図の左右にある磁石から、磁力線がまっすぐ横に伸びている。その中でコイルが回ると、導線が磁力線を横切っていく。この「横切る」ことが電気の発生する条件になる。
導線の中の自由電子は、磁力線を横切るときに横向きの力を受ける。この力が電子を導線の一方向へまとめて押し出す。これが起電力の正体で、丸印の中の記号(⊗=奥へ、⊙=手前へ)が、そのとき電子の押されている向きを示している。
スライダーを動かすと分かるとおり、回す速さを上げても巻き数を増やしても、電圧は同じように上がる。速く回せば単位時間に横切る磁力線が増え、巻き数を増やせば横切る導線の本数が増える。どちらも「横切る量」を増やしているので、効く方向は同じになる。
そして電圧が 1.8V を超えるまでLEDは光らない。速さが足りなくても、巻き数が足りなくても光らない。実物の実験でつまずいたのが、まさにここだった。
波形を見ると、電圧はプラスとマイナスを行き来している。コイルが半回転すると、導線が磁力線を横切る向きが逆になるからで、これが交流にあたる。
そこで実物のモーターには整流子が入っている。コイルが半回転するたびに接点を入れ替え、マイナス側の波を強制的にプラス側へ折り返す部品だ。ボタンで切り替えると波が下に落ちなくなる。手回し発電機から一定向きの電気を取り出せるのは、この部品による。
市販のモーターは中身が見えないので、コイルを自分で巻いて「巻き数を変えると電圧が変わる」を確かめるのが一番わかりやすい。
LEDを直接つないでも一瞬すぎて見えない。コンデンサを挟んで「溜めてから光らせる」と、巻き数の差が点灯時間の差という目に見える数字になる。