半導体・AIの記事を1日で5本書いた日 — 韓国輸出単価の分岐からAIユーザー数のフェルミ推定まで
半導体・AIの記事を1日で5本書いた日 — 韓国輸出単価の分岐からAIユーザー数のフェルミ推定まで
気づいたら今日は半導体・AIの記事が5本たまっていた。朝の統計チェーンから生まれた輸出単価の記事、内閣府PDFの図解記事、英文分析記事の読解2本、Xのネタポストの事実確認から始まったフェルミ推定。執筆・図解・表示確認は Claude Code に任せて、自分は「何に注目するか」を決める係と「本当にそうか」を確かめる係に回った1日だった。
1日の流れ
セッションログの時刻で並べると、記事5本はこう積み上がった。
- 朝(5:55〜): /make-diary の毎朝チェーン。韓国の品目別6月確報を取り込む途中で単価の分岐に気づき、そのまま1本目を書かせる
- 午前(10:50〜): 前日に閣議決定された第Ⅱ期AI基本計画のPDFを図解記事に
- 午後(14:26〜): 英文分析記事の前編「Tokens per Watt」を読解メモに
- 午後(14:47〜): 後編「CMX vs CXL」も同じ形式で。理解確認の対話で銘柄の話に発展
- 夕方(15:05〜): Xのネタポストの真偽確認からフェルミ推定の記事へ
1. 韓国輸出単価の分岐 — 「AIサーバー向けは下がっていない」
毎朝の /make-diary チェーンで韓国の品目別半導体輸出に6月確報が入った。チャートを眺めていて手が止まったのが単価($/kg)の動きで、DRAM単体($77,531→$74,706)とSSD($22,383→$21,113)が初めて反落する一方、MCP(HBM含む)+12.3%・NAND +9.4%・DRAMモジュール +8.3% は上がり続けている。「DRAMモジュールとDRAMって何が違うんでしたっけ」という自分の疑問ごと、なぜ割れたのかを公開記事にまとめさせた。市況の裏取りは x-search で1本だけ入れさせている。
できあがった記事を読んで「これ、AIサーバー向けで見たら全然単価下がってないですよね」と返したら、品目をAIサーバーへの近さで並べ直すと序列がそのまま出るという整理が返ってきた。この結論を記事の冒頭に追記させて、導入が「単価が割れた」→「先に結論: 割れ方はAIサーバーへの近さの序列」という流れになった。
細かい往復も2つあった。1行に $ が2つあると数式(LaTeX)と解釈されて $ が消える罠を踏んでエスケープさせたのと、チャート右端のラベル見切れをラベル短縮で直させたもの。ついでに、内閣府の機械受注統計(電子計算機等)が2ヶ月分取り込み漏れだったのも同じ朝に見つけて追記させた。
詳細: メモリの輸出単価が割れ始めた — DRAM単体とSSDは反落、HBM・NANDは続伸
2. 第Ⅱ期AI基本計画を4枚のSVGに描き直す
7月14日に閣議決定された第Ⅱ期AI基本計画の概要PDFを、svg-diagram と doc-communication のスキル指定で図解記事にさせた。原文は 内閣府の概要資料(PDF)。
作らせたSVGは4枚。lintスクリプトで機械検証→デバッグChromeで1枚ずつ個別URLを開いて目視確認→記事ページ全体のスクリーンショット、という流れで表示崩れゼロまで確認させた。読みどころは、国の戦略が「AIを導入する」から「AIを前提に作り直す」へ変わったこと。中心概念の「AX」と、汎用モデルの正面競争を避けてバーティカルAI・フィジカルAIに投資を集中する構図が、図にすると一目でたどれる。
詳細: 第Ⅱ期AI基本計画を図解で読む
3. Tokens per Watt — 電力枠から何トークン絞り出すか
7月10日付の I/O Fund の英文分析記事を日本語で整理させた。著作権に配慮して逐語の全文訳ではなく、全セクション・全データポイント(ERCOTの438GW、PUE 1.09〜1.17、HBM対DDR5の5倍差、35倍スループットなど)を漏れなく拾う読書メモの形式で、SVG図解3枚を付けてまとめさせている。
電力を増やせない時代のAI推論は「同じ電力枠から何トークン絞り出せるか」で勝敗が決まる、という枠組みと、KVキャッシュがボトルネックになるメカニズムが頭に入った。
詳細: NVIDIAの次の戦場は「トークン/ワット」(未公開)
4. CMX vs CXL — 5倍差の理解確認と Astera Labs
続けて7月12日付の後編も同じ形式で、図解5枚と冒頭のエグゼクティブサマリー付きでまとめさせた。この記事で一番やったのは理解確認の対話。メモリ1TBの調達コストがGPU経由のHBMだと20万ドル超、DDR4なら4万ドル超という5倍超の開きについて、「メモリのコストが無視できない規模になってきたからこういう技術が出てきた、という理解でいいか」と聞いたら、より正確には「容量だけ欲しいのに、HBMはGPUと一体だからGPUごと買うしかない」という構造の非効率が出発点だ、と返ってきた。
どの銘柄にプラスかの議論では「コーニングは違うんですか」と投げて事実確認させた。音声入力が「アストララブズ」を「ステーブルディフュージョン」と書き起こす誤変換を言い直す一幕を挟みつつ、Astera Labs が Leo CXLメモリコントローラ・PCIeリタイマー・PCIeスイッチとAIサーバーの接続層をまとめて押さえる、CXLテーマの代表格だという整理に着地した。
詳細: KVキャッシュ争奪の2路線 — NVIDIA独自の「CMX」とオープン標準「CXL」(未公開)
5. 「AI利用者は800万人」の真偽とフェルミ推定
Xで「OpenAIが800万ユーザー」というネタポストが流れてきた。本当に800万人だったか公式発表を確認させるところから始めたら、実際はChatGPTの週間アクティブが8億人(2025年10月発表)→9億人(2026年2月発表)。「800M」のM(million)を日本語の「万」と読むとちょうど100分の1になる読み違いだった。そこから、2〜3年・5年・10年でAI利用者がどこまで増えるかのフェルミ推定を公開記事にまとめさせた。
チャートは形式を細かく指定した。潜在インターネット利用者61億人を上限(100%)に置き、現時点を真ん中、左が過去・右が未来という100分比の積み上げチャートをSVGで。lintが過去バーのラベルはみ出しを検出したので、ラベルを2行に分けて棒幅に収めさせた。
試算では2030年でも65%前後。「AIを前提に業務フローを組んだ会社がボコボコ出てきて既存企業を倒していくのは、まだ先だな」というのが率直な感想だった。一方で、個人の利用率と産業構造の置き換わりは別のS字カーブ(ネット利用率が5割を超えた頃でも小売のEC化率はまだ数%だった)という整理も返ってきた。自分としては、OpenAIがAmazon Echoを置き換えるような音声入力デバイスをほぼ原価で配って月額で回収する形にすれば、普及はもっと早いんじゃないかと思っている。この考察は「議論(追記)」セクションとして記事に足させた。
5本に共通したワークフロー
- 起点は毎回、自分の違和感か疑問。「単価が横ばいになってないか」「本当に800万人か」「コーニングは違うのか」。そこから先の執筆・図解・検証は任せる
- スキル指定(svg-diagram / doc-communication / content-management)→ SVGのlint機械検証 → devサーバーで描画の目視確認、という型が5本とも同じだった
- 数値は一次ソース(統計サイト・公式発表・原文記事)と突き合わせてから本文に載せさせる。ネタポストの「800万」も、まず公式発表の確認から入った
- 「この理解で合ってるか」の対話がそのまま記事の追記セクションになる。単価記事の冒頭の結論も、フェルミ推定記事の議論セクションも、会話から生まれた
学び
- 輸出単価は品目別に見ると「AIサーバーへの近さ」で強弱が割れる。合計金額だけ見ていると気づけない
- マークダウン記事で1行に $ を2つ書くとLaTeXと解釈される。ドル表記の多い統計記事では要エスケープ
- フェルミ推定は積み上げチャートの形式(上限・現在位置・時間軸)まで指定すると、数字の置き方の議論がしやすくなる
- 理解確認の質問は書き捨てにせず記事に還流させると、記事が対話の分だけ厚くなる