書き出しでつまずいた
夕方に Claude Code を開いて、次の一言を打ち込んだ。
税理士の「知識」とは課税関係の根拠が 条文か 通達か
書きたかったのはこういう話だ。税理士の頭の中にある「知識」の正体は、判例集や通達集の全文を暗記していることではない。ある取引を見たときに、課税関係の根拠が 条文 にあるのか、通達 にあるのか、それとも 質疑応答事例 や 裁決 や 判例 にあるのか、どこを引き当てればいいかを見抜ける能力のことだ。
昔は手元の蔵書とその目次を覚えていることが「実力」だった。今はネット検索と AI で当たれる範囲が広がったので、「どこに根拠があるかを見抜く」ことがそのまま実務の中心になる。
この話を一般読者にも届けたいし、同時に Udemy などで販売予定の教材のドラフトも兼ねたい。書く先は eurekapu-nuxt4 のほうにしたい、と Claude Code に方針を伝えた。
Claude Code から二段構えを提案された
ところが書き始める前に著作権の壁が見えた。手元には市販されている資格試験の参考書(科目別に何冊か)の PDF があって、論点整理の参考にしたい。だが Udemy で販売する教材の下書きに、教材ベースの章立てや例題をそのまま転記すると、当然アウトになる。
Claude Code が提案してきたのは、こういう二段構えだった。
- MDX-Playground 側: 一次ソース(条文・通達・国税庁の解説)から自分で書き直したものを蓄積する。学習ノート兼ブログ。
- eurekapu-nuxt4 側: MDX-Playground で「自分の言葉で書き切れた」と判定できた単元だけを、販売用フォーマットに昇格させる。
つまり MDX-Playground をろ過装置にする。教材を直接 eurekapu-nuxt4 に置かない。間に「自分で書き直す」工程を必ず挟む。
著作権の整理として、条文・通達・判決文は著作権法 13 条で著作物に該当しないため引用・転載自由。国税庁の解説資料は厳密には著作物性があり得るが、出典明示の常識的範囲なら実務上は問題なし。一方、市販教材は完全に著作物なので、章立て・図表の構成・例題のトレースまで含めて流用は不可。この線引きを計画書に明文化した。
計画書を残してもらう
「あまり細かいところを詰めなくていいので、ここまでの方針をドラフトとして残してほしい」と頼んだ。
memo/2026-06-08/tax-content-strategy-plan.md に保存される。中身は方針レベルで、背景・著作権の整理・プロジェクト配置・作成ルール・着手順序まで。未決事項は箇条書きで吐き出してチェックボックスにして残置した。
## 未決事項
- [ ] 最初に着手する論点
- [ ] 教材を取り込む順序と単位
- [ ] 記事のテンプレート構造
- [ ] タグ運用(フラットか階層か)
- [ ] eurekapu-nuxt4 への昇格基準
着手する論点が決まったら、その時点で詳細計画を別途立てる。今日は方針だけ固める。
ここで Book Knowledge Base の話が割り込んだ
計画書を保存したあと、もう一つ気になっていたことを Claude Code にぶつけた。
別レポジトリで Book Knowledge Base というプロジェクトを動かしている。裁断してスキャンした書籍 PDF を yomitoku で OCR にかけて、章節単位に再構成して Turso(libSQL/SQLite 互換の DB)に格納する仕組みだ。蔵書全体を AI から横断検索できるようにするためのもので、私が SQL を書くわけではない。Claude Code に「○○について関連書籍から検索して内容を要約して」と頼むと、Turso を裏で叩いて該当セクションを集めてくる、という使い方になる。
この仕組みを、税法コンテンツの作成にも乗せたい。市販教材の PDF を Book Knowledge Base に流し込んで、Turso 側で章節単位に保管する。MDX-Playground で記事を書くときは、Claude Code 経由で「この論点に関連する箇所を教材から拾って」と日本語で質問し、論点把握と章立ての参考に使う。
教材PDF
-> Book Knowledge Base(OCR・章節分割)
Turso DB (book-knowledge-base)
-> MDX-Playgroundで参照(Claude Code経由で日本語横断質問)
記事ドラフト(論点整理・章立て・例の発見)
-> 一次ソース(国税庁・条文・通達・判例)で書き直し
MDX-Playground の公開記事
-> 品質判定後に昇格
eurekapu-nuxt4(販売用教材)
このフローを計画書に追記してもらった。同時に、ここで一番重要な分離原則も書き加えた。
- Turso DB に入れた教材データは、学習・参照専用。自分のローカル蔵書を AI に質問するための内部資産であって、外部公開しない。
- 記事への出力は必ず一次ソース起点。教材を Turso 経由で読んだとしても、その文章・図表・例題をそのまま記事に貼らない。論点把握と章立ての参考にとどめ、実際の本文は国税庁・条文・通達を開き直して自分で書く。
この分離が崩れると、二段構えの意味がなくなる。販売物の下書きである eurekapu-nuxt4 に教材ベースの内容が紛れ込むリスクが復活してしまう。
段階的にやる
「3 科目全部いきなりやるのは大変なんで、徐々にやっていく感じですかね」と Claude Code に伝えた。私の勉強のまとめも兼ねているので、無理に網羅する必要はない。
計画書では Phase 1 として一科目だけに絞ることにした。その科目の中でも、論点単位で進める。初回の候補テーマは Claude Code に 4 つほど挙げてもらった。所得区分のマップ、特定の所得区分の課税構造、所得区分どうしの境界判定、所得控除の全体像。どれから着手するかは未決のまま、未決事項のチェックボックスに入れた。
Phase 2 で他の科目に同じフォーマットを横展開、Phase 3 で eurekapu-nuxt4 への転用、という大きな順序だけ決めた。
振り返り
今日やったのは、こういう順序だった。
- 「税理士の知識とは何か」という記事を書こうとして Claude Code に話しかける
- 著作権の懸念が浮上し、Claude Code から「MDX-Playground でろ過してから eurekapu-nuxt4 に昇格」という二段構えを提案される
- 方針が固まったところで、計画書を memo ディレクトリにドラフトとして残してもらう
- 別レポジトリの Book Knowledge Base のパイプラインと接続することを思い出し、データフロー(教材 PDF → Turso → MDX-Playground → eurekapu-nuxt4)を計画書に追記してもらう
- 教材データは学習・参照専用、記事への出力は一次ソース起点、という分離原則を明文化する
書き始める前に、「書く先のリポジトリ配置」と「書くためのデータパイプライン」を先に設計する必要があった、というのが今日の発見だった。論点を 1 本書くだけなら直接 eurekapu-nuxt4 に書いてもよかったかもしれない。だが学習を兼ねた長期プロジェクトとして 2 科目目・3 科目目まで伸ばす前提だと、最初に分離原則を決めておかないと後で全部書き直す羽目になる。
私が SQL を書くわけではないし、Turso のスキーマ設計を自分で考えるわけでもない。Claude Code が DB を裏で叩いて該当箇所を引いてくる。私がやるのは、引いてきた論点を見て「これは条文に根拠がある」「これは通達」「これは質疑応答事例」と当たりをつけて、一次ソースを開き直して自分の言葉で書き直すこと。それが「税理士の知識とは何か」というテーマで書こうとしていた話そのものだった。
書く前にパイプラインを設計したつもりが、書こうとしていた内容を別の角度から確認していたことになる。
明日以降
- 計画書の未決事項から最初の論点を 1 つ選ぶ
- その論点について、教材を Book Knowledge Base に取り込む単位(科目全体か章単位か)を決める
- 記事のテンプレート構造(前提 -> 図解 -> 条文 -> 通達 -> 判例 -> 質疑応答 -> まとめ)を 1 本書いて固める
- 1 本書き終わったら、フォーマットを横展開する前に振り返りを 1 回入れる
関連
- 計画書:
memo/2026-06-08/tax-content-strategy-plan.md - 使用予定スキル:
svg-diagram,drawio,content-management,turso - 関連リポジトリ: Book Knowledge Base(書籍データの OCR・章節化・Turso 格納)