アナレンマ ── 太陽が描く8の字を3つの視点で見る

1年間、毎日同じ時刻に同じ場所から太陽を撮ると、空に「8の字」が浮かび上がる。
なぜそうなるのか。公転軌道俯瞰地軸の傾き断面観測者の空の3視点を同時に動かして確かめる。

見方のガイド
  1. ▶ 再生を押す。3つのビューが同じ「日付」で連動して動く。
  2. プリセットを B → C → D の順に切り替えると、8の字が「縦揺れ(地軸の傾き)」と「横揺れ(楕円軌道)」に分解できる。
  3. 観測緯度を赤道シドニーに変えると、同じ8の字でも見える高さと向きが変わる。

① 公転軌道(俯瞰)

北極側から見下ろした太陽-地球系。公転は反時計回りで、近日点(1月)で速く、遠日点(7月)で遅い。再生すると1月付近で動きが速まるのがわかる。 → なぜ反時計回り? 見る側で向きが変わる解説

近日点(1月)遠日点(7月)春分夏至秋分冬至地球公転面(北極側から・反時計回り)
離心率 e = 0.0167(俯瞰図は ×18 で強調表示)

② 地軸の傾き(太陽から見た断面)

地軸の向きは宇宙に対して固定。だが地球が公転するので、太陽側への傾き(=赤緯 δ)は ±23.4° の間で1年かけて振れる。いまは +0.0°。

公転面N (北極)S太陽から見た地球(断面)太陽側への傾き +0.0°南北ほぼ均等(春分・秋分ごろ)

③ 観測者の空(北緯35.7°)

平均太陽時 12:00 に空を見上げた図。1年分つなげると 8 の字。今日の太陽の道(日の出〜日の入)も薄く表示。

子午線西春分夏至秋分冬至縦: 高度 / 横: 子午線からの東西ずれ(点線 2°間隔)
なぜ8の字? パターン切替で確かめる
3月21日春分
速度3
23.4°
0.017
観測緯度35.7°
太陽の赤緯 δ
+0.00°
地軸の傾き ±23.4° の間で変動
均時差 EoT
-7.8 分
視太陽時 − 平均太陽時。+ なら太陽が時計より早く南中
正中高度(南の空)
54.30°
= 90° − |緯度 − 赤緯|。太陽が子午線を横切るときの高さ
太陽の見かけ位置
-1.96° / 54.25°
子午線からの東西ずれ(東−西+)/ 高度

なぜ8の字になるのか

鍵は2つの効果が異なる周期で重なること。

  1. 地軸の傾き(縦軸): 地球の自転軸は公転面に対し常に 23.44° 傾いたまま。だから太陽の赤緯は 1年で +23.44°(夏至) ↔ −23.44°(冬至)を行き来する。 → 縦に揺れる。周期は年1回。
  2. 均時差(横軸): 楕円軌道だから公転速度が一定でない。さらに赤道面と黄道面が傾いているせいで、視太陽の進み方も一定でない。結果、平均太陽時 12:00 ちょうどでも、太陽の南中が ±16 分ずれる。 → 横にも揺れる。傾き由来の成分は年2回周期、楕円由来の成分は年1回周期。

縦1周期 × 横2周期 = リサジュー図形 → 8の字。 この分解はプリセットで確かめられる。B(傾きだけ)でも横揺れの年2回成分は残るので対称な細い8の字になり、C(楕円だけ)は縦揺れが消えて横一文字、D で両者が合成されて実際の非対称な8の字(下が大きく上が小さい)になる。

3つの視点の対応

  • ① 公転俯瞰 で地球が近日点(1月)に来るとき: ② 太陽側への傾きは −23.44° 付近(北半球が影側) → ③ アナレンマでは正中高度が低い(8の字の下端付近)。
  • ① 遠日点(7月): ② 傾きは +23.44° 付近(北半球が太陽側) → ③ 正中高度が高い(8の字の上端付近)。
  • ② 太陽側への傾きが 0°(地軸がまっすぐ立って見える)とき: 春分 or 秋分。③ アナレンマは8の字の交点付近を横切る。

再生して観察すると、3ビューが同時に動く。8の字を生む2つの揺れ(南北の高度・東西の時刻ずれ)が、軌道と地軸の幾何にどう紐づくかが見える。