Micron 総能力 2028Q4560K WPM2025Q1比 75%
HBM向け能力 2028Q4130K WPM2025Q1比 225%
Non-HBM 2028Q4430K WPM2025Q1比 54%
HBM比率 2028Q423.2%2025Q1時点は 12.5%

読み方

2027-2028年に段差

2026年までは台中の既存ライン増強でつなぐ。広島1γ・Boise ID1・苗栗銅鑼P5の3拠点が立ち上がる 2027-2028年に総能力が大きく伸び、月間560K WPMへ到達する前提。

HBM比率は上昇するが…

HBM向け能力は月間40K WPM → 130K WPMへ伸びる。 ただし業界レポートは「HBM比率拡大に伴う生産効率低下で、実ビット供給増加率は制限される」と指摘する。

Non-HBMは Manassas が支える

車載・産業・防衛・医療向けのDDR4/LPDDR4は Manassas 拠点が長期供給を担う。 AIサーバー向けと汎用DRAM向けで Fab の役割が明確に分かれている。

アナリスト見方サマリー

2026年6月時点のセルサイドレポートを要約した数値。市場は供給ひっ迫の長期化を織り込み始めているが、 継続期間の織り込みは依然として不十分との評価。

目標株価$1,050従来 $520 → $1,050(約2倍へ引き上げ)
先行PER(市場)4倍 → 11倍3月末以降の再評価。供給ひっ迫の長期化織り込み
EPS予想 上方修正2026年 +4% / 2027年 +48%DRAM価格上方修正の反映
DRAM価格 26年見通し5月QT +40% / 8月QT +15%一部製品群で +20% 超の値上げも議論
CapEx見通し2027年 $44B / 2028年 $40B市場コンセンサスを大きく上回る
自社株買い2027-28 合計 $50BCHIPS法制限緩和で2027年から再開見込み

Micron主要拠点マップ

米国・日本・台湾の3地域に分けて、Micron主要DRAM拠点をピンで配置した。 Manassas(バージニア州)は首都ワシントンDC近郊、Boise(アイダホ州)は米国北西部、 広島は西日本、台中と苗栗・銅鑼は台湾中部に位置する。

四半期表記について:本ページの Q1/Q2/Q3/Q4 はすべてカレンダー年(CY)の暦四半期。 たとえば 25Q1 は 2025年1〜3月。Micron の会計年度(FY)は前年9月〜当年8月で1四半期ぶんズレるため、 混同しないよう各時点に暦月を併記している。

米国

Boise(先端DRAM新Fab) / Manassas(長期供給)

Boise, IdahoBoise ID1Manassas, VirginiaManassas Fab

Boise ID1

米国本社隣接の先端DRAM新Fab

建設中
  • 製品ライン先端DRAM(1γ世代以降)
  • 立ち上げ2027年以降に段階寄与

CHIPS法補助対象。本社(Boise)隣接で研究開発と量産を一体化。

月間キャパシティ推移(KWPM) 25Q1→28Q4 純増 +75K WPM
時点能力スケール前回比動き
25Q12025年1-3月0K
建設中(基礎工事)
25Q42025年10-12月0K
±0クリーンルーム工事
26Q42026年10-12月10K
+10パイロットライン初期出力
27Q42027年10-12月50K
+40量産ランプ
28Q42028年10-12月75K
+25フェーズ1フル稼働

スケール: 0 〜 260K WPM(全Fab共通。台中が飽和水準で、他Fabがそこにどう積み上がるかを比較できる)

Manassas Fab

長期供給向けFab

稼働中・拡張中
  • 製品ライン1α DRAM(DDR4/LPDDR4・車載・産業・防衛・医療)
  • 立ち上げ稼働中

HBM能力ではなくNon-HBMの下支え。米国東部・首都圏に近く、政府/防衛系の長期供給拠点。

月間キャパシティ推移(KWPM) 25Q1→28Q4 純増 +35K WPM
時点能力スケール前回比動き
25Q12025年1-3月45K
既存ライン安定稼働
25Q42025年10-12月45K
±0車載・産業向け需要堅調
26Q42026年10-12月65K
+20拡張ライン装置投入
27Q42027年10-12月75K
+10長期供給契約に向けた増強
28Q42028年10-12月80K
+5防衛・医療含む長期供給ピーク

スケール: 0 〜 260K WPM(全Fab共通。台中が飽和水準で、他Fabがそこにどう積み上がるかを比較できる)

日本

広島Fab(EUV戦略拠点)

広島県東広島市広島Fab

広島Fab

1γ DRAM・EUV戦略拠点

稼働中・EUV導入準備
  • 製品ライン1γ DRAM(EUV採用)
  • 立ち上げ2027年から段階寄与

台湾偏重を補完するEUV拠点。業界全体のEUV装置不足下で戦略的位置づけが高まる。

月間キャパシティ推移(KWPM) 25Q1→28Q4 純増 +35K WPM
時点能力スケール前回比動き
25Q12025年1-3月60K
既存1β稼働中
25Q42025年10-12月65K
+51β歩留改善・装置追加
26Q42026年10-12月70K
+5EUV搬入・PoCライン稼働
27Q42027年10-12月85K
+151γ EUV量産立ち上げ
28Q42028年10-12月95K
+101γフル稼働で能力ピーク

スケール: 0 〜 260K WPM(全Fab共通。台中が飽和水準で、他Fabがそこにどう積み上がるかを比較できる)

台湾

台中 / 苗栗・銅鑼 P5

台中台中(Taichung)キャンパス銅鑼(苗栗縣)苗栗・銅鑼 P5

台中(Taichung)キャンパス

DRAM主力Fab(A1/A2/A3)

稼働中・装置投入で先端化
  • 製品ライン1β/1γ DRAM, HBM3E ベースダイ
  • 立ち上げ稼働中(継続増強)

2025-2026年の能力増加の中心。HBM3E向け1βや1γ DRAMをここで作る。

月間キャパシティ推移(KWPM) 25Q1→28Q4 純増 +35K WPM
時点能力スケール前回比動き
25Q12025年1-3月215K
既存A1/A2/A3稼働
25Q42025年10-12月230K
+15装置投入で先端ノード比率↑
26Q42026年10-12月245K
+151βピーク・HBM3E向け増強
27Q42027年10-12月250K
+51γ移行で先端化が安定化
28Q42028年10-12月250K
±0台中は飽和。新規はTongluo側へ

スケール: 0 〜 260K WPM(全Fab共通。台中が飽和水準で、他Fabがそこにどう積み上がるかを比較できる)

苗栗・銅鑼 P5

先端DRAM/HBM新Fab

建設・装置搬入
  • 製品ライン1γ DRAM・次世代HBM
  • 立ち上げFY2028から出荷寄与

PSMCから取得した30万平方フィートクリーンルーム。2027-2028年の段差を作る主役。

月間キャパシティ推移(KWPM) 25Q1→28Q4 純増 +60K WPM
時点能力スケール前回比動き
25Q12025年1-3月0K
クリーンルーム改修
25Q42025年10-12月0K
±0装置搬入準備
26Q42026年10-12月0K
±0装置搬入・トライ運用
27Q42027年10-12月0K
±0量産前のクオリ段階
28Q42028年10-12月60K
+60FY2028から段階寄与

スケール: 0 〜 260K WPM(全Fab共通。台中が飽和水準で、他Fabがそこにどう積み上がるかを比較できる)

能力ロードマップ

DRAM前工程能力(月間KWPM)を四半期で並べた。橙色が Non-HBM、赤系が HBM向け。 クリックで拡大表示。

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Micron capacity roadmap

台中の既存増強で2026年までをつなぎ、広島・Boise・Tongluo P5が2027-2028年の段差を作る。

月間KWPM0200400600320402803305028025Q2340602803407027025Q4340702703608028026Q2380803003909030026Q440010030042010032027Q244010034046011035027Q449012037050012038028Q254012042056013043028Q4台中A1/A2/A3広島1γ / BoiseTongluo P5Manassas長期供給Non-HBMHBM向け棒内数字: 内訳 / 上部数字: 合計

拠点別の論点

台中(Taichung): 2025-2026年の主役

台湾・台中キャンパスは Micron DRAM の主力Fab。A1/A2/A3 を中心に装置投入とノード移行を進め、 HBM3E ベースダイ向け 1β や次世代 1γ DRAM をここで作る。新工場の一気立ち上げではなく、 既存ラインの先端化と HBM 向け配分の増加として 2025-2026 年の能力を積み上げる。

苗栗・銅鑼 P5(Tongluo P5): 2027-2028年の段差

PSMC から取得した約30万平方フィートの 300mm クリーンルーム。先端 DRAM と HBM 供給拡大の主役で、 FY2028 から意味のある出荷寄与が出る前提。1拠点で 2028 年の能力増加分すべてを説明するわけではなく、 台中の継続増強、広島、Boise と合わせて月間560K WPMへ積み上げる。

広島Fab: 1γ DRAM・EUV戦略拠点

日本・東広島の Fab は 1γ DRAM と EUV 導入の戦略拠点。台湾偏重を補完し、2027-2028 年にかけて 先端 DRAM 能力の厚みを作る。業界全体で EUV 装置不足が能力拡大の制約要因として顕在化しており、 EUV 確保が早い拠点ほど立ち上がりの遅れリスクが小さい点で広島の重要度は高い。

Boise ID1: 米国本社隣接の先端DRAM新Fab

Boise は Micron の本社所在地で、研究開発と量産を一体化する米国先端 DRAM 拠点。 CHIPS 法補助の対象として位置づけられ、2027 年以降の能力増加に寄与する。 ただし建設・立ち上げのスケジュールが長く、初期出力からの段階寄与として読む。

Manassas(バージニア): 長期供給拠点

米国東部・首都ワシントンDC近郊の Manassas Fab は、1α DRAM を使った DDR4/LPDDR4 系の長期供給拠点。 車載・産業・防衛・医療など、AI サーバー向けとは別の長サイクル需要を支える。 HBM 能力ではなく Non-HBM 側の下支えとして読む。

四半期別の能力推移

Micron 単独の月間ウェハ処理能力(KWPM)。HBM 向けと Non-HBM を分けて並べた。

四半期Micron 総能力うち HBM向けうち Non-HBMHBM比率
2025Q1320K WPM40K WPM280K WPM12.5%
2025Q2330K WPM50K WPM280K WPM15.2%
2025Q3340K WPM60K WPM280K WPM17.6%
2025Q4340K WPM70K WPM270K WPM20.6%
2026Q1340K WPM70K WPM270K WPM20.6%
2026Q2360K WPM80K WPM280K WPM22.2%
2026Q3380K WPM80K WPM300K WPM21.1%
2026Q4390K WPM90K WPM300K WPM23.1%
2027Q1400K WPM100K WPM300K WPM25.0%
2027Q2420K WPM100K WPM320K WPM23.8%
2027Q3440K WPM100K WPM340K WPM22.7%
2027Q4460K WPM110K WPM350K WPM23.9%
2028Q1490K WPM120K WPM370K WPM24.5%
2028Q2500K WPM120K WPM380K WPM24.0%
2028Q3540K WPM120K WPM420K WPM22.2%
2028Q4560K WPM130K WPM430K WPM23.2%

資本配分(CapEx・自社株買い)

CapEx見通し

セルサイドは Micron の設備投資を 2027 年 $44B、2028 年 $40B と置く。市場コンセンサスを大きく上回る水準。 短期的には余剰キャッシュフローの負担要因だが、減価償却費の増加影響は管理可能と評価。

自社株買い再開

CHIPS 法に関する制限の緩和を背景に、Micron は 2027 年から自社株買いを再開できる見込み。 2027-2028 年で合計 $50B 規模の自社株買いを実施するシナリオが置かれている。

株価・PER

先行 PER は 3 月末以降 4 倍 → 11 倍へ拡張済み。それでもセルサイドの目標株価は従来 $520 から $1,050 へ 約 2 倍へ引き上げ。市場が構造変化を「方向としては」織り込み始めたが、継続期間の織り込みは依然として不十分との見方。

構造的供給不足の論点

  • AIインフラのボトルネックがDRAMへ移行ハイパースケーラーはAI競争力確保のために高い価格を支払う意思を維持。供給面では、クリーンルーム確保とEUV装置不足が能力拡大を制限している。
  • HBM比率拡大 → 実ビット供給の伸びは抑制業界全体の設備投資は過去比でかなり高水準だが、HBMの比率拡大と生産効率の低下で、実際のビット供給増加率は限定的になる。
  • 新工場の本格稼働は2027-2028年広島・Boise・Tongluo P5の段差は2027-2028年に集中。建設・立ち上げのスケジュールが長いため、その後も供給拡大ペースは限定的に留まる。
  • DRAM/NAND ともに供給不足が長期化DRAMだけでなくNANDも供給ひっ迫が深刻化。最低でも2-3年以上続く可能性。市場は構造変化を織り込み始めたが、継続期間の織り込みは依然として不十分との評価。

出典と前提

  • 能力数値は DRAM前工程能力 ページと同一の四半期シナリオを採用。
  • アナリスト見方の数値(目標株価・PER・CapEx・自社株買い・EPS)は公開証券レポートの要約であり、Micron公式の業績ガイダンスではない。
  • 地図上の拠点は緯度経度から簡易投影で配置した概略図。正確な敷地境界・スケールは公式資料を参照する。