食塩水も、うすい塩酸も、砂糖水も、見た目はどれも「無色とう明の液体」です。 色やにおいだけでパッと見分けられる水溶液は、実はそう多くありません。 そこで理科では、いくつかの簡単な実験を組み合わせて、消去法(しょうきょほう)で正体を1つにしぼりこむという考え方を使います。
最重要ポイント:1つの実験だけで水溶液が確定することはほとんどない。 「蒸発させたら残った/残らなかった」「においがあった/なかった」「金属を入れたらとけた/とけなかった」…… こうした結果の組み合わせが、その水溶液だけの「指紋(しもん)」になる。
塩酸やアンモニア水のように、刺激臭(しげきしゅう)のある気体がとけた水溶液は、 びんの口に鼻を近づけて直接吸いこむと、のどや鼻をいためることがあります。 理科の実験では、手であおぐようにして、においを鼻元まで運んでかぐのが正しいやり方です。
候補が何種類もあるときは、いきなり正体を当てようとせず、 「まず蒸発させて2つのグループに分ける」→「次ににおいや指示薬でさらに分ける」→ 「最後に金属を入れて確定する」というように、手がかりを1つずつ増やして候補をへらしていくのがコツです。
📝 このセクションのまとめ
食塩水も、うすい塩酸も、砂糖水も、見た目はどれも「無色とう明の液体」です。 色やにおいだけでパッと見分けられる水溶液は、実はそう多くありません。 そこで理科では、いくつかの簡単な実験を組み合わせて、消去法(しょうきょほう)で正体を1つにしぼりこむという考え方を使います。
最重要ポイント:1つの実験だけで水溶液が確定することはほとんどない。 「蒸発させたら残った/残らなかった」「においがあった/なかった」「金属を入れたらとけた/とけなかった」…… こうした結果の組み合わせが、その水溶液だけの「指紋(しもん)」になる。
塩酸やアンモニア水のように、刺激臭(しげきしゅう)のある気体がとけた水溶液は、 びんの口に鼻を近づけて直接吸いこむと、のどや鼻をいためることがあります。 理科の実験では、手であおぐようにして、においを鼻元まで運んでかぐのが正しいやり方です。
候補が何種類もあるときは、いきなり正体を当てようとせず、 「まず蒸発させて2つのグループに分ける」→「次ににおいや指示薬でさらに分ける」→ 「最後に金属を入れて確定する」というように、手がかりを1つずつ増やして候補をへらしていくのがコツです。
📝 このセクションのまとめ
水溶液を蒸発皿に少しとって加熱すると、とけていたものの種類によって、あとに残るかどうかが変わります。 とけているものが固体か・液体か・気体かで、結果は次の3パターンに分かれます。
間違えやすい!「固体が残らない=気体がとけている」と決めつけないこと。 液体がとけた水溶液の多くも蒸発後は何も残らないが、うすい硫酸のように蒸発しにくい液体は例外的に残る。 蒸発だけで判断せず、他の手がかりと組み合わせよう。
うすい塩酸や水酸化ナトリウム水溶液は、金属をとかすはたらきがある。 ただしどの金属がとけるかは水溶液によって決まっていて、しかも金属によっても差がある。 この「とける・とけない」の組み合わせを利用すると、水溶液や金属の種類を絞りこめる。
アルミニウムだけの特別さ:アルミニウムは塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にもとける、めずらしい金属。 鉄・亜鉛・マグネシウムは塩酸だけ。金・銀・銅はどちらにもとけない。 「水酸化ナトリウム水溶液に入れてとけたら、その金属はアルミニウムだ」と決め手にできる。
リトマス紙やBTB溶液で酸性・中性・アルカリ性を見分ける方法、 石灰水(せっかいすい)に通すと白くにごる気体の見分け方は、それぞれ別のページでくわしく学習ずみのはずです。 水溶液の見分け方では、これらの結果をすでにわかっている前提知識として組み合わせて使うことが多いので、 忘れていたら見直しておこう。
水溶液が電流を通すかどうかも、判別の手がかりになります。 酸性・アルカリ性の水溶液(塩酸・炭酸水・水酸化ナトリウム水溶液・石灰水など)と食塩水は電流を通し、 砂糖水やアルコール水は電流を通しません。 同じ中性でも食塩水は通して砂糖水は通さないので、この2つを分ける決め手にもなります。
代表的な7つの水溶液について、蒸発・におい・酸性度のちがいを一覧にしました。 1つの列だけでは同じ結果になる水溶液があるので、複数の列を見比べて候補を絞りこみます。 ほとんどの水溶液はこれで1つに決まりますが、表だけでは決まらないペアには追加の実験が必要です。
| 水溶液 | とけているもの | 蒸発後 | におい | 酸性・中性・アルカリ性 |
|---|---|---|---|---|
| 食塩水 | 固体 | 白い結晶が残る | なし | 中性 |
| 砂糖水 | 固体 | 黒くこげて残る | なし | 中性 |
| うすい塩酸 | 気体 | 何も残らない | 刺激臭あり | 酸性 |
| アンモニア水 | 気体 | 何も残らない | 刺激臭あり | アルカリ性 |
| 石灰水 | 固体 | 白い固体が残る | なし | アルカリ性 |
| 炭酸水 | 気体 | 何も残らない | なし | 酸性 |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | 固体 | 白い固体が残る | なし | アルカリ性 |
見分けのコツ:「におい」だけでは塩酸とアンモニア水を区別できない(どちらも刺激臭)。 「蒸発後」だけでは食塩水と石灰水を区別できない(どちらも固体が残る)。 どちらのペアも、もう1列(酸性・アルカリ性)を見ればすぐ区別できる。 ただし石灰水と水酸化ナトリウム水溶液は、この表のどの列を見ても同じ結果なので、表だけでは区別できない。 この2つは、二酸化炭素(息)を吹きこむと石灰水だけが白くにごるという追加の実験で区別する。 なお、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液は、金属を入れる実験にもよく使われる(前セクション参照)。
水溶液を見分ける考え方は、実験室の外でも応用できます。 なめて確かめるのは危険なので、いつも「加熱」「におい」「反応」など、安全な方法を選びましょう。
Q. 塩酸とアンモニア水はどちらも刺激臭があります。どうやって区別しますか。
A. リトマス紙やBTB溶液で酸性・アルカリ性を調べます。塩酸は酸性、アンモニア水はアルカリ性なので、区別できます。
Q. 食塩水と石灰水はどちらも蒸発させると固体が残ります。区別する方法は?
A. 赤色リトマス紙につけます。石灰水はアルカリ性なので青色に変わりますが、食塩水は中性なので変化しません。
Q. アルミニウムを塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の両方に入れると、どうなりますか。
A. どちらの液にもとけて、あわ(水素)が出ます。アルミニウムは酸にもアルカリにもとけるめずらしい金属です。
Q. 鉄とアルミニウムを区別する、いちばん簡単な方法は?
A. 水酸化ナトリウム水溶液に入れます。アルミニウムだけがとけてあわを出し、鉄はとけずに残るので区別できます。
Q. 銅とアルミニウムを区別する、いちばん簡単な方法は?
A. うすい塩酸に入れます。アルミニウムはとけてあわを出しますが、銅はまったく反応しません。
ここまで学んだ「蒸発」「におい」「指示薬」「金属反応」を実際に組み合わせて使ってみましょう。 1つの実験結果だけで決めつけず、複数の結果をつなげて考えるのがポイントです。
食塩水・うすい塩酸・石灰水・炭酸水が、それぞれ別のビーカーA〜Dに入っています(順番はわかりません)。 次の実験結果から、A〜Dの水溶液をそれぞれ答えなさい。
実験1:A〜Dをそれぞれ蒸発皿にとって加熱すると、AとCでは白い固体が残り、 BとDでは何も残らなかった。
実験2:AとCに赤色リトマス紙をつけると、Aだけ青色に変化した。
実験3:BとDのにおいを手であおいでかぐと、Bだけ刺激臭があった。
とき方
鉄粉・アルミニウム粉・銅粉をよくまぜた粉があります。これを次の手順で分けました。
手順1:混合粉末に水酸化ナトリウム水溶液を加えると、あわを出しながら一部がとけた。とけ残りをろ過して取り出した。
手順2:手順1のとけ残りにうすい塩酸を加えると、あわを出しながらさらに一部がとけた。とけ残りをろ過して取り出した。
(1) 手順1でとけた粉は何ですか。 (2) 手順2でとけた粉は何ですか。 (3) 最後にとけ残った粉は何ですか。 (4) もし手順1と手順2の水溶液を逆の順番で使ったら、何が困りますか。
とき方
順番がポイント:アルミニウムは塩酸にもとけてしまうので、 先に水酸化ナトリウム水溶液でアルミニウムだけを取りのぞいてから、 塩酸で鉄を取り出す順にすると、3種類をきれいに分けられる。
同じ濃さの塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を体積を変えて混ぜ、次の3つの液を作りました (体積の計算はここでは行いません)。
液A:塩酸の方が多く残っていて、酸性を示す。
液B:塩酸と水酸化ナトリウム水溶液がちょうど過不足なく反応し、中性を示す。
液C:水酸化ナトリウム水溶液の方が多く残っていて、アルカリ性を示す。
それぞれの液に、同じ大きさの鉄片とアルミニウム片を1つずつ入れました。結果を答えなさい。
| 液 | 性質 | 鉄片 | アルミニウム片 |
|---|---|---|---|
| 液A | 酸性 | とける(あわ) | とける(あわ) |
| 液B | 中性 | とけない | とけない |
| 液C | アルカリ性 | とけない | とける(あわ) |
とき方
📝 水溶液を見分ける4つの手順