「作法をファイルにする」というテーゼへ回帰する
- svg-diagram の規律に沿った図解を1枚以上入れる
- 記事に載せる数字は当日ディスクで実測したものだけ(蔵書349冊・スキルとコマンド71本・日記199本などを当日測り直した)
書名・著者名は出さず、「税理士向けの生成AI活用をまとめた書籍」とぼかす方式に決めた。 日記記事の既存ルールと同じ扱いで、書籍側への言及は論点のみに留める。
型をコマンド化し、Workflowで残りを量産した
セッションを切り替えて Step 4。量産コマンド /genai-idea-article を作らせた。 引数はお題スラッグで、内部メモから要点を、マップから verified 証拠を引き、3段構成で生成して校閲と path リンターまで流す。 証拠パスの当日ディスク確認と、顧客情報の境界(顧客ファイルのパスを記事生成にも外部AIにも渡さない)を、手順そのものに埋め込んだ。
Step 5 の量産はオーケストレーションで一気に回した。執筆レーンに Sonnet を8体、校閲レーンに8体。 途中で「これ結構時間かかってる気がする」と進捗表示を眺めていたが、ディスクを直接確認させたら記事10本とSVGディレクトリ10個がすでに揃っていた。 残っていたのは校閲レーンの後ろだけで、ワークフロー全体は16エージェント・約19分で完了した。 進捗表示を睨むより、ファイルの実在を見るほうが早くて確かだった。
記事ページのフルページ撮影の途中でセッションリミットに当たり、解除を待って残りの目視確認を再開した。
シリーズをブログから独立させた
量産の後に、シリーズの置き場所を決めた。 ブログのカレンダーに同日付で10本並ぶのは違うと感じ、案を出させて「完全独立+連番プレフィックス」を選んだ。
- タイトルは「AI活用の再設計 NN|…」の連番(シリーズ名は仮。変えるときは3箇所一括置換)
- path は /genai-ideas/{slug}。useBlogArticles.ts に startsWith フィルタを足して、ブログ一覧・カレンダーには載せない
- 目次ページ app/pages/genai-ideas/index.vue は queryCollection で自動追随。記事を足すと目次に自動で載る
- トップページにシリーズカードを1枚
確認では一度手が止まった。 目次ページは200を返すのに記事カードが0件と出て、原因を調べさせたら grep -c が「マッチした行数」を数えていただけだった。 出現数で数え直したら、目次にはカード10枚がきちんと並んでいた。
検証と残タスク
下書き10本に対して回した検査。
- 字数は全10本が1,513〜1,617字。禁止パターンの横断grep(書名・事例番号・空虚語など)はゼロ
- SVGのエスケープ検査10本+スクリーンショット目視(単体9枚+記事ページ)
- path リンター通過。新パス10本が200、旧パスが404、/blog へのシリーズ混入ゼロ
公開はまだしていない。 コミット・デプロイは自分の判断で行う残タスクとして計画書に記録し、週2〜3本の分散公開を想定している。 「記事内で作ってみせる」タイプの5本(議事録・返済予定表など)も未着手のまま次に送った。
学び
- 書かないことを先に決めると量産が速い。網羅しない・番号を継がない・主役を譲らないの予防線が、後工程の判断を全部軽くした
- 証拠検証プロトコルは創作の抑止になる。verified が付かないお題は、記事の角度ごと「やってみた」側に変わる
- 進捗表示より先にディスクを見る。「終わっているか」はファイルの実在で判定する
- 目的から一駅ずれた検討物も、捨てずに別件として残しておけば、脱線を打ち切るコストが下がる