IMAXレーザーとソアリンの没入感を比べて、体感型の上映でウケる映画の型を調べた

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IMAXレーザーとソアリンの没入感を比べて、体感型の上映でウケる映画の型を調べた

池袋のグランドシネマサンシャインで、IMAXレーザーの『オデュッセイア』を観た。 画面は大きく、音響もすごかった。 同じ設備で、ほかの映画も観てみたいと思った。

そして昨日(10月1日)、東京ディズニーシーで「ソアリン:ファンタスティック・フライト」に乗り、映画館の大画面とは別の種類の没入感を味わった。 二つを比べるうちに、「アトラクションのような映像で、ウケるのはどんな映画なのか」を知りたくなったので、上映予定と過去の評判を調べた。

IMAXレーザーで観た『オデュッセイア』は、すごいがつらかった

映像と音の迫力は、ふつうのスクリーンとは別物だった。 一方で、172分の上映のあいだトイレをかなり我慢していた。 途中では、パニック障害のような状態にもなった。 客席は人で埋まり、目の前には巨大な画面があり、音が大きくて耳が痛い。 とにかく落ち着かなかった。

慣れの問題かもしれない。 ただ、体験として耐えられるのは1時間ぐらい、2時間ならぎりぎり我慢できる、というのが正直な感覚だった。

ソアリンの5分間には、IMAXレーザー以上の没入感があった

ソアリンは、巨大なドーム型のスクリーンの前で座席ごと持ち上げられ、世界の名所の上を飛ぶアトラクションである。 風が吹き、匂いもする。 やっていることは5分ほど空を飛ぶだけだが、体験としてとても新鮮だった。

映像は多少CGっぽい。 それでも没入感は、IMAXレーザーより上だと感じた。 同時に、映像としては工夫できる余地がまだたくさんありそうだとも思った。 空を飛ぶような映画をこういうシアターで観られたら面白いし、ディズニーランドのようなテーマパークが、こういう映画を取り入れても面白い。

気になるのは採算である。 設備投資と、1回に入れられる客の数を考えると、チケットの単価はかなり高くなりそうで、ビジネスとしては合わない気がした。

体感型の上映でウケてきた映画の型

調べると、IMAXや体感型のシアターで評価の高い映像は、おおむね三つの型に分かれた。

カメラが観客の体になって飛ぶ、落ちる、漂う

ソアリンと同じ系統の型である。

  • To Fly!(1976年、27分):空を飛ぶ体験そのものを題材にした初期のIMAX作品。世界興収は約1億2,070万ドルで、2004年に抜かれるまで「史上最高興収のドキュメンタリー」だった。ソアリンの直系の先祖と言える
  • ゼロ・グラビティ(2013年、91分):映像の大半はCGだが、宇宙空間に放り出される体感で高く評価された。CGでも没入感は作れるという、ソアリンで感じたことの実例になっている
  • トップガン マーヴェリック(2022年、131分):戦闘機の実機にIMAXカメラを6台積んで撮った。日本ではIMAX、4DX、ScreenXなどのラージフォーマットが高稼働し、興収の67.8%を地方の劇場が占めるという、洋画大作としては珍しい広がり方をした

トップガンが話題になっていた理由は、これでよく分かった。 実機で撮った空の映像を、池袋のIMAXレーザーで観るべきだったのだ。 観ておけばよかったと思う。

巨大な実景のなかに、人が小さく写る

  • Everest(1998年、約45分):大型スクリーン向けのドキュメンタリーとして史上最高の興収で、世界で1億4,700万ドルを超える
  • ダンケルク(2017年、106分)やアポロ11(2019年、93分)もこの型で評価が高く、2時間以内に収まる

スクリーンの映像に、風や物理的な仕掛けを足す

ソアリンの風や匂いを、もっと大きな規模でやっている例がある。 ラスベガスの球体型シアター「Sphere」で上映している『オズの魔法使い』では、竜巻の場面で強力な送風機が回り、座席が雷に合わせて揺れ、紙の葉が煙と一緒に舞う。 スポンジでできたりんごが客席に降り、ドローンの「空飛ぶ猿」が場内を飛ぶ。 1939年の映画を、この劇場向けに作り直したものである。

三つの型に共通すること

一つ目に、本来の長さは短い。 IMAXのドキュメンタリーは40分前後、ソアリンは5分ほどである。 IMAXはもともと科学館や博物館で上映する短いドキュメンタリーから始まった形式で、3時間の劇映画は後から加わった使い方である。 1時間くらいがちょうどいいという自分の感覚は、この形式の本来の姿に合っていた。

二つ目に、評価を分けるのは実写かCGかよりも、カメラの動かし方だと思われる。 空や地平線が見えていて、カメラがゆっくり長く動く映像ほど没入しやすい。 細かいカット割りや激しい揺れは、酔いや疲れにつながりやすい。

池袋のIMAXで、これからかかる作品

2026年10月2日時点で、グランドシネマサンシャイン池袋のIMAXの上映作品と予定は次のとおりである。

作品公開日上映時間1〜2時間に収まるか
オデュッセイア9月4日172分収まらない
ディスクロージャー・デイ10月1日145分収まらない
DIGGER/ディガー10月9日129分ぎりぎり
バイオハザード10月9日未確認未確認
耳をすませば 4Kデジタルリマスター10月23日111分収まる
借りぐらしのアリエッティ 4Kデジタルリマスター10月23日94分収まる
ゴジラ-0.011月3日未確認未確認

2時間以内に収まるのは、10月23日からのジブリの2本だけだった。 『借りぐらしのアリエッティ』は、小人の目線で巨大な家を見る話で、上の「人が小さく写る」型にそのまま当てはまる。 『耳をすませば』には、バロンと一緒に空を飛ぶ空想の場面がある。 どちらも短く、落ち着いて観られる作品である。

風や匂いの演出があるという点でソアリンに近いのは、4DXのような体感型の上映である。 ただ、いま池袋の4DXでかかっているのはアニメ映画3本と、183分の『アベンジャーズ/エンドゲーム』の再上映で、1〜2時間で空を飛ぶ体験を味わえる作品は見当たらなかった。 To Fly!やEverestのような短いIMAXドキュメンタリーも、日本の一般の映画館ではほとんど上映されていない。

ビジネスとして採算は合うのか

一般の映画館で、上映のたびに高い単価を取る形は、やはり厳しいと思われる。 採算を合わせている例は、二つの形に分かれた。

一つは、観光地の名物にする形である。 Sphereは建設費が約23億ドルで、チケットは最低でも79ドル、売れ筋は119ドル前後と高い。 そのかわり、1日に何回も上映している。 2026年1〜3月期は、この施設だけで約2億6,600万ドルを売り上げ、前年同期から69%増えた。 同じ四半期に『オズの魔法使い』は209回上映された。

もう一つは、テーマパークの入場料に含める形で、ソアリンがこれにあたる。 アトラクション単体では採算を取らず、パーク全体の価値として回収している。

ふつうの映画館では合わないという見立ては、ほぼ当たっていた。 合わせるには、観光地やテーマパークのように、その場所に行くこと自体を目的にしてもらう必要がある。

次にIMAXで観るときの工夫

画面の圧迫感と、途中で席を立てない不安を減らすには、後方の列で、中央寄りの通路側の席を取るとよい。 音が耳に痛いときは、音域を問わず均等に音量を下げる音楽用の耳栓を使う手もある。

出典

#映画#IMAX#東京ディズニーシー#体感型シアター#Sphere