Claude Fable 5で自分のAI運用を総点検した日 - モデル補正ルールは消さずに条件分岐へ

開発claude-code-tools

Claude Fable 5が使えるようになった。ただし定額の枠で使えるのはあと1週間で、そこから先は重量課金になるから、たぶん使わなくなる。それなら「優秀な大工が来ている間に道具を作らせる」期間にしよう、と決めた一日だった。

「AI活用の見直しコンサルタント」に環境をレビューさせた

朝一番に「あなたは私の『AI活用の見直しコンサルタント』です。これまでより格段に賢い新しいAIが使えるようになった今を前提に、私の仕事・発信・プロジェクトを総点検してください」というプロンプトを投げた。CLAUDE.md・ルール・スキル・直近の作業履歴を読ませた上で返ってきた最初の結論は「旧モデルの子守ルールを捨てて、浮いた注意力を事実チェックと不可逆操作の防御に移す」。筆頭に挙がったのが、Opus 4.7向け対話戦術ルールの全廃だった。

ここで手が止まった。Fable 5は1週間限定。4.8はバグが多くてClaude Codeでまともに動かず、仕方なく4.7を日常機にしている。今ルールを消したら、1週間後に防具なしで4.7に戻ることになる。

この前提を伝え直したら、結論が2本柱に組み替わった。

  • モデル補正ルールは「削除ではなく条件分岐」。4.7が日常機である以上、現役の防具として維持する
  • Fable 5の1週間は「賢さをランタイムで使わず、4.7でも回る資産に変換して使い切る」

特に2本目のフレーズが、この日の方針そのものになった。指摘事項の全体は memo/2026-07-02/ai-utilization-review.html にダッシュボード形式でまとめさせ、ブラウザで眺めながら1つずつ潰していった。

同じコンサルタントプロンプトを別リポジトリ(eurekapu-nuxt4)でも走らせた。そちらも最初は「Fable 5への運用切り替え」を提案してきたので、残り1週間の前提を話して「Fable 5ラスト1週間の集中投資プラン」に全面的に書き直させた(memo/2026-07-02/ai-workflow-audit-fable5.html)。そのプランの初日タスクとして、会計シミュレーションのテスト防衛線の監査と修正まで一気に走らせたが、それはこの記事の範囲を超えるので触れない。

モデル補正ルールの条件分岐化と、全ルールの種別棚卸し

その場でDay 1のタスク3つを実行させた。

  • opus-4.7-tactics.md の冒頭に「適用条件」と「削除禁止」の注記を追加(条件分岐化)
  • グローバルCLAUDE.mdに不可逆・対外操作の確認必須リストを追加(会計ソフトへの仕訳投入・記事公開・本番デプロイ・メール送信・SNS投稿)
  • 全13本のルールファイル冒頭に「種別:」行を付ける棚卸し

種別は「ドメイン知識 / 運用ポリシー / 環境 / モデル補正(対象モデル名)」の4分類。ルールの冒頭はこういう形になった。

# Claude Opus 4.7向けの対話戦術

種別: モデル補正(対象モデル: Claude Opus 4.7)

> **適用条件**: Opus 4.7 で動作しているセッションにのみ適用する。
> **削除禁止**: Opus 4.7 が日常機である間は現役の防具。

これで「いま動いているモデルがどのルールを無視すべきか」がファイル単体で判定できる。将来モデルを乗り換えるときも、種別行を見れば消していいルールと残すルールを仕分けられる。賢いモデルが来るたびに「古いルールを全部消したい」誘惑が来るはずで、その防波堤を先に築いた格好だ。

午後はDay 2として、顧客情報を外部AIサービスに渡さないルールの追加、発信前の事実チェック手順書の精密化、たまっていた変更の分割コミットまで進めた。進捗はその都度HTMLダッシュボードに反映させた。

fable-5-tactics.md を新設した

別セッションで、Anthropic公式の「Prompting Claude Fable 5」ガイドを貼り付けて、Claude Codeユーザーとして読むべき部分を聞いた。答えは「半分は読み飛ばしてよい(API開発者向けでハーネス側が対応済み)。残り半分を ~/.claude/rules/ の運用に落とし込むのが実用的」。

そのまま opus-4.7-tactics.md と対になる ~/.claude/rules/fable-5-tactics.md を書かせ、グローバルCLAUDE.mdのモデル固有対話戦術の一覧にも1行足した。中身は7項目で、骨子はこう。

  • Opus 4.7向けの補正(並列化の明示指示、ツール使用の理由添付、詳細出力の明示)は適用しない。過剰に細かい手順指示はむしろ品質を下げる
  • 難しいタスクは一気通貫で任せる。フェーズごとのセッション分割をやめる
  • 進捗報告は証拠ベース。ツール結果と突き合わせられる作業だけを「完了」と言わせる
  • 頼まれていない行動(ついでのリファクタ、依頼していない下書き)を取らせない
  • 安全分類器のrefusalが誤発動したら /model で4.7に切り替えて続行する

4.7向けルールが「抑制されがちな挙動を明示で引き出す」補正だったのに対し、Fable 5向けは「引き出す補正を外して、出過ぎる分を抑える」逆向きの補正になったのが面白い。

「あなたの最大能力でしかできない問題解決は何か」と問いかけた

夕方、もう1つ実験をした。「過去のやりとりから考えて、あなたの最大能力をもってしかできない私の問題解決——いや、問題を再定義してでの本当の問題解決——は何か」とFable 5に聞いてみた。

返ってきた再定義は「あなたの本当の問題は生産力ではなく、何を作り何を捨てるかを決める材料が存在しないこと」。スキルをもう1本書かせることではなく、全記録を読み切ってポートフォリオを監査させることに最大能力を使え、と。所見は memo/2026-07-02/portfolio-problem-redefinition.html にHTML化させてブラウザで読んだ。

読みながら、自分の現状を正直に話した。ほとんど遊んでいるのだ、と。自分で始めて、終わりを自分で決められて、他者の評価がいらない——遊びの定義そのままに、コーディングエージェントで何ができるのかを純粋な知的好奇心で試しているだけ。ただし1日1日の記録は残したかった。これを明かしたら、監査のレンズが「捨てるものを決めるkill list」から「遊びの地図と、ドットが線になる候補」に切り替わった。

そこからサブエージェント26体(棚卸し22班+横断レンズ4本)を派遣して、約80日分のmemo・10ヶ月分の記事・200超のリポジトリを読ませ、活動340件の棚卸しと線候補16本の抽出をさせた。結果のHTML(memo/2026-07-02/corpus-play-audit.html)で一番刺さった発見はこれだった。

  • 足りないのは新しいドットではなく、既にあるドットを繋ぐ短い線。有望な候補の大半が「部品は揃っているのに輪がまだ閉じていない」同じ形をしていた
  • 繋ぎ方には共通の向きがある。「他者向けに作った道具を自分の内側へ折り返す」——これが自分の遊びの定義に一番忠実に噛み合う

さらにeurekapu-nuxt4も遊びの有力な出力先だと伝えたら、追加の9体で深掘りして補遺HTMLが返ってきた。「砂場(mdx-playground)で実験して、製品側で卒業させる遊びの二地点があるのに、両岸で同じものを半分ずつ作っていて橋が架かっていない」。新しいドットは要らない、両岸にもう部品がある——前編と同じ結論が、リポジトリを跨いだ形でもう一度出てきた。

残したもの

この日の成果は、コードよりファイル群に残っている。振り返るときの起点はここ。

  • ~/.claude/rules/fable-5-tactics.md — 新設したFable 5向けのモデル補正
  • ~/.claude/rules/opus-4.7-tactics.md — 適用条件と削除禁止の注記入りに更新
  • memo/2026-07-02/ai-utilization-review.html — 総点検ダッシュボード(Day 1/2の進捗反映済み)
  • memo/2026-07-02/ai-workflow-audit-fable5.html — ラスト1週間集中投資プランの本体
  • memo/2026-07-02/portfolio-problem-redefinition.html / corpus-play-audit.html / corpus-play-audit-eurekapu.html — 問題の再定義と遊びの全コーパス監査

明日以降にやること。

  • 集中投資プランのDay 3以降を消化する(起点は ai-workflow-audit-fable5.html の優先度チップ)
  • 監査で出た線候補16本から、最初に輪を閉じる1本を選ぶ

学び

  • 賢いモデルの限定期間は「ランタイムで使う」のではなく「期限後も残る資産(ルール・スクリプト・計画書)に変換する」と決めた瞬間、1週間でやることの優先順位が一気に並んだ
  • AIの最初の提案(ルール全廃)をそのまま実行していたら、1週間後に防具なしの4.7が待っていた。定額の期限やモデルのバグ状況といった前提を持っているのは人間側で、それを返すと結論が反転する
  • ルール冒頭に種別1行を足すだけで、モデル乗り換え時の仕分けがファイル単体で完結する。安い割によく効く投資だった
  • 「問題の再定義」を問いかけると、タスクの実行ではなく問いの立て直しが返ってくる。「遊びでやっている」と明かした途端に監査のレンズごと切り替わったのが、この日一番の見ものだった