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🍃 基本のしくみ

基本のしくみ

葉っぱをじっと見ても見えないけれど、植物の葉や茎(くき)の表面には、とても小さな「すきま」がたくさん開いている。 このすきまを気孔(きこう)という。植物はこの気孔を通して、体の中の水を外に出しているんだ。

気孔(きこう)…葉や茎の表面にある小さなすきま。孔辺細胞(こうへんさいぼう)という三日月形の細胞2つにはさまれている。

孔辺細胞…気孔をつくる2つの細胞。形が変わることで、気孔を開いたり閉じたりする。

気孔の開閉のしくみ

気孔は、いつも同じ大きさで開いているわけではない。2つの孔辺細胞が水を吸ってふくらむと弓なりに曲がってすきまが広がり(開く)水が減ってまっすぐに近づくとすきまがせまくなる(閉じる)んだ。

孔辺細胞気孔(すきま)葉緑体開いたとき閉じたとき孔辺細胞の形が変わることで、すきまの広さが変わる

葉にできる気孔の数は表とうらで同じではなく、ふつうは、うら側の方が表側より数が多い。ただし、スイレンやウキクサのように葉を水面にぷかぷか浮かべて生きている植物は例外で、 うら側がずっと水と接しているため、気孔は表側だけについている。くわしい分布のちがいは次のセクションで見ていくよ。

蒸散ってなに?

植物は根から水を吸い上げて、体じゅうに送っている。でも、そのすべてを体づくりに使うわけではない。 体に残った余分な水を、水蒸気(すいじょうき)として気孔から外に出すこと蒸散(じょうさん)というんだ。

水を吸収水の通り道葉(気孔)水を送りこむ水蒸気として放出(余分な水)葉に運ばれた水の9割以上が、水蒸気として出ていく!

蒸散がさかんになる5つの条件

この条件がそろうと、蒸散はさかんになる

  1. 気温が高いとき:水が蒸発しやすくなる。
  2. 日光が当たるとき:気孔が開いて、蒸散がすすむ。
  3. 雨のあと:土の中の水分が多く、根から水を吸い上げやすい。
  4. 風が強いとき:葉のまわりの水蒸気が吹き飛ばされ、次の蒸散がすすみやすい。
  5. 空気がかわいているとき:まわりの湿度が低いほど、水蒸気は出ていきやすい。

蒸散の3つの役目

役目1 体内の水分量の調節:葉に運ばれた水のうち、じつに9割以上が蒸散によって放出される。

役目2 体温の調節:水が水蒸気に変わるとき、まわりから熱をうばう(気化熱(きかねつ)という)。これで葉の温度が上がりすぎるのをふせぐ。

役目3 吸水をうながすはたらき:蒸散で水分が減ると、根毛(こんもう)から新しい水を吸収しようとする力がはたらく。

🌱 植物蒸散

基本のしくみ

葉っぱをじっと見ても見えないけれど、植物の葉や茎(くき)の表面には、とても小さな「すきま」がたくさん開いている。 このすきまを気孔(きこう)という。植物はこの気孔を通して、体の中の水を外に出しているんだ。

気孔(きこう)…葉や茎の表面にある小さなすきま。孔辺細胞(こうへんさいぼう)という三日月形の細胞2つにはさまれている。

孔辺細胞…気孔をつくる2つの細胞。形が変わることで、気孔を開いたり閉じたりする。

気孔の開閉のしくみ

気孔は、いつも同じ大きさで開いているわけではない。2つの孔辺細胞が水を吸ってふくらむと弓なりに曲がってすきまが広がり(開く)水が減ってまっすぐに近づくとすきまがせまくなる(閉じる)んだ。

孔辺細胞気孔(すきま)葉緑体開いたとき閉じたとき孔辺細胞の形が変わることで、すきまの広さが変わる

葉にできる気孔の数は表とうらで同じではなく、ふつうは、うら側の方が表側より数が多い。ただし、スイレンやウキクサのように葉を水面にぷかぷか浮かべて生きている植物は例外で、 うら側がずっと水と接しているため、気孔は表側だけについている。くわしい分布のちがいは次のセクションで見ていくよ。

蒸散ってなに?

植物は根から水を吸い上げて、体じゅうに送っている。でも、そのすべてを体づくりに使うわけではない。 体に残った余分な水を、水蒸気(すいじょうき)として気孔から外に出すこと蒸散(じょうさん)というんだ。

水を吸収水の通り道葉(気孔)水を送りこむ水蒸気として放出(余分な水)葉に運ばれた水の9割以上が、水蒸気として出ていく!

蒸散がさかんになる5つの条件

この条件がそろうと、蒸散はさかんになる

  1. 気温が高いとき:水が蒸発しやすくなる。
  2. 日光が当たるとき:気孔が開いて、蒸散がすすむ。
  3. 雨のあと:土の中の水分が多く、根から水を吸い上げやすい。
  4. 風が強いとき:葉のまわりの水蒸気が吹き飛ばされ、次の蒸散がすすみやすい。
  5. 空気がかわいているとき:まわりの湿度が低いほど、水蒸気は出ていきやすい。

蒸散の3つの役目

役目1 体内の水分量の調節:葉に運ばれた水のうち、じつに9割以上が蒸散によって放出される。

役目2 体温の調節:水が水蒸気に変わるとき、まわりから熱をうばう(気化熱(きかねつ)という)。これで葉の温度が上がりすぎるのをふせぐ。

役目3 吸水をうながすはたらき:蒸散で水分が減ると、根毛(こんもう)から新しい水を吸収しようとする力がはたらく。

気孔の分布と出入りする気体

気孔は葉ならどこにでも同じ数だけあるわけではない。葉の表側とうら側で数がちがうし、 水面に葉を浮かべる植物では、さらに特別なつき方をしている。ここでは気孔の「つき方」のパターンと、 気孔を出入りする気体の種類を整理しよう。

気孔のつき方には2つのパターンがある

ふつうの植物の葉表側:気孔は少ないうら側:気孔が多い例:サクラ・アサガオなど、ほとんどの陸上の植物水に浮く葉(スイレン・ウキクサなど)表側:気孔が多いうら側:気孔なし(水にふれている)うら側に気孔があると水でふさがれてしまう

ふつうの植物では、気孔は葉の表側よりうら側に多い。ところがスイレンやウキクサのように葉を水面に浮かべる植物では、 うら側がずっと水にふれたままになる。もしそこに気孔があると、ワセリンをぬったときと同じように水で気孔がふさがれて使えなくなってしまう。 だから、これらの植物では気孔が表側だけについているんだ。

気孔から出入りする気体は全部で3種類

気孔は水蒸気だけの出口ではない。植物の3つのはたらきが、同じ気孔を通して気体をやり取りしているよ。

蒸散水蒸気が出る(入ってくる気体はなし)いつでも起こる光合成二酸化炭素が入る酸素が出る日光がある昼間だけ呼吸酸素が入る二酸化炭素が出る1日中(昼も夜も)

間違えやすいポイント

  • 気孔は「うら側だけ」にあるわけではない。表側にも少しはあるけれど、数がうら側よりずっと少ないだけ。
  • スイレン・ウキクサのような水に浮く葉は例外。気孔は表側だけにしかない。
  • 蒸散は「水蒸気を出すだけ」で、代わりに何かが入ってくるわけではない。光合成・呼吸とはこの点がちがう。
  • 光合成は日光がある昼間だけ行われるが、呼吸は昼も夜も休まずに行われている。「植物は夜だけ呼吸する」は誤り。

比較して覚えよう

葉の表とうらをくらべると、気孔の数だけでなく、蒸散のようすや色の変化の速さまでちがってくる。 表にまとめて整理しよう。

葉の表 vs 葉のうら

気孔の数(イメージ)葉の表少ない葉のうら多い※水面に浮く葉(スイレンなど)は例外で、表側だけに気孔がある
くらべる項目葉の表側葉のうら側
気孔の数(ふつうの葉)少ない多い
蒸散の量(ふつうの葉)少ない多い
塩化コバルト紙の変化の速さおそい早く赤(桃)色になる
水面に浮く葉(例外)の気孔気孔がある気孔はない(水にふれている)

塩化(えんか)コバルト紙で蒸散を目で見る

塩化コバルト紙は、水分のあるなしで色が変わる試験紙。乾いているときと、水分がついたときの色をおさえておこう。

状態
かわいているとき青色
水分がついたとき赤(桃)色

実験でのポイント

葉の表とうらに、それぞれ乾いた青色の塩化コバルト紙をはりつけると、気孔の多いうら側の方が先に赤(桃)色に変化する。 これは、うら側の方が蒸散がさかんで、紙に水分がつくのが早いからだよ。

蒸散の3つの役目(もう一度整理)

役目内容たとえるなら
水分量の調節葉に運ばれた水の9割以上を放出する体の中に水をためすぎない
体温の調節水が蒸発するときに、まわりから熱をうばう(気化熱)汗(あせ)をかいて涼しくなるのと同じ
吸水をうながす蒸散で水分が減ると、根から新しい水を吸収しようとするストローの先から水を吸い出す

入試によく出るQ&A

Q. 気孔はなぜ、ふつう葉のうら側に多いの?

A. 葉の表側は日光を強く受ける面。うら側に気孔を多く配置することで、効率よく水蒸気やガスのやり取りをしていると考えられている。 ただし、水面に葉を浮かべる植物ではうら側が水にふれてしまうため、表側だけに気孔がある例外になる。

Q. 塩化コバルト紙を葉の表とうらに1枚ずつはったら、どちらが早く色が変わる?

A. うら側が早く赤(桃)色に変わる。気孔が多く、蒸散がさかんなので、紙に水分がつくのが早いからだよ。

Q. 蒸散で水分を出してしまうのは、植物にとって「もったいない」こと?

A. そうではないよ。蒸散には「体内の水分量の調節」「体温の調節(気化熱)」「吸水をうながす」という3つの大切な役目がある。 余分な水を出しつつ、体を守るしくみなんだ。

Q. 雨が降った直後や、風が強い日に蒸散が増えるのはなぜ?

A. 雨のあとは土に水が多く、根から水を吸い上げやすくなるから。風が強いと、葉のまわりにたまった水蒸気が吹き飛ばされて、 次の水蒸気が出ていきやすくなるからだよ。

実験で理解しよう

蒸散の実験でよく問われるのは、塩化コバルト紙の色の変化と、水の減少量の差し引き計算の2つ。 例題で練習しよう。

例題 1:塩化コバルト紙の色の変化

ある植物の葉の表とうらに、同じ大きさに切った乾いた青色の塩化コバルト紙をそれぞれ1まいずつはりつけ、 日光の当たる場所に置いた。30分後に見ると、うら側の紙はすでに赤(桃)色に変化していたが、 表側の紙はまだ青色のままだった。①塩化コバルト紙は、水分がつくと何色から何色に変化するか。 ②この結果からわかることを説明しなさい。

かわいているとき青色
→ 水分がつくと →
水分がついたとき赤(桃)色

とき方

  1. 塩化コバルト紙は、乾いているときは青色で、水分がつくと赤(桃)色に変化する試験紙。
  2. うら側の紙が先に赤色になった、ということは、うら側の方が先に多くの水蒸気(蒸散)にふれたということ。
  3. 気孔は葉のうら側に多いので、うら側の方が蒸散がさかん。だから紙の色の変化も早い。
  4. 答え:①青色から赤(桃)色に変化する。②うら側の方が気孔が多く蒸散がさかんなため、水蒸気にふれる量が多く、色の変化が早く起こる。
例題 2:水の減少量から蒸散量を求める(1)

つばきの枝を使って、下のⅠ〜Ⅳの試験管を用意した。すべての試験管の水面には食用油を1てき浮かせ、 水面からの水の蒸発を防いである。一定時間後、水の減少量は図のようになった。葉のうら側からの蒸散量は 何mLか。求め方も書きなさい。

何もぬらない10.0mL減茎にワセリン8.5mL減葉の表にワセリン7.5mL減葉のうらにワセリン4.0mL減

とき方

  1. ワセリンをぬった場所からは蒸散が起こらないと考える。それぞれの試験管で蒸散が起きている場所を書き出す。
  2. Ⅰ(何もぬらない)= 茎+表+うら=10.0mL
  3. Ⅱ(茎にワセリン)= 表+うら=8.5mL
  4. Ⅲ(表にワセリン)= 茎+うら=7.5mL
  5. Ⅳ(うらにワセリン)= 茎+表=4.0mL
  6. 「Ⅰ(茎+表+うら)-Ⅳ(茎+表)=うら」なので、10.0-4.0=6.0mL
  7. 答え:6.0mL(Ⅰ-Ⅳで求める)

べつの式でも確かめてみよう。Ⅰ-Ⅲ=10.0-7.5=2.5mLは表からの蒸散量。Ⅱ(表+うら=8.5mL)から表の2.5mLを引くと、 8.5-2.5=6.0mLとなり、同じ答えになる。

例題 3:水の減少量から蒸散量を求める(2)

アサガオの新しい枝を使って、下の①〜⑤の装置をつくった。容器はみな同じ大きさ・重さで、はじめの重さはどれも300gだった。 ②はすきとおったふくろをかぶせて密閉したもので、ふくろの内外の空気は出入りしない。ふくろをかぶせても、 水面から水が蒸発する量は①と同じであるものとする。4時間後に重さを計ったところ、水の減少量は図のようになった。 次の問いに答えなさい。
(1) 葉だけから蒸発した水の重さは何gか。
(2) 茎から蒸発した水の重さは何gか。
(3) 求めた③・⑤の値を使って、うら側だけで蒸発した水は何gになるか計算しなさい。
(4) ③〜⑤の結果から、葉の表とうらのどちらがより多くの水を蒸発させているか答え、その理由を12字以内で説明しなさい。

何もぬらない17g減とうめいなふくろで密閉4g減葉の表にワセリン14g減葉のうらにワセリン9g減葉の両面にワセリン6g減

とき方

  1. ① 何もぬらない = 茎+表+うら+水面 = 17g減
  2. ② ふくろで密閉 = 水面からの蒸発のみ(葉からの蒸散はふくろの中にとどまる) = 4g減
  3. ③ 表にワセリン = 茎+うら+水面 = 14g減
  4. ④ うらにワセリン = 茎+表+水面 = 9g減
  5. ⑤ 両面にワセリン = 茎+水面(葉からの蒸散はゼロ) = 6g減
  6. (1) 葉だけ = ①-⑤ = 17-6 = 11g
  7. (2) 茎だけ = ⑤-② = 6-4 = 2g
  8. (3) 葉のうらだけ = ③-⑤ = 14-6 = 8g(葉の表だけは④-⑤=9-6=3gなので、(1)の11gと表3g・うら8gの内訳も一致する)
  9. 答え:(1) 11g (2) 2g (3) 8g (4) うら側の方が多く蒸発する。理由:気孔がうらに多いから。

解くときのコツ

  • ワセリンをぬった場所は「蒸散が起こらない」と考える。それぞれの装置でどこから蒸散が起きているかを書き出そう。
  • 水面からの蒸発は、油を浮かせるかふくろで密閉することで防ぐ。実験の前提条件を必ず確認しよう。
  • 差し引き計算は「全体-一部を除いたもの=求めたい部分」の形にする。同じ答えをちがう式で確かめると計算ミスに気づきやすい。
  • 単位(mL・g)をそろえてから引き算する。
0 / 10
Q1 / 10
「気孔」とはどのようなものか。