1Password for Agentsが発表された。Claudeで今すぐ使えるのはMac版の「1Password for Claude」

開発misc-devアクティブ

1Password for Agentsが発表された。Claudeで今すぐ使えるのはMac版の「1Password for Claude」

1Passwordが2026年10月22日に「1Password for Agents」を発表した。 AIエージェントがログイン画面に来たとき、パスワードをエージェントに渡さずに1Passwordが直接入力する仕組みである。 X の告知では、Anthropic の Claude も連携先に並んでいた。 リリース済みなら自分の環境に入れたいので、公式情報で提供状況を確認した。

結論

  • 1Password for Agents は個人向けの Individual プランと Family プランに含まれ、追加料金はない。使うかどうかは任意で、連携をオンにしない限りエージェントは保管庫に触れない
  • 発表時点で展開が始まっているのは Meta の Muse と SpaceXSI の Grok Bot の2つだけである。Claude 向けの連携(Claude Duet)は「近日対応」で、まだ入れられない
  • Claude で今すぐ使えるのは、2026年7月から提供されている「1Password for Claude」である。これは Mac 限定で、Claude Desktop と Claude in Chrome、有料の Claude プランが要る
  • 自分の環境では、Mac 主機なら要件を満たせば入れられる見込みだ。Windows 機は 1Password for Claude の対象外である。Mac 側の各バージョンはこの記事の時点では未確認なので、末尾の手順で確かめる

1Password for Agents の仕組み

エージェントがログイン画面に来ると、エージェントは固有のデジタルキーを使って自分の身元を1Passwordに示す。 ユーザーには「どのアカウントのログイン情報を、何のために使いたいか」が表示され、ユーザーは自分のデバイス上で承認か拒否を選ぶ。 承認すると、1Passwordがパスワードやワンタイムコードをサインインフォームに直接入力する。 エージェントが受け取るのは「アクセスが許可された」という結果だけで、パスワードそのものは見えない。

1Password はこの入力方式を「Agentic Autofill」と呼んでいる。 公式の FAQ には、運用上の性質として次の点が書かれている。

  • 保管庫全体は開かない:承認はログイン1件ごとに行い、ほかの保存済みパスワードは見えないままになる
  • どのログインを使うかは選べる:同じサイトに複数のログインがあれば、ユーザーが選ぶ
  • 承認の頻度は連携ごとに違う:どのくらいの頻度で承認を求められるかは、連携先によって異なる場合がある
  • ログイン後の操作は対象外:サインインした後にエージェントがアカウント内で何をするかは、エージェントとサービスの側に委ねられる。承認前にタスクの中身とアカウントを確かめるよう勧めている

これまでは、エージェントにログインさせるためにチャット欄へパスワードを貼り付けるやり方が広がっていた。 貼り付けたパスワードは会話履歴やエージェント側のログに写しが残り、ユーザーが管理できなくなる。 1Password for Agents は、エージェントにパスワードの写しを持たせず、ログイン1件ごとにユーザーの承認を挟む。

対応プランと提供状況

項目内容
発表日2026年10月22日(トロント発表)
対象プランIndividual、Family(追加料金なし)
非対象1Password.eu と 1Password.ca のアカウント
利用の可否任意。エージェントの連携をオンにしない限り保管庫に触れない
未対応のエージェントウェイトリストに登録すると提供開始の通知が届く

連携先ごとの状況は、1Password の公式ブログと製品ページの記載に揃えた。 報道では「ローンチ時に OpenAI も使える」とするものと「OpenAI は今後」とするものが混在しているため、公式の書き方を正とした。

エージェント提供元状況(公式の記載)
MuseMeta数日かけて全プラットフォームへ順次展開
Grok BotSpaceXSI数日かけて全プラットフォームへ順次展開
Claude DuetAnthropic近日対応
ChatGPT Work、dotsOpenAI近日対応
TownieTownWeb 版と iOS 版の連携が近日対応
Browserbase、Browser Use、Dana、Instinct、Kernel、Perplexity、Ramp、Tomo、Wajo各社近日対応予定

Claude Duet と既存の 1Password for Claude

今回の発表に出てくる Claude 側の連携先は「Claude Duet」という名前になっている。 1Password のブログは Claude Duet を「チームがすでに使っているツールの中で動き、ユーザーに代わって先回りして仕事を進める」エージェントと紹介している。 プレスリリースに寄せた Anthropic のコメントは「Claude Duet はどこかにサインインする前に必ず確認を求める」というもので、既存のパスワードを1Passwordが入力する機能は「近日(soon)」提供としている。 Claude Duet そのものについての Anthropic 側の発表は、この記事の時点では見つけられなかった。

これとは別に、Claude には2026年7月から「1Password for Claude」という連携がある。 Claude Desktop と Claude in Chrome の組み合わせでブラウザを操作する Claude が、1Password に承認を求めてログインする仕組みである。 パスワードをエージェントに見せずに1Passwordが直接入力する点は、今回の Agentic Autofill と同じだ。 Claude で今日使えるのはこちらだ。

1Password のサポートページに載っている要件は次のとおり。

項目要件
OSMac のみ(Windows の記載はない)
1Password for Mac8.12.28 以降
1Password ブラウザ拡張8.12.28 以降
Claude のプラン有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)
Claude 側のアプリClaude Desktop と Claude in Chrome 拡張
対応するアイテムLogin アイテムのユーザー名、パスワード、ワンタイムコード、Google などのサインインプロバイダ経由のログイン
対応しないものパスキーと、Login 以外のアイテム種類

1Password 側の安全設計もサポートページに書かれている。 エージェントのセッションごとに別々の暗号鍵が発行され、あるセッションに渡したログイン情報はほかのセッションから見えない。 渡したログイン情報はブラウザ拡張のメモリ上だけに置かれ、タスクの完了、ブラウザの終了、最長9時間のいずれかで破棄される。 一方で、端末に管理者権限でコードを実行できる攻撃者がいる場合は保護を回避されうること、送信したログイン情報はログイン先サイトの管理下に入ることも明記されている。

自分の環境で入れられるか

自分の作業環境は Mac 主機と Windows ノートの2台である。 7月の時点では Windows 機で検証しており、1Password for Claude は Mac 限定のため対象外とした(1Password EnvironmentsのMCP連携がWindowsで解禁)。 その後の2026年8月に主機を Mac へ移したので、この前提が変わった。

機体1Password for Claude1Password for Agents(Claude Duet)
Mac 主機要件を満たせば入れられる見込み(バージョンは未確認)近日対応(提供時期は未発表)
Windows 機対象外(Mac のみ)近日対応。対応 OS は未発表

Windows 機で確認できた事実は次のとおり。

  • 1Password のデスクトップアプリは 8.12.42.36 だった。バージョン条件は満たしているが、1Password for Claude が Mac 限定なので使えない
  • 1Password のアカウントは my.1password.com で、対象外の .eu と .ca ではない
  • 個人向けの Individual か Family かは、CLI の出力からは判別できなかった

Mac で入れるときの手順

Mac 側は、次の3点を満たしているかを先に確かめる。

  • 1Password for Mac が 8.12.28 以降か(アプリの「1Password について」で確認する)
  • 1Password の Chrome 拡張が 8.12.28 以降か(chrome://extensions で確認する)
  • Claude Desktop と Claude in Chrome 拡張の両方が入っているか

満たしていれば、サポートページの手順で接続する。

  1. 1Password のデスクトップアプリと Claude Desktop の両方を開く
  2. Claude Desktop で Customize から Connectors を開く
  3. 一覧の 1Password で Connect を押す
  4. 1Password 側に出る確認画面で、Touch ID かアカウントのパスワードで承認する

使うときは、Claude Desktop で New から Cowork を選び、ログインが必要なタスクを頼む。 ログイン画面に来ると1Passwordに承認画面が出て、そのサイト向けの Login アイテムが提案される。 提案が外れる場合は、アイテムに保存してあるウェブサイトの URL がログイン画面の URL と一致しているかを確かめる。 接続を解除するときは、同じ Connectors の画面で Disconnect を押す。

Claude Duet の連携は「近日対応」と書かれているだけで、提供時期は示されていない。 1Password の製品ページでウェイトリストに登録しておくと、対応したエージェントが使えるようになったときに通知が届く。

参考

#1password#ai-agent#claude#security