KYEC(King Yuan Electronics / 京元電子)は台湾に本社を置く世界最大規模のテスト専業 OSAT。パッケージング事業も併せ持つ他の大手 OSAT と異なり、ウェハテスト(プロービング)・ファイナルテスト・バーンインテストといった「テスト工程」に特化している点が最大の特徴。公式サイト: KYEC

観察の角度

  • AI 半導体テストの中核: NVIDIA GPU をはじめとする AI 半導体向けに、高度で長時間のバーンインテスト環境を提供できる中核企業としてプレゼンスを高めている
  • 量産強度の先行指標: GPU の量産が立ち上がる局面ではテスト時間・テスト装置の稼働が先に逼迫する。月次売上は AI 半導体の量産強度を読む体温計
  • パッケージングを持たない分、ASE(フルライン)/ Powertech(メモリ特化)とは別の純粋な「テスト需要」のシグナルとして読める

月次売上(月營収)単位: 億NT$(折れ線は前年同月比 %)

月次売上と前年同月比(YoY)の推移

月次売上(月營収)(億NT$) ── 直近29ヶ月 月次売上(億NT$)前年同月比(YoY %)2025年2026年010203040502825292122232324232424252423262828282931333433333432363738前年同月比(YoY, %)-50%-25%0%+25%+50%+10%+1%+7%-20%-19%-20%-18%-18%-18%-16%-14%-12%-15%-9%-9%+34%+25%+25%+25%+32%+40%+42%+35%+33%+41%+41%+36%+35%+37%'24/1'24/2'24/3'24/4'24/5'24/6'24/7'24/8'24/9'24/10'24/11'24/12'25/1'25/2'25/3'25/4'25/5'25/6'25/7'25/8'25/9'25/10'25/11'25/12'26/1'26/2'26/3'26/4'26/5
  • 出所: FinMind(TaiwanStockMonthRevenue)。元データは NTD 実額を 1e8 で除し「億NT$」へ正規化。
  • 前年同月比は (当月 − 前年同月) / 前年同月 × 100。テスト専業 OSAT 最大手(京元電子)。NVIDIA GPU 等 AI 半導体のウェハテスト・バーンインテスト需要を映す代理指標として読む。

アプリケーション別 / プロセス別 売上ブレイクダウン単位: 億NT$(構成比 × 四半期売上で金額換算・蘇州子会社除外ベース)

KYEC の開示はアプリケーション別・プロセス別とも構成比(%)のみのため、チャートは構成比 × 四半期売上で金額換算した推定値(積み上げ合計 = 四半期売上)。 AI/HPC を切り出した独立カテゴリはなく Data Processing に含まれる。同比率は 1Q24 の 19.0% → 1Q26 の 33.9% へ拡大しており、 プロセス別でも長時間テストの Final test(43.5% → 58.9%)と Burn-in(3.1% → 7.3%)が伸びている。

アプリケーション別 売上の推移(積み上げ・金額換算)

0501001501Q242Q243Q244Q241Q252Q253Q254Q251Q2611221760122516651525167017231773212913732532148430341511933238161110035321914102億NT$Data Processing(AI/HPC含む)ConsumerCommunicationAutomotiveIndustrialOthers

Data Processing(マゼンタ・AI/HPC 含む)が金額ベースで 1Q24 約11億 → 1Q26 約35億へ約3倍。 Communication は構成比で 28.8% → 18.9% へ縮小し、AI シフトがミックスを塗り替えている。

プロセス別 売上の推移(積み上げ・金額換算)

0501001501Q242Q243Q244Q241Q252Q253Q254Q251Q2626216028256533247035237333277348268454289360301006033102億NT$Burn-in(バーンイン)Final testWafer probeAssemblyOthers

Burn-in(マゼンタ)は 3Q25 に構成比 9.0% でピーク。法說會では Burn-in 装置ロードマップに「AI Chips 1000W」「GPU 700W」「3000W 液冷バーンイン炉量産」の言及があり、AI 半導体の長時間テスト需要が伸びを支える。 1Q24 の Assembly 14.4% は蘇州子会社(封裝主体・2024年売却)込みの可能性が高く、急低下は売却の影響が大きい。

アプリケーション別 構成比(% / 会社開示の原数値)

四半期1Q242Q243Q244Q241Q252Q253Q254Q251Q26
四半期売上(億NT$)59.865.470.473.073.283.692.999.7101.9
Data Processing19.0%19.0%21.0%22.8%28.1%29.4%32.8%32.2%33.9%
Consumer36.7%37.6%35.0%32.1%39.6%38.0%36.7%37.8%31.1%
Communication28.8%24.5%23.0%23.1%17.5%16.8%16.0%16.2%18.9%
Automotive10.7%12.2%12.3%12.1%11.3%11.3%11.5%10.8%13.3%
Industrial4.1%5.8%7.1%7.6%3.1%2.8%2.7%2.7%2.4%
Others0.7%1.0%1.6%2.3%0.4%1.7%0.3%0.3%0.4%

プロセス別 構成比(% / 会社開示の原数値)

四半期1Q242Q243Q244Q241Q252Q253Q254Q251Q26
Wafer probe35.4%37.7%34.0%31.9%37.2%31.1%30.4%30.2%32.1%
Final test43.5%43.4%46.8%48.6%45.7%57.9%58.2%60.1%58.9%
Burn-in3.1%4.9%6.8%6.4%6.7%7.2%9.0%7.7%7.3%
Assembly14.4%8.5%7.1%7.1%6.8%2.8%2.0%1.5%1.4%
Others3.6%5.5%5.3%6.0%3.6%1.0%0.4%0.5%0.3%
粗利率(連結)33.0%35.3%35.9%34.8%33.5%35.5%36.0%37.7%39.7%
  • 出典: 台湾 MOPS 掲載の KYEC 法人說明會簡報(各四半期 p.6 の円グラフ記載値)。2Q25 のみ法說會がなく、KYEC 公式サイト「每季營運報告」(中文)で補完。
  • 会社開示は構成比(%)のみで金額は非開示。チャートの金額は「構成比 × 四半期売上」で算出した推定値(合計=四半期売上になるよう構成)。
  • 売上は中国蘇州子会社(京隆科技、2024年売却)を除外したベース。ただし 1Q24 の構成比のみ蘇州子会社込みの可能性が高く(円グラフに除外注記なし)、Assembly 14.4% → 2Q24 8.5% の急低下は事業トレンドではなく子会社売却の影響が大きい。
  • AI/HPC を切り出した独立カテゴリはなく「Data Processing(資料處理)」に含まれる。同比率は 1Q24 の 19.0% → 1Q26 の 33.9% へ拡大しており、これが AI 牽引の主要シグナル。法說會では NVIDIA が顧客リスト筆頭で、Burn-in 装置ロードマップに「AI Chips 1000W」「GPU 700W」「3000W 液冷バーンイン炉量産」の言及あり。
  • プロセス別では Final test が 43.5% → 58.9% へ拡大、Burn-in も 3.1% → 7.3%(ピーク 3Q25 9.0%)へ上昇。AI 半導体の長時間テスト需要がミックスを変えている。