総合判定青信号(平常)4系統の最悪値(1系統でも赤なら赤)
① 調達コスト青信号(平常)
米ハイイールド社債スプレッド60営業日で -0.03pp発火条件: 60営業日で +0.50pp で黄 / +1.00pp で赤
② ネオクラウド青信号(平常)
CRWV / NBIS(借金でGPUを買う側)最弱 CRWV が90営業日高値から -23.7%発火条件: いずれかが90営業日高値から -25% で黄 / -40% で赤
③ 貸し手青信号(平常)
OWL / ARCC(プライベートクレジット)90営業日高値から OWL -3.5% / ARCC -1.6%発火条件: 全銘柄そろって90営業日高値から -12% で黄 / -20% で赤
④ 調達ウィンドウ青信号(平常)
AI関連IPO・公募増資の消化具合4件中 1件が発行価格割れ発火条件: 発行価格割れが過半で黄 / 全件で赤

① 米ハイイールド社債スプレッドICE BofA US High Yield OAS・日次・FRED(BAMLH0A0HYM2)

「借金で建てるAIデータセンター」の調達コストの体温計。現在 2.71%(2026-08-13)、 60営業日変化 -0.03pp。 水準がタイト(低い)ほど市場は楽観。2025年4月の関税ショックでも 4.6% 止まりで、5% 超えは近年未経験。 見るべきは水準より拡大の速度で、60営業日で +1pp の急拡大が起きたときが「財布が閉じ始めた」合図。

米ハイイールド社債スプレッド(%)ハイイールドOAS10月2024年4月7月10月2025年4月7月10月2026年4月7月2.5%3.0%3.5%4.0%4.5%HY OAS 2.7%

② ネオクラウド vs NVDA2025-04-01 起点=100・日次終値・対数軸(NBISの暴騰で他が潰れないように)・限界的な資金調達者ほど先に折れる

CoreWeave・Nebius は「借金で GPU を買って貸す」ビジネスで、AIクレジットの最も限界的なプレーヤー。 2000年アナログでの CLEC に当たる。本丸(NVDA)より先にここが崩れ始めたら、買い手の資金繰りの悲鳴と読む。 2026年7月末のシチュエーショナル・アウェアネス(ヘッジファンド追証)事件で売られたのもこの一角だった。

ネオクラウド2社と NVDA ── 表示起点=100CoreWeave(ネオクラウド)Nebius(ネオクラウド)NVIDIA(参照・本丸)4月7月10月2026年4月7月1002005001000NBIS 1223.8NVDA 204.4CRWV 200.2

③ 貸し手(プライベートクレジット)2024-08 起点=100・日次終値・「1社固有の悪材料」を弾くため全銘柄そろいで判定

Blue Owl・Ares はデータセンター建設・SaaS・AI 投資に貸し込んでいる上場プライベートクレジット。 貸し手の株価は「貸出ポートフォリオの健全性への市場の評価」で、貸し渋りが始まる前にここが売られる。 Blue Owl は 2026年2月の時点で「AI投資へのファンディング懸念」で下げが始まっており(Market Hack 2026-02-23 配信の観察と一致)、 すでにトレンドとして弱い点に注意。

プライベートクレジット2社 ── 表示起点=100Blue Owl Capital(貸し手)Ares Capital(貸し手)10月2025年4月7月10月2026年4月7月5075100125150ARCC 95.8OWL 67.8

④ 調達ウィンドウ — AI関連の大型IPO・公募増資発行価格に対する現在値。割れが続くとウィンドウが閉じる

案件種別値決め日発行価格現在値乖離
Cerebras SystemsCBRSIPO2026-05-14$185.00$218.98(2026-08-14)+18.4%
AlphabetGOOG公募増資2026-06-09$355.19$343.54(2026-08-14)-3.3%
SpaceXSPCXIPO2026-06-11$135.00$140.00(2026-08-14)+3.7%
SK hynix ADRSKHY公募増資2026-07-10$149.00$166.33(2026-08-14)+11.6%
  • 控え: Anthropic — 2026-09 レイバーデー明けにIPOロードショー開始見込み。値決めされたら creditDeals に追記
  • 控え: OpenAI — 当初2026年秋→延期報道あり(2026-06-26時点)
  • 2026-07-28 時点では上記IPO組の全銘柄が一時発行価格割れした(Market Hack 配信の記録)。その後回復しており、割れ→回復の往復自体がウィンドウの脆さを示す。

読み方 — なぜ「決算」ではなく「財布」を見るのか

崩れの伝播順序は 金融(調達)→ 発注 → 生産 → 決算 を想定している。2000年の実例では、 シスコは株価天井(2000年3月)の後も2四半期決算ビートを続け、初めてのミスは天井の10ヶ月後だった。 先に変わったのは (a) 新興キャリアの資金調達市場、(b) 良い決算に株価が反応しなくなる、の2つ。 したがって NVDA の決算ビート(beat-monitoring)だけを見ていると降り遅れる。 このページの4系統はすべて (a) 系の先行指標で、(b) は beat-monitoring 側のデータ(ビート時の翌日リターン)で補完する。

閾値は 2026-08-16 に固定した初期値。ネオクラウドは高ボラのため深め(-25/-40%)、貸し手は低ボラのため浅め(-12/-20%)、 貸し手のみ「全銘柄そろい」条件にして1社固有の悪材料を弾く。 閾値を後から動かすと「事後にどうとでも言える」観測に堕ちるため、変更する場合はこの節に履歴を残す。

出所・注記

  • ハイイールドスプレッドは FRED の BAMLH0A0HYM2(ICE BofA US High Yield Index Option-Adjusted Spread)。日次・営業日のみ。
  • 株価は Yahoo Finance chart API の日足終値2年分(フォールバック: stockanalysis.com 約1年分)。調整後終値ではなく素の終値。
  • 2026年上場銘柄(CBRS/SPCX/SKHY)は上場日以降のみ。
  • 更新: apps/web で node scripts/fetch-ai-credit-monitor.mjs(/update-ai-credit-monitor)。ディール表は手編集(app/data/aiCredit/deals.ts)。
  • 一次ソース: → FRED: ICE BofA US High Yield Index Option-Adjusted Spread