酸性の水よう液とアルカリ性の水よう液を混ぜると、それぞれの性質がだんだん弱まっていき、 うまく釣り合うとどちらの性質も感じられなくなります。この反応を中和(ちゅうわ)といいます。 中和が起きると、もとの水よう液にとけていたものとはまったくちがう新しい物質ができます。
最重要ポイント:中和が起きると、必ず「塩(えん)」と「水」の2つができる。 塩酸と水酸化ナトリウム水よう液が中和すると「食塩+水」、炭酸水と石灰水が中和すると「炭酸カルシウム+水」ができる。
酸性とアルカリ性がちょうど過不足(かふそく)なく打ち消し合い、水よう液が中性になることを 完全中和(かんぜんちゅうわ)といいます。 一方、酸性・アルカリ性のどちらかが多く、一部しか打ち消し合えなかった場合は 部分中和(ぶぶんちゅうわ)となり、水よう液には酸性またはアルカリ性の性質が残ります。
完全中和:酸とアルカリのどちらも残らず、水よう液は中性になる
部分中和:多い方の性質だけが残り、水よう液は酸性またはアルカリ性のまま
濃さが変わらない同じ2つの水よう液を使うかぎり、完全中和する体積の比はいつも一定です。 たとえば、ある塩酸P 30cm3と、ある水酸化ナトリウム水よう液Q 40cm3を混ぜるとちょうど中性になったとします (体積比 P:Q=30:40=3:4)。この比さえわかれば、量が変わっても計算で求められます。
📝 例題:Qを100cm3用意したら、必要なPは?
比はいつも P:Q=3:4。Q=100cm3のとき、 P=100×3/4=75cm3。 「たくさん用意したから、その分だけ多く混ぜればよい」と考え、比の形をくずさずに計算するのがコツです。
📝 このセクションのまとめ
酸性の水よう液とアルカリ性の水よう液を混ぜると、それぞれの性質がだんだん弱まっていき、 うまく釣り合うとどちらの性質も感じられなくなります。この反応を中和(ちゅうわ)といいます。 中和が起きると、もとの水よう液にとけていたものとはまったくちがう新しい物質ができます。
最重要ポイント:中和が起きると、必ず「塩(えん)」と「水」の2つができる。 塩酸と水酸化ナトリウム水よう液が中和すると「食塩+水」、炭酸水と石灰水が中和すると「炭酸カルシウム+水」ができる。
酸性とアルカリ性がちょうど過不足(かふそく)なく打ち消し合い、水よう液が中性になることを 完全中和(かんぜんちゅうわ)といいます。 一方、酸性・アルカリ性のどちらかが多く、一部しか打ち消し合えなかった場合は 部分中和(ぶぶんちゅうわ)となり、水よう液には酸性またはアルカリ性の性質が残ります。
完全中和:酸とアルカリのどちらも残らず、水よう液は中性になる
部分中和:多い方の性質だけが残り、水よう液は酸性またはアルカリ性のまま
濃さが変わらない同じ2つの水よう液を使うかぎり、完全中和する体積の比はいつも一定です。 たとえば、ある塩酸P 30cm3と、ある水酸化ナトリウム水よう液Q 40cm3を混ぜるとちょうど中性になったとします (体積比 P:Q=30:40=3:4)。この比さえわかれば、量が変わっても計算で求められます。
📝 例題:Qを100cm3用意したら、必要なPは?
比はいつも P:Q=3:4。Q=100cm3のとき、 P=100×3/4=75cm3。 「たくさん用意したから、その分だけ多く混ぜればよい」と考え、比の形をくずさずに計算するのがコツです。
📝 このセクションのまとめ
同じ塩酸と水酸化ナトリウム水よう液を混ぜても、混ぜる量の比によって できあがる水よう液の性質は3パターンに分かれます。それぞれ何が残るのかを、粒(つぶ)のモデルで見比べてみましょう。
中和でできる塩(えん)は、水へのとけやすさによって2タイプに分けられます。
水にとけやすい塩:食塩(塩酸+水酸化ナトリウム水よう液から生じる)など。水よう液は透明のまま。
水にとけにくい塩:炭酸カルシウムなど。水よう液が白くにごる原因になる。
石灰水(アルカリ性)に炭酸水(酸性)を加えると中和が起こり、水にとけにくい炭酸カルシウムができるため、 水よう液全体が白くにごります。これも中和の一種で、「酸性+アルカリ性→塩+水」の形はまったく同じです。
間違えやすい!「中和=塩酸と水酸化ナトリウムの組み合わせだけ」だと思いこまない。 石灰水と炭酸水(二酸化炭素がとけた水)の組み合わせも立派な中和で、 水にとけにくい塩(炭酸カルシウム)ができる点が、食塩ができる場合とのちがいです。
水酸化ナトリウム水よう液に塩酸を少しずつ加えていく実験を例に、 「酸性が残っている・ちょうど完全中和・アルカリ性が残っている」の3段階で、 色・温度・電流・金属の反応がどう変わるかをまとめます。
| 項目 | 酸性が残る | ちょうど完全中和 | アルカリ性が残る |
|---|---|---|---|
| BTB液の色 | 黄色 | 緑色 | 青色 |
| 水よう液の温度 | ピークを過ぎて下がる | いちばん高い | 中和が進むほど上がる |
| 電流の流れやすさ | 流れやすい | いちばん流れにくい | 流れやすい |
| アルミニウムを入れると | あわ(水素)が出てとける | あわは出ない・とけない | あわ(水素)が出てとける |
| 鉄を入れると | あわ(水素)が出てとける | あわは出ない・とけない | あわは出ない・とけない |
覚え方のコツ:アルミニウムは「酸性でもアルカリ性でもとける」金属、 鉄は「酸性でだけとける」金属。鉄はあわが出なくても「完全中和」なのか「アルカリ性が残っている」のか区別がつきません。 あわが出ない=完全中和と判定できるのはアルミニウムのほうです。
中和後の水よう液を蒸発させて固体を取り出す実験では、 「どちらに、どちらを加えたか」によって、完全中和後のグラフの形が変わります。
パターン1:アルカリ性の水よう液に塩酸を加える
完全中和後は、加えた塩酸がすべて蒸発するので固体の重さは変わらない。
パターン2:塩酸にアルカリ性の水よう液を加える
完全中和後も、加えたアルカリ性の水よう液にとけていた分だけ固体は増え続ける。
なぜちがう?完全中和のときに残る固体はどちらのパターンも同じ「塩」。 パターン1は完全中和後に加える塩酸が液体のまま蒸発してしまうので増えないが、 パターン2は完全中和後に加えるアルカリ性の水よう液にとけていた固体成分が、 反応せずにそのまま残るので増え続ける。
Q. 完全中和した水よう液は、必ず食塩水になる?
A. 使う酸とアルカリの組み合わせによります。塩酸と水酸化ナトリウム水よう液なら食塩水になりますが、炭酸水と石灰水なら炭酸カルシウムをふくむ水よう液になります。組み合わせごとに「できる塩」を確認しましょう。
Q. なぜ完全中和のときに電流がいちばん流れにくくなるの?
A. 電流の流れやすさは水よう液中にとけているイオンの量に関係します。完全中和では酸性・アルカリ性のもとになるイオンがほぼ使い切られるため、電流が流れにくくなります。
Q. アルミニウムでも鉄でも、あわが出なくなれば完全中和と判断してよい?
A. アルミニウムならよいですが、鉄はいけません。アルミニウムは酸性でもアルカリ性でもあわを出し、完全中和のときだけあわを出しません。いっぽう鉄はアルカリ性が残っていてもあわを出さないので、鉄だけで「あわが出ない=完全中和」と判断するのは危険です。
Q. 部分中和の水よう液を蒸発させると、何が残る?
A. できた塩(例:食塩)と、反応しきれずに余った酸またはアルカリの2種類が混じって残ります。「1種類だけ」と即答しないように注意しましょう。
塩酸P、水酸化ナトリウム水よう液Qは例題ごとに別のものを使います (こさが同じなのは、それぞれの例題の中だけ。例題をまたいでこさは比べられません)。 どの例題でも、P と Q は体積比 P:Q=3:4 のときにちょうど完全中和します。
Q液100cm3が入ったビーカーに、P液を60cm3加えたところ、 水よう液はまだアルカリ性のままだった。この水よう液を完全中和させるには、 あと何cm3のP液を加えればよいか。
とき方
ポイント:「あと何cm³?」と聞かれたら、まず全体で必要な量を先に出してから、 すでに加えた分を引き算する。いきなり引き算せず、2段階で考えるのがコツ。
Q液40cm3が入ったビーカーに、P液を少しずつ加えて蒸発させ、 残った固体の重さを調べたところ下の表のようになった。
| 加えたP液〔cm3〕 | 10 | 20 | 30 | 40 |
|---|---|---|---|---|
| 残った固体〔g〕 | 3.4 | 3.8 | 4.2 | 4.2 |
(1) P液を10cm3加えたときに残る固体3.4gの内訳(食塩と水酸化ナトリウム)をそれぞれ求めなさい。
(2) このQ液40cm3に、もともととけていた水酸化ナトリウムは何gか。
とき方
ポイント:完全中和までの固体は「食塩」と「残っている水酸化ナトリウム」の合計。 食塩は加えたP液の体積に比例して増えるので、完全中和のときの重さから比例配分で求められる。
P液45cm3が入ったビーカーに、Q液を少しずつ加えていく実験を行った。 Q液を60cm3加えたところで完全中和し、残った固体は9.0gの食塩だけだった。 さらにQ液を加えて合計80cm3にしたところ、残った固体は11.0gになった。
(1) このときの固体11.0gの内訳(食塩と水酸化ナトリウム)を求めなさい。
(2) このQ液は、100cm3あたり何gの水酸化ナトリウムをふくんでいるか。
とき方 (1)(2):残る固体のグラフ
次に、P液45cm3に加えるQ液の量を変えた混合液を、別々のビーカーに用意した。 それぞれのビーカーにアルミニウムはくを入れ、発生する水素の体積を調べると、 下の表のようになった(アルミニウムはくはどのビーカーでもとけ残っている)。
| 加えたQ液〔cm3〕 | 0 | 20 | 40 | 60 | 80 | 100 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 発生した水素〔cm3〕 | 90 | 60 | 30 | 0 | 90 | 180 |
とき方:アルミニウムの水素グラフ
入試ポイント:アルミニウムを使った実験のグラフは、完全中和の点で水素の発生量が いったん0になる「V字」の形になる(左右のかたむきは同じとは限らない)。0になった点を見つければ、完全中和の体積を直接読み取れる。
📝 中和の計算 4つの手順