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基本のしくみ

夏から秋にかけてニュースでよく聞く「台風(たいふう)」。天気の単元の別のところで学ぶ「低気圧(ていきあつ)」と同じなかまとしての性質と、 台風だけがもつ特別な性質の両方をもっている。まずは台風の正体と、できあがるまでの流れを整理しよう。

台風の定義

熱帯(ねったい)の海の上で発生した低気圧(熱帯低気圧)のうち、中心付近の最大風速(さいだいふうそく)が17.2m/秒以上に 発達したものを「台風」とよぶ。風速がこの基準に届かないうちは「熱帯低気圧」のままで、台風とはよばれない。

台風ができるまでの流れ

台風は、いきなり強い渦(うず)としてできあがるのではなく、次のような順番で少しずつ育っていく。

  1. あたたかい熱帯の海面から、大量の水蒸気(すいじょうき)がさかんに立ちのぼる。
  2. 上昇した水蒸気が上空で冷やされ、次々と積乱雲(せきらんうん・入道雲)ができる。
  3. まわりにできた積乱雲どうしが集まって渦を巻きはじめ、中心に向かって風が吹きこむようになる。
  4. 中心付近の気圧がじゅうぶんに下がり、最大風速が17.2m/秒以上になったところで「台風」とよばれるようになる。

うずの巻き方は反時計回り(はんとけいまわり)

台風の正体は熱帯生まれの低気圧なので、風の吹きこみ方にも低気圧と同じ性質があらわれる。北半球(ほくはんきゅう)では、 低気圧の中心に向かって風は反時計回りに吹きこむという決まりがあり、台風もこれと同じ向きにうずを巻く。

台風を上から見た図(うずは反時計回り)反時計回りうずを巻く雲(積乱雲の集まり)(上が北の向き)

基本のしくみまとめ

  • 台風とよばれる基準:熱帯生まれの低気圧のうち、中心付近でいちばん強い風の速さが秒速17.2mをこえているかどうか
  • 台風をつくる雲:積乱雲(入道雲)
  • うずの巻き方:反時計回り(北半球の低気圧と同じ向き)
🌤️ 天気の変化台風

基本のしくみ

夏から秋にかけてニュースでよく聞く「台風(たいふう)」。天気の単元の別のところで学ぶ「低気圧(ていきあつ)」と同じなかまとしての性質と、 台風だけがもつ特別な性質の両方をもっている。まずは台風の正体と、できあがるまでの流れを整理しよう。

台風の定義

熱帯(ねったい)の海の上で発生した低気圧(熱帯低気圧)のうち、中心付近の最大風速(さいだいふうそく)が17.2m/秒以上に 発達したものを「台風」とよぶ。風速がこの基準に届かないうちは「熱帯低気圧」のままで、台風とはよばれない。

台風ができるまでの流れ

台風は、いきなり強い渦(うず)としてできあがるのではなく、次のような順番で少しずつ育っていく。

  1. あたたかい熱帯の海面から、大量の水蒸気(すいじょうき)がさかんに立ちのぼる。
  2. 上昇した水蒸気が上空で冷やされ、次々と積乱雲(せきらんうん・入道雲)ができる。
  3. まわりにできた積乱雲どうしが集まって渦を巻きはじめ、中心に向かって風が吹きこむようになる。
  4. 中心付近の気圧がじゅうぶんに下がり、最大風速が17.2m/秒以上になったところで「台風」とよばれるようになる。

うずの巻き方は反時計回り(はんとけいまわり)

台風の正体は熱帯生まれの低気圧なので、風の吹きこみ方にも低気圧と同じ性質があらわれる。北半球(ほくはんきゅう)では、 低気圧の中心に向かって風は反時計回りに吹きこむという決まりがあり、台風もこれと同じ向きにうずを巻く。

台風を上から見た図(うずは反時計回り)反時計回りうずを巻く雲(積乱雲の集まり)(上が北の向き)

基本のしくみまとめ

  • 台風とよばれる基準:熱帯生まれの低気圧のうち、中心付近でいちばん強い風の速さが秒速17.2mをこえているかどうか
  • 台風をつくる雲:積乱雲(入道雲)
  • うずの巻き方:反時計回り(北半球の低気圧と同じ向き)

台風のつくりと進路

ここでは、台風の内部のつくり、進行方向によって風の強さが変わるしくみ、そして月によって変わる進路の3つを、 分類しながら見ていこう。

① 台風の内部のつくり

台風を真上から見ると、中心から外側に向かって性質のちがう3つの部分に分けられる。

(雨・風ともにほぼない)目の壁雲(台風でもっとも風が強く雨も激しい)うずまき状の雨雲(渦を巻いて連なる積乱雲の帯)

② 進行方向で変わる風の強さ

台風は自分自身も移動しているので、うずの風の向きと進む勢いが重なる側と、打ち消し合う側ができる。 北へ進んでいる台風を例に見てみよう。

北へ進む台風の風の強さ進行方向(北)危険半円(進行方向の右側)強い風可航半円(進行方向の左側)弱い風右側は風が強め合い、左側は打ち消し合う

右側では、反時計回りに吹きこむ風の向きと、台風が北へ進む勢いの向きが同じになるため、風どうしが強め合う。 左側ではこの2つの向きが逆になるため、風が打ち消し合って弱くなる。風が強くなりやすい側を「危険半円(きけんはんえん)」、 比較的おだやかな側を「可航半円(かこうはんえん)」とよぶ。

③ 月によって変わる進路

台風の主な進路は、発生する月によって変わる。これは、夏に勢力を強める小笠原気団(おがさわらきだん)が、 どこまで張り出しているかによって、台風が北へ向きを変える位置(迂回する位置)が変わるためである。

日本南の海上で発生フィリピン方面6月7月8月9月10月

6月の台風は、小笠原気団のふちに沿って南の海上を西へ進み、フィリピン方面へ向かうことが多い。7月から9月に かけては、北へ向きを変える位置がしだいに東へ移り、8月・9月は日本列島の近くで向きを変えて列島付近を通る ため、本州への接近・上陸がもっとも多くなる。10月になると小笠原気団が南へ後退し、台風は日本の南から東の 沖合で北東へ向きを変えて、列島から離れた海上を進みやすくなる。ただしこれはあくまで傾向であり、進路は その年の小笠原気団の勢力によって毎年変わる。

間違えやすいポイント

  • 「台風の目の中がいちばん危険」と思われがちだが、実際にもっとも風が強く雨も激しいのは目を取り囲む 目の壁雲。目そのものは雨・風ともにほぼない。
  • 台風のうずの向き(反時計回り)を、高気圧の風の吹き出し方(時計回り)と混同しやすい。台風は低気圧のなかまなので 反時計回り、と整理して覚える。
  • 「危険半円」はいつも地図の東側にあるとはかぎらない。あくまで台風が進んでいる向きを基準にした右側のことなので、 台風の進む向きが変われば、危険半円の位置も変わる。
  • 台風の進路は毎年まったく同じではない。小笠原気団がどこまで勢力を伸ばしているかによって、迂回する位置は 年ごと・月ごとに変わる。

比較して覚えよう

台風は、いろいろな気象現象と比べることで理解が深まる。ここでは「熱帯低気圧と台風」「高気圧と台風」 「台風と温帯低気圧」「エルニーニョ現象とラニーニャ現象」の4つを表で整理しよう。

熱帯低気圧と台風のちがい

区分中心付近の最大風速呼び方
熱帯低気圧17.2m/秒未満台風とはよばれない
台風17.2m/秒以上台風とよばれる

どちらも熱帯の海でできる同じなかまの渦であり、ちがうのは風速の基準だけ。風が強まって基準を超えると、 呼び方が熱帯低気圧から台風に変わる。

高気圧と台風(低気圧)の風のふき方

区分風のふき方回転の向き中心付近の気流
高気圧まわりへ吹き出す時計回り下降気流
台風(低気圧)中心へ吹きこむ反時計回り上昇気流

台風と温帯低気圧のちがい

区分もとになる空気前線主な雲
台風あたたかくしめった熱帯の空気だけできない積乱雲が渦を巻いて集まる
温帯低気圧冷たい空気とあたたかい空気がぶつかるできる(温暖前線・寒冷前線)前線に沿って乱層雲や積乱雲などが分布

台風は性質の似たあたたかい空気だけからできるため前線ができない。一方、温帯低気圧は冷たい空気とあたたかい空気が ぶつかり合うところにできるので、必ず前線をともなう。この点が2つの低気圧の大きなちがいである。

エルニーニョ現象とラニーニャ現象

区分ペルー沖の海面水温日本の天候の傾向
エルニーニョ現象平年より1〜2℃高い冷夏・暖冬になりやすい
ラニーニャ現象平年より1〜2℃低い猛暑・寒冬になりやすい

どちらも数年に一度、南米ペルー沖の海面水温が平年からずれることで起こる現象。水温が高くなるか低くなるかで、 日本の天候への影響がちょうど逆になる点をセットで覚えておこう。

入試によく出るQ&A

Q. 台風と熱帯低気圧は、結局何がちがうの?

A. しくみそのものはまったく同じ渦。中心付近の最大風速が17.2m/秒に達しているかどうかだけで、呼び方が 変わるんだ。

Q. 台風はなぜ北半球で反時計回りに風が吹きこむの?

A. 台風の正体は熱帯生まれの低気圧。北半球では低気圧の中心に向かって反時計回りに風が吹きこむという 共通の性質があり、台風もこれにしたがっているんだ。

Q. 台風の目の中はどうして雨も風もほぼないの?

A. いちばん激しい雨と風は、目のすぐ外側を取り囲む「目の壁雲」に集中している。目の中心付近は まわりの壁雲にはさまれて、比較的おだやかな状態になりやすいんだ。

Q. エルニーニョ現象が起こると、日本はどうなりやすいの?

A. ペルー沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が起こると、日本では冷夏や暖冬になりやすい。逆に 水温が低くなるラニーニャ現象では、猛暑や寒冬になりやすいんだ。

実験で理解しよう

ここまで学んだ知識を使って、3つの例題に取り組んでみましょう。

例題 1:進行方向と風の強さ

下の図のように、ある台風が南西から北東(図の右上)に向かって進んでいる。図中のA地点は進行方向に対して 右側、B地点は左側にあたる位置にある。
(1) A地点とB地点では、どちらの風がより強くなると考えられますか。
(2) そのように考えられる理由を、台風のうずの巻き方と進行方向の関係から説明しなさい。

進行方向(北東)ABA:進行方向の右側 B:進行方向の左側

とき方

  1. 台風の中心には、反時計回りに風が吹きこんでいる
  2. 台風自身が進む向き(北東)を基準にすると、A地点は進行方向の右側、B地点は進行方向の左側にあたる
  3. 進行方向の右側では、反時計回りの風の向きと台風が進む勢いの向きが重なるため、風が強め合う
  4. 進行方向の左側では、この2つの向きが逆になるため、風が打ち消し合って弱くなる
  5. (1) 答 A地点 (2) 答 右側は反時計回りの風と台風の進む勢いが同じ向きに重なって強め合うが、左側は逆向きになって弱め合うため。

考え方のコツ:「右側・左側」は地図の東西南北ではなく、台風が進んでいる向きを基準にして判断する。 進む向きが変われば、風が強くなる側も一緒に変わる。

例題 2:高潮の計算

ある台風が接近し、観測地点付近の気圧が標準的な1013hPaから941hPaまで下がった。「吸い上げ効果」により、 気圧が1hPa下がるごとに海面は約1cm上昇するものとして、次の問いに答えなさい。
(1) 気圧は何hPa下がりましたか。
(2) 海面はおよそ何cm上昇すると考えられますか。

気圧の低下と海面の上昇(模式図)平常時 1013hPa台風接近時 941hPa海面上昇気圧が下がるほど、海面が持ち上がる「吸い上げ効果」が大きくなる

とき方

  1. 気圧の下がり方 = 1013 - 941 = 72hPa
  2. (1) 答 72hPa
  3. 海面上昇量 = 72hPa × 1cm/hPa = 72cm
  4. (2) 答 約72cm(0.72m)
例題 3:フェーン現象の計算

しめった空気のかたまりが、標高0m・気温25℃のA地点から山の斜面をのぼっていく。雲ができはじめた高さは 標高600m(B地点)で、標高1800mの山頂(C地点)までずっと雲がかかっていた。山頂をこえたあとは雲が消え、 そのまま風下側のふもとにある標高0mのD地点までふき下りた。空気のかたまりの温度は、雲がないときは 100mにつき1℃、雲ができている間は100mにつき0.5℃の割合で下がり、ふき下りるときは100mにつき1℃の割合で 上がるものとする。
(1) B地点、C地点の気温はそれぞれ何℃ですか。
(2) D地点の気温は何℃ですか。
(3) A〜D地点を気温の高い順に並べなさい。

雲ができるかわいた晴れA地点標高0m・気温25℃B地点標高600mC地点(山頂)標高1800mD地点標高0m100mごとに1℃低下100mごとに0.5℃低下100mごとに1℃上昇

とき方

  1. A→B(雲なし・標高差600m):600 ÷ 100 × 1 = 6℃低下。25 - 6 = 19℃(B地点)
  2. B→C(雲あり・標高差1200m):1200 ÷ 100 × 0.5 = 6℃低下。19 - 6 = 13℃(C地点)
  3. (1) 答 B地点 19℃、C地点 13℃
  4. C→D(風下側・標高差1800m):1800 ÷ 100 × 1 = 18℃上昇。13 + 18 = 31
  5. (2) 答 31℃
  6. 気温を比べると、D(31℃)> A(25℃)> B(19℃)> C(13℃)
  7. (3) 答 D → A → B → C

計算のコツ:雲ができている間だけ温度の下がり方がゆるやかになる(0.5℃/100m)。 風下側は雲が消えたあとの下降なので、雲をつくらずにのぼるときと同じ1℃/100mで計算する。 のぼるときに雲ができる分だけ気温が下がりにくいため、下ったあとの気温はもとの気温より高くなる。

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台風の定義について正しいものはどれ?