不動産登記簿の解説コンテンツを全8章に展開し実物謄本のデータ化に着手
Turso DB(book-knowledge-base)に取り込んである登記簿の参考書から、不動産登記簿の見方を解説するコンテンツ /tokibo を作った日。第1章の試作から始めて、夕方には第8章まで全章を同じ切り口で展開し終え、さらに実物の土地謄本をテーブルデータに変換する作業まで踏み込んだ。
第1章・総論の解説ページを非公開ベースで作る
まず登記簿の参考書の第1章(総論)を Turso DB から読み取らせて、解説ページを1本作ってもらった。狙いは2つ。
- OCR済みの書籍データからどこまで内容を読み取れるかを確かめる
- 登記簿の「記録例」をどう表示するかの型を決める
出来上がったのは、dev 限定(本番では404)の /tokibo ページ。書籍の記録例はベタ書きせず、正規化したJSONデータからテーブル描画する方式にした。データと見た目を分けておけば、後から章を増やすときに表示ロジックを使い回せる。
途中で「doc-communication スキルは使ってますか」と聞いたら、使っていなかったと正直に返ってきた。スキルを読み込ませて構成を点検し直し、他のコンテンツと同じ右側追従の目次も追加。さらに土地の表題部について、記録例の帳票レイアウトをそのまま再現した「原本ビュー」も作らせた。書籍の画像と見比べて、同じ構造になっていることを確認した。
原本忠実とわかりやすさのバランス
原本ビューを眺めていて、2つ気になった。
1つ目は横幅。他のテーブルは画面幅いっぱいに揃っているのに、原本ビューだけ右側に中途半端な余白が残っていた。スクリーンショットを貼って指摘し、ブラウザで原因を特定させてから修正。
2つ目はヘッダーの見分けにくさ。実際の謄本はヘッダーに背景色なんて付いていないが、原本そのままだとタイトル行と値の行の区別がつきにくい。そこで「限りなく薄いグレー」をヘッダーにだけ入れることにした。原本に忠実なレイアウトからは一歩離れるが、謄本自体が見づらい以上、ここからは読みやすさのための装飾を許容する——という線引きをこの時点で決めた。
第8章まで一気に全章展開
第1章の型に手応えがあったので、「他の章も同じ切り口で全部」と依頼した。進め方は計画ドキュメントを先に書かせてから:
- Turso から全章の原文をエクスポート(計25万字。第3章と第4章が大きい)
- 章レジストリ+共通章レイアウトの骨組みを構築
- 第2〜8章を並列サブエージェントで一斉作成
- 全ページの描画とテストを一括検証
途中で Turso 接続が一時エラーになり、ルールどおり issue を作ってからリトライ。計画書のチェックボックスが最初から完了状態で書かれていたのを「まだ何も終わっていない」と未完了に直させる場面もあった。
結果、/tokibo がハブページになり、第1章から第8章まで全章を「原本ビュー→分解ビュー→小学生向け解説」の同じ構成で読める形になった。テストは8ファイル92件すべて pass。
強調色の整理 — マゼンタ問題
今更感はあったが、svg-diagram スキルでは強調にマゼンタを使う規則にしているのに、本文の太字がブルーっぽい色になっているのに気づいた。よく見ると太字には「表題を目立たせるパターン」と「文章中の重要箇所のパターン」の2種類が混在している。議論の末、文中強調をマゼンタに統一させた。
あわせて、OCRで確定できなかった記録例11件は元PDFをページ画像化して全件照合・更新。テストは100件まで増えて全部 pass した。
セッション跨ぎの引き継ぎと「材料消失」事故
セッションの余裕がなくなってきたので、残課題を memo/2026-06-12/tokibo-handover.md に集約させた。冒頭に復帰プロンプトを置き、新セッションに貼ればそのまま続きから再開できる方式。
午後のセッションでこの handover から再開し、記録例の全網羅(第2弾)を7章分の並列エージェントで完了。ただし途中、デプロイ計測スクリプトが作業用の memo ファイル(照合用画像と原文)を削除してしまう事故があった。「全然終わってないかな」と一瞬血の気が引いたが、消えたのは作業の材料だけで、成果物は apps/web/ 側に全部残っていた。エージェントは削除前に読み取りと照合を済ませていた。43ファイル・約2万行をコミット。
図版のSVG化は「全部やる」をやめた
積み残しの「図版のSVG化」に着手しようとしたところで、そもそも何をSVG化するのか自分が理解していないことに気づいて聞き直した。書籍には記録例の帳票のほかに概念図・イラストが約30点ある。例示された3枚を見て切り分けた。
- 「表題部・甲区・乙区」の構成を示すボックス図 → SVG不要。テーブルデータでシンプルに表せばいい
- 空間的な位置関係を表す図 → SVGにする価値がある
この方針(ボックス図・関係図はHTML、空間的な図だけSVG)を handover に固定し、6章分のエージェントを並列投入して図版の再作成まで完了。最後に、照合用に再生成したPNG 231枚(120MB)を削除してディレクトリも片付けた。サイト本体の図はすべてインラインSVG/HTMLなので表示への影響はゼロ。
実物の土地謄本をデータ化する
夕方、実際の土地謄本のPDFを渡して次の段階を始めた。実物なので当然公開コンテンツにはできないが、ローカルの非公開コンテンツとして、まずテーブルデータ(JSON)に変換し、どんな記録があるのかを読み取らせる。参考書のデータが Turso に入っているので、解説と突き合わせながら読める構図になる。
ローカルレプリカに専門書が見つからずクラウド同期を挟む場面はあったが、甲区・乙区の内容は読み取れた。参考書で「見方」を学ぶコンテンツと、実物を構造化して読むコンテンツが同じ仕組みに乗り始めた。
学び
- 「原本忠実」と「わかりやすさ」は混ぜずに線を引く。原本再現を基本にしつつ、ヘッダーの薄いグレーのような装飾は「謄本自体が見づらいから」という理由を付けて意図的に追加する
- 型を1章で固めてから並列展開すると速い。第1章でデータ構造と表示の型を作り、残り7章はサブエージェントの並列投入で一気に揃った
- 図版の変換は「全部SVG化」ではなく中身で切り分ける。ボックス図はテーブルデータで十分、空間表現だけSVGにする
- セッション跨ぎは復帰プロンプト付き handover が効く。午後のセッションは貼るだけで続きから走った
- 作業用の材料(照合画像・エクスポート原文)と成果物を分けて置いておくと、材料を消されても致命傷にならない