CRWDCrowdStrike
直近8四半期 決算ビート × 株価モニタリング
株価推移 × 売上ビート率
点の色: 大幅ビート 軽ビート 軽ミス 大幅ミス。点の大きさはビート率の絶対値。 / 末尾「直近」は2026-09-04時点の終値(決算とは独立)。
売上・EPS 推移:実績 vs アナリスト予想
CrowdStrike(CRWD)はクラウド配信型のサイバーセキュリティ企業。Falcon センサーと呼ぶ単一の軽量エージェントを端末・サーバー・クラウドワークロードに入れ、そこから集めたテレメトリを自社プラットフォームで解析して侵入を検知・遮断する。売上はほぼ全額がサブスクリプションで、決算で市場が見るのは売上そのものより ARR(年間経常収益)と、その四半期の増加分である純新規 ARR になる。売上は既契約の期間按分なので動きが鈍く、当期に取った受注の強さは純新規 ARR に出るためである。顧客が使うモジュールを増やすほど1顧客あたり ARR が積み上がる構造で、複数モジュールを枠でまとめ買いする Falcon Flex がその拡大を加速させている。AI は2つの経路で業績に効く。ひとつは攻撃側の変化で、生成 AI によって攻撃が速く・安く・大量になるほど防御需要が増える。もうひとつは守る対象そのものの拡大で、企業が AI エージェントを業務に組み込むと、人間ではない ID とモデルへの入出力が新しい攻撃面になる。CrowdStrike はここを AIDR(AI Detection and Response)として製品化しており、FY27Q2 では AIDR の ARR が前四半期比でほぼ3倍になった。会計年度は1月末締め。FY27Q2(2026年8月26日発表)で純新規 ARR が過去最高の $333M・前年同期比+51% と加速し、通年の純新規 ARR 成長ガイドを 630bp 引き上げて +34% とした。半導体・ハードウェアから始まった AI の業績寄与が、AI を「守る側」のソフトウェアへ波及する過程を観測するために追加した銘柄。
| 項目 | FY25Q3 2024/11/26 | FY25Q4 2025/3/4 | FY26Q1 2025/6/3 | FY26Q2 2025/8/27 | FY26Q3 2025/12/2 | FY26Q4 2026/3/3 | FY27Q1 2026/6/3 | FY27Q2 2026/8/26 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 重要イベント | 初の四半期売上$1B超え。EPSは+14.8%と大幅ビートだが、次QのEPSガイドが予想を下回り翌日は-4.6% | EPSを約2割上回る。ただし非GAAP税率を22.5%へ変更した影響で次QのEPSガイドが予想比-31.6%となり-6.3% | EPSは+10.6%とビートも、売上・次Q売上ガイドがともに予想割れ。純新規ARRの減速が嫌気され-5.8% | 純新規ARRがQ2として過去最高の$221Mへ再加速。次Q売上ガイドは予想割れだがEPSガイドが上回り+4.6% | 純新規ARRが$265M・前年同期比+73%とQ3として過去最高。通年ガイドも引き上げたが織り込み済みで+1.5% | 純新規ARR $331M・+47%でARRが$5.25Bへ。FY27ガイドが売上・EPSとも予想超えで+4.2% | 純新規ARR $256MとQ1として過去最高、4対1株式分割を発表。時間外は-10%まで売られたが翌日終値は-3.8%まで戻す | 純新規ARRが過去最高の$333M・+51%へ加速。FY27の純新規ARR成長ガイドを630bp引き上げ+34%とし翌日+20.5% |
| 売上 ($) | ||||||||
| 売上実績 | $1,010.2 M | $1,058.5 M | $1,103.4 M | $1,169.0 M | $1,234.2 M | $1,305.4 M | $1,385.6 M | $1,470.9 M |
| アナリスト予想 | $983.0 M | $1,030.0 M | $1,105.0 M | $1,150.0 M | $1,215.0 M | $1,297.0 M | $1,362.0 M | $1,440.0 M |
| ビート率 | +2.8% | +2.8% | -0.1% | +1.6% | +1.6% | +0.6% | +1.7% | +2.1% |
| YoY成長率 | +29.0% | +25.0% | +20.0% | +21.0% | +22.0% | +23.0% | +26.0% | +26.0% |
| EPS ($, 非GAAP・分割調整後) | ||||||||
| EPS実績 | $0.233 | $0.258 | $0.183 | $0.233 | $0.240 | $0.280 | $0.275 | $0.310 |
| アナリスト予想 | $0.203 | $0.215 | $0.165 | $0.208 | $0.235 | $0.275 | $0.268 | $0.290 |
| ビート率 | +14.8% | +19.8% | +10.6% | +12.0% | +2.1% | +1.8% | +2.8% | +6.9% |
| 次Q会社ガイド (売上 $M / 非GAAP EPS、ともに midpoint) | ||||||||
| 会社ガイド | $1,032.1 M | $1,103.5 M | $1,148.2 M | $1,213.0 M | $1,295.0 M | $1,362.0 M | $1,439.0 M | $1,526.2 M |
| アナリスト予想 | $1,030.0 M | $1,105.0 M | $1,160.0 M | $1,228.0 M | $1,290.0 M | $1,355.0 M | $1,430.0 M | $1,520.0 M |
| 上振れ率 | +0.2% | -0.1% | -1.0% | -1.2% | +0.4% | +0.5% | +0.6% | +0.4% |
| 次Q EPSガイド | ||||||||
| 会社ガイド | $0.213 | $0.163 | $0.208 | $0.235 | $0.275 | $0.266 | $0.291 | $0.310 |
| アナリスト予想 | $0.215 | $0.238 | $0.203 | $0.228 | $0.270 | $0.265 | $0.290 | $0.310 |
| 上振れ率 | -1.2% | -31.6% | +2.5% | +3.3% | +1.9% | +0.5% | +0.4% | 0.0% |
| 株価反応 ($, 分割調整後) | ||||||||
| 発表日終値 | $91.08 | $97.54 | $122.19 | $105.65 | $129.14 | $97.86 | $186.90 | $189.18 |
| 翌日終値 | $86.90 | $91.36 | $115.14 | $110.50 | $131.04 | $101.92 | $179.77 | $227.96 |
| 騰落率 | -4.6% | -6.3% | -5.8% | +4.6% | +1.5% | +4.2% | -3.8% | +20.5% |
注: 実績値は全8四半期とも SEC EDGAR の 8-K Exhibit 99.1(CIK 1535527)から転記。売上は総売上、EPS は非GAAP 希薄化後。ガイダンスの列は同じリリースが示した次Qレンジの中央値で、CrowdStrike は売上と非GAAP EPS の両方をレンジで公表する。
注: 当時のコンセンサスは LSEG / FactSet / Zacks / StockStory / Investing.com 等の報道値と、x-search(Grok) で各決算日前後3日に集めた投稿(1四半期あたり6〜10件)を突き合わせて採用した。両者が割れた四半期は下の注記に個別に記した。
注: CrowdStrike は2026年7月1日の取引終了後に4対1の株式分割を実施した(基準日 2026年6月25日、分割後ベースの取引開始は7月2日)。本表の EPS と株価は全期間を分割調整後(実額÷4)に統一している。ビート率・YoY・騰落率は分割の影響を受けない。
注: 分割調整により EPS が $0.16〜$0.31 の狭いレンジに収まるため、EPS は小数第3位まで表示している。発表当時の実額(分割前)は FY25Q3 から順に $0.93 / $1.03 / $0.73 / $0.93 / $0.96 / $1.12 / $1.10 で、FY27Q2 のみ分割後の $0.31。ビート率は分割前の実額どうしの比(分割の影響を受けない本来の率)で計算しているため、表示上の3桁の値どうしを割り戻すと最大0.3ポイントほどずれる。例: FY26Q1 の EPS ビート率 +10.6% は $0.73÷$0.66 から出しており、表示値 $0.183÷$0.165 の +10.9% ではない。
注: FY25Q4 の次QガイドのEPSが予想比-31.6%と極端に見えるのは、2025年2月1日(FY26期首)から非GAAP の算定方法を変えたため。①株式報酬にかかる雇用主負担の給与税を非GAAP から除外 ②非GAAP 実効税率を長期見通しの22.5%に固定、の2点で、会社は Q1 FY26 の非GAAP EPS 見通しへの影響を midpoint で $(0.19)、FY26 通年で $(0.98) と開示している。当時のコンセンサス $0.95 は旧基準で、$0.65 のガイドは新基準。事業が急に悪化したわけではない。同じ理由で FY25Q3・FY25Q4 の EPS 実績(旧基準)と FY26Q1 以降(新基準)は厳密には接続しない。
注: コンセンサスが割れた四半期: FY26Q3 の当期売上は Zacks 系が $1.21B、LSEG 系が $1.22B で、中間の $1,215M を採った。FY26Q4 の当期売上は $1.29〜1.30B に散らばり $1,297M を採用。FY26Q4 の次Q売上ガイド予想は $1.35〜1.36B、FY26Q3 の次Q EPS ガイド予想は Zacks $1.09 に対し他が $1.08、FY27Q2 の次Q売上ガイド予想は $1.51B と $1.52B に割れており、いずれも多数側または中間値を採った。
注: FY25Q3 の純新規 ARR が $153M と落ち込んでいるのは、2024年7月19日のセンサー更新障害(July 19 Incident)の直後の四半期にあたるため。会社は同件に関連する費用(回収額)を非GAAP 指標から除外している。ARR 成長率は FY26Q2 の20%を底に、その後4四半期連続で切り上がった。
注: 8四半期すべて引け後(AMC)の発表。発表日終値は当日のRTH終値、翌日終値はその翌営業日のRTH終値。株価は Yahoo Finance と Nasdaq の2ソースで全日付の一致を確認した(いずれも分割調整後)。CNBC が FY27Q1 の発表日終値を分割前の $747.61 と報じており、÷4 = $186.90 が本表の値と一致する。
注: FY27Q1 は時間外で一時 -10〜11% まで売られたが、翌営業日の終値では -3.8% まで戻した。本表の騰落率は終値ベースなので、当日の値動きの荒さは表れない。
ハイライト決算: FY27Q2
FY27Q2(2026年8月26日発表)は、AI の普及がセキュリティ支出に変わったことが数字で確認できた四半期。純新規 ARR は $332.8M と四半期として過去最高で、前年同期比 +51% と加速した。ARR は $5.84B・+25% となり、FY26Q2 に20%まで落ちていた成長率が4四半期続けて切り上がった形になる。同時に通年 FY27 の純新規 ARR 成長ガイドを 630bp 引き上げて +34%(midpoint)とし、Falcon Flex を採用した顧客の ARR は $2.29B・+101% へ伸びた。注目したいのは、ヘッドラインのビート幅そのものは大きくないことである。売上は +2.1%、EPS は +6.9%、次Qガイドに至ってはほぼ予想線上だった。それでも翌日 +20.5% で終えたのは、市場が評価したのがビート幅ではなく成長の再加速とガイドの引き上げ幅だったからだ。CEO はこれを「Mythos moment」— フロンティア AI の台頭によって、AI を導入するにはまずセキュリティが要ると市場が理解した局面 — と表現した。決算説明会では AIDR(AI Detection and Response)の ARR が前四半期比でほぼ3倍になったことも示されており、AI 由来の需要が製品単位でも確認できる。
出典
- CrowdStrike FY2027 Q2 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2027 Q1 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2026 Q4 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2026 Q3 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2026 Q2 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2026 Q1 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2025 Q4 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2025 Q3 8-K Ex-99.1 (SEC)
- CrowdStrike FY2027 Q2 決算リリース (IR)
- CNBC: CrowdStrike (CRWD) earnings Q2 2027(当時のコンセンサス)
- CNBC: CrowdStrike (CRWD) Q1 2027 earnings(4対1株式分割の発表と分割前終値)
- CrowdStrike 10-Q (2026/7/31期・発行済株式数 1,023,934,842株)
KPI の推移
ヘッドラインのビート幅ではなく、傾きを見るための図。値は各点に直接書いてある(ホバー不要)。
CrowdStrike の一次指標。売上は既契約の期間按分なので鈍いが、当期に取った受注の強さはここに出る。2024年7月19日のセンサー更新障害の直後にあたる FY25Q3 で $153M まで落ち込み、そこから2年かけて過去最高の $333M まで回復した。Q4 が最も厚く Q1 が薄い季節性があるため、前四半期比ではなく前年同期比で見る。
- FY25Q3: 2024年7月19日のセンサー更新障害(July 19 Incident)直後の四半期。前年同期比 -31%
- FY26Q4: 前年同期比 +47%。ARR が $5.25B に到達
- FY27Q2: 四半期として過去最高。前年同期比 +51% へ加速
期末 ARR の前年同期比。障害の影響が一巡するまで33%→20%へ8四半期かけて減速し、FY26Q2 の20%を底に4四半期連続で切り上がった。$5B を超えた規模で成長率が上向くのは珍しい。
- FY26Q2: ここが底。以降は 23% → 24% → 24% → 25% と再加速
非GAAP営業利益 ÷ 総売上で算出。成長の再加速と利益率の改善が同時に起きているかを見る図。FY26Q1 の18.2%を底に、FY27Q2 は25.3%まで戻した。
- FY26Q1: 底。障害後の顧客つなぎとめ策と投資が重なった時期
- FY27Q2: 非GAAP営業利益 $371.6M / 売上 $1,470.9M